ロシアとトルコが動くと、シリアのバッシャール・アサド政権は得をし、反体制派とロジャヴァは追い詰められる――イスラーム国が排除されたシリア情勢は、このように推移している。 トルコにとっての「テロリスト」とは シリア国内でのロシアとトルコの軍事行動は「テロとの戦い」の論理に基づいて(自己)正当化されている。だが、両国にとって「テロリスト」とは異なった組織を意味する。 トルコにとっての「テロリスト」とは、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)、同党が指導する自治政体のロジャヴァ(西クルディスタン移行期民政局、ないしは北シリア民主連邦)、その武装部隊の人民防衛隊(YPG)や女性防衛隊(YPJ)、そしてこれらの部隊を主体とするシリア民主軍のことだ。トルコは、これらをクルディスタン労働者党(PKK)と同根の「テロ組織」とみなしている。 トルコは、「アラブの春」がシリアに波及した当初から、それが「クル
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