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怒りの人類史 作者:バーバラ H ローゼンウェイン 青土社 Amazon 「人類史」とは書いてあるが、内容は思想史のそれ。主に西洋で「怒り」という情動とはどのようにみなされてどのように扱われてきたか、ということが論じられている。 第一部では怒りを否定する思想の歴史、第二部では怒りを(条件付きで)肯定する思想の歴史が扱われて、第三部では自然科学や心理学などにおける怒りについての研究の変遷が描かれる。 最終章のひとつ手前の12章では、SNSのある現代社会における「怒り」の善し悪しについて論じられるのだが、著者はいちおうは中立っぽい風でありながらも、トランプ主義者や人種差別主義者たちの「怒り」を否定する一方で、フェミニストたちの「怒り」は肯定しているようだ。 ……正直に言うと、この章の書きぶりはなかなかにひどい。「思想史家として中立的でありたい」という意識のせいか、怒りに関して様々な哲学者が行な
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