災害直後に携帯電話が不通になる要因としてはいくつか挙げられるが,大きな影響を与えているものの一つに「停電」がある。災害発生時に,送電線の切断や発電所,変電所などの停止によって送電が止まってしまうと,基地局への電源供給が絶たれ,停波状態となって携帯電話が使えなくなってしまうのである。 災害時に備え,基地局にバッテリーや自家発電機を用意 こうした停電に備えて,携帯電話事業者各社はいくつかの対策を講じている。最も基本的な対策といえるのがバッテリーだ。 各携帯電話基地局には,緊急時に備えてバッテリーが用意されており,これを用いることで2,3時間~1日もの間,基地局を稼働させておくことができる。このため,停電したらすぐに基地局が止まるわけではなく,バッテリーの持続時間内に電源供給が再開してしまえば,ユーザーからは「何もなかった」ように見える。 さらに,基幹となる基地局や交換機を収める交換局には,より