「星のまち」としても知られる交野市から枚方市にかけては、七夕伝説があり、市内には天野川が流れ、織姫と牽牛ゆかりの地も残っている。しかし、そもそも織姫と牽牛の物語は中国由来だったはずだ。そのゆかりの地が、なぜ大阪にあるのだろう。 織姫と牽牛の七夕物語は多くの人が一度は耳にしているに違いない。 織女と牽牛は恋人同士だったが、恋にうつつを抜かして仕事を怠けるようになったため、崑崙山を統べる仙人であり、織女の母でもある西王母が天の川で二人を遮ってしまった。しかし二人があまりにも悲しむので、7月7日の夜だけはカササギが橋を渡し、二人の逢瀬を助けたのだ。 中国に伝わる伝説は、道教、儒教、仏教の思想によるものが入り交っているが、七夕神話は道教の物語で、琴座のベガは裁縫を司る星、わし座のアルタイルは農業を司る星とされる。この二つの星とはくちょう座のデネブを合わせて「夏の大三角」と呼ぶように、北半球では夏に