最近、NHK のニュースで「昆虫 昔はもっと羽があった」というものがありました。 このブコメ*1に「昆虫の『はね』は『翅』と書くのが正しいんじゃないの?」と思っている人がいるようなので、また記事を書くことにしました。 例によって、実例から入ります。 虫について「羽(根)」が使われている例です。 螽蟖の記 室生犀星 (1965年) きりぎりすは昼間もなくが、風が吹くとなく。風が吹くと羽根さばきがらくになり、気持よくなけるらしい。 黄金虫 エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳 (1951年) あの虫はどこからどこまで、羽根だきゃあ別だが、外も中もすっかり、ほんとの黄金虫でさ。 クララ 林芙美子 (1947年) 羽根の生えた蟻のような蟲がぶうんと山吹の枝へ飛んで來て兩手でお祈りをしています。 番茶話 泉鏡太郎 (1942年) 蟲(むし)は、美(うつく)しい羽(はね)も擴(ひろ)げず、 こうして