代表引退。 選手自らがそう宣言するのは、日本では珍しい。 2010年ワールドカップ南アフリカ大会後に楢崎正剛、2018年ロシア大会後には長谷部誠、本田圭佑が代表引退を口にしている。 そしてもうひとり、酒井高徳も「4年後は目指さない」とベルギー戦後に語った。 しかし、酒井はこう言っている。 「僕の場合は『引退』ではない。引退というのは、長谷部さんや圭佑くんのように、代表に多大なものを残した選手こそが使う言葉。僕は彼らとは違う。何の結果も残すことができなかった。『引退』という言葉を使う立場にはないから」 2010年大会にはサポートメンバーとして帯同、晴れてメンバー入りした2014年ブラジル大会では、膝をガチガチにテーピングで固定して戦う内田篤人の姿に感動しながらも、自身の無力さを痛感した。 「まだ膝に痛みのあるはずの篤人君の代わりになれるという信頼を、僕は監督から得られなかった。次のワールドカ
![酒井高徳が悩み抜いて選んだ道。2つのルーツと、代表を退く決断。(寺野典子)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bbc83e949ea91460ada1f6ba5c6ae2444afe92d4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2Fb%2F-%2Fimg_8be06b5caf195641b49ad958fc281d30113800.jpg)