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  • nix in desertis:(割と古い)PCの捨て方

    PCの捨て方が意外とめんどくさい,ということが今回2台PCを捨ててよくわかった。私がなぜPCを捨てあぐねていたのか,説明するととても長くなるので下に格納する。捨て方について手短に言えばこんな感じ。 (1)PCリサイクルマークがついてるかどうか確認する。 → ご存じの通り,PCを捨てるには法律(※)によりお金がかかることになって久しい。しかし,このマークがついているパソコンについては,購入時に捨てる料金がすでに含まれているという扱いになるので,捨てるときに追加で払うお金は発生しない=タダで捨てられる。というか法律の施行が2003年10月からなので,ここ数年以内の大概のパソコンはついているはずである。ついていない場合は……残念ながらまっとうに捨てるとデスクトップPCで3150円ほど追加でかかる。(※ 資源有効利用促進法,いわゆるパソコンリサイクル法) (2)メーカーが存命の場合はメーカーのHP

    • nix in desertis:イギリス農業革命と産業革命を,高校世界史でどう説明するか

      高校世界史深掘りシリーズ。またしても経済史になるが,こういうネタは経済史の方が拾いやすいというのはある。18世紀後半から19世紀前半にかけて,イギリスでは産業革命が起きているが,その前段階として農業革命も起きている。 農業革命とは,狭義には農業技術の革新である。細かく言えば農具の改良や土壌改良手法の確立等もあいまって全般的に改良されたようなのだが,高校世界史上でも取り上げられる最大の革新は,三圃制農業が四輪作農法(ノーフォーク農法)に切り替わったことであった。すなわち,輪作の周期に窒素固定を行うマメ科の植物(の根粒菌)を入れることで地力の回復を早めつつ,家畜用作物も生産することができるようになった。これによって休耕地が消滅し,穀物が増産され,同時に畜産物の肥育も容易になった。近代的混合農業の始まりである。 こうした農法の切り替わりは農村のあり方に波及することになる。イギリスの農村ではそれま

      • nix in desertis:舞の海講演会について(文字起こし有)

        ・“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言(週刊金曜日) この週刊金曜日の記事が物議を醸したが,本当に舞の海がそんなことを言うのか疑問であったので,映像を紹介されたこともあり,そちらを視聴してみた。以下の動画の45分頃からが舞の海の講演。 結果から言えば,週刊金曜日の記事はひどい発言の改竄である。舞の海氏が気づいて訴えたら弁解の余地がないレベルだと思う。一応言っておくと,舞の海氏の講演内容に残念な点が無いわけではない。しかしそれは非常にダメな俗流若者論であったり精神論であったりする面であって,週刊金曜日の言うような点での問題点ではない。 “「外国人力士が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えないが、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」と語ると、参加者から拍手が湧いた。“日の丸”旗を手にした男性が「頑張れよ」と叫び、会場は排外主義的空気が顕著に

        • nix in desertis:『宇崎ちゃん』バッシング騒動についての雑感

          本件についての議論の要点は,『宇崎ちゃんは遊びたい!』という作品を初見時にどう読解するか,という点にあると思っている。ある人が「ある程度この種の作品を見慣れている人たち(主にオタクと呼ばれるような)なら,仮に『宇崎ちゃん』という作品を全く知らなくても,この3巻の表紙を見たら,まあ大体『高木さん』とか『長瀞さん』とかの,あの系統の作品なんだなという想像がつく」と書いていて,それに完全に同意する。そう,文脈がわかる人には,乳袋表現はあくまでヒロインをかわいく見せる一つのテクニックでしかなく,そこが作品全体の主要ではないことに容易に察しがつくのである。(※) しかし,そうした文脈を読む力が一切ない人がこの絵を見たとして,これだけの解釈ができるかどうか考えてみると,まあ無理かろうなと思う。どう見ても絵の中央にやけに強調した胸が鎮座し,注射針が怖い男性を見下して煽っているかのようなセリフまで付いてい

          • nix in desertis:なぜローマは崩壊したのに中国帝国は存続したか

            ・なんでローマは崩壊したのに中国帝国は存続した?(歴史的速報@2ch) そもそもローマ帝国再興は土台無理な話として,むしろ「なぜフランク王国は西ローマ帝国再興にさえたどりつかなかったのか」という話で考えた方が建設的であろう。で,結論としては,フランク王国が北魏になれなかったってことだろう。クローヴィスからシャルルマーニュまで300年,ゲルマン人の大移動開始からなら450年弱,ちょっと時間が開き過ぎた。北魏は道武帝から太武帝までわずかに約50年。八王の乱から数えても,太武帝の統一まで約150年。間に一度苻堅による統一があるから,西欧に比べれば分裂していた期間は短い。八王の乱から隋の統一まででやっと300年だ。だから皇帝の求心力が低下しきらず,統一への求心力が維持された。 もう2つ大きな違いとして。隋は後漢の領域のほぼ全てを覆ったが,鮮卑の旧領であるモンゴル高原は保持できていない。その後,唐が

            • nix in desertis:なぜイスラーム国は預言者ヨナの墓を破壊したか,と聖遺物崇敬の話

              ・預言者ヨナの墓、ISISが破壊 キリスト教などの聖地(CNN) 武装勢力に破壊されるイラクの文化遺産―預言者ヨナの墓も(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) イスラーム過激派のISIS(自称「イスラーム国」)は,預言者ヨナの墓廟とされる建物を破壊した。これに対するリアクションで多く見られたものは,「狭量な過激派がまた異教の宗教施設を破壊したか」というものと,ヨナが『クルアーン』にも登場していることを知っている人たちの「イスラーム教での聖人であるはずのヨナの墓をなぜ」というものであった。後者の疑問については,実はかなりいいところを突いている疑問だと思う。ちなみに,2年ほど前にもアルカーイダ系の組織がイスラーム教の聖者の墓廟を破壊している。つまり,これはISIS独自の行動というよりも,過激派にある程度共通する行動といってよい。ここら辺について,ちょっとした解説を試みる。 まず,根本的な話

              • nix in desertis:2022受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大・早稲田大途中まで)

                今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。自分自身も例年より忙しさがやわらいだ2月で,少し書きやすかった。なお,3巻が発売しているので,2020年以前をまとめて読みたい方はこちらをお読みください。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験

                • nix in desertis:カオスラウンジ周辺諸問題について

                  0.はじめに 私のことをよく知らない人のために自己紹介を兼ねて言えば,私がこの問題に関心を持ったのは美術史学畑の人間だからであり,20世紀以降の芸術は一部例外を除けばおおよそ全部嫌いだからである。私の芸術観については過去記事のこれやこれを参考にしていただければおおよそわかると思う。 実害もなくなぜそんなに嫌いなのかと言われると,実はそこまで嫌いでもなく,自分が好きなものの行く末はなんのかんの言いつつもやはり興味を惹かれ,結果的に横目で眺めているというのがおそらく正しい。趣味が悪いと言えば悪いし,私憤でしかないと言われれば,私憤であると答える。特に村上隆関連を追っていたのは,自分の趣味であるヲタク界隈と接続しているからで,カオスラウンジはその延長線上に登場したに過ぎない。また,まどか☆マギカ関連でおもしろくない批評をやっていたのが彼らに良くない印象を与えたことも,一応この記事を書いた理由とし

                  • nix in desertis:『天気の子』感想・批評

                    〈セカイ系としての『天気の子』〉 自分としては本作がセカイ系であるかどうかとか,セカイ系の定義にはあまり興味がない。むしろ本作の場合,人類が滅びるような障害を乗り越えられる程度の障害に縮小したところを評価したい。人類を滅ぼさんでもセカイ系はできるし,やってよいのだという意味合いでなら本作をセカイ系の文脈で語るのは面白いと思う。もう,ヒロインとセカイのどちらかしか選べないという結末しかないのに我慢する必要はないのである。東京は部分的に水没したし,陽菜は晴れ女の能力を失った。それでも都民はたくましく生きている。 そもそも須賀の言う通り,陽菜が帰ってきたから雨が降り続いているなんて因果関係がはっきり証明されているわけではない。2人は降り続く雨を気に病まなくていい。まさに「大丈夫」なのだ。実は選択でさえないかもしれないという読み方を残している。読み方の選択の余地があり,選択を迫られているのはむしろ

                    • nix in desertis:2018受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大)

                      昨年に2巻を発売して一区切りつき,本業も計画的に仕事を進めた結果,それなりに余裕ができたので,本年は全編公開とすることができた(追加で少し日本史までできた)。協力してくれている校正者の皆さんにも感謝したい。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまった

                      • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2014 その3(国立大)

                        ・はじめに 例年は私大のみ収集しているので,これは特別編である。2014年は国公立大で暴走した大学がいくつか見られた。国公立大は論述問題が多く,学部別に入試を作る必要がなくて前期1回分だけ作ればよいせいか,良問が多いのが通例である。しかし,この場合は別方向に暴走することがたまにある。教員が学生に課す期末試験の感覚で入試問題を作ってしまうという現象である。これはこれで範囲外の知識を要する問題ができあがる。 ただし,あえて言ってしまえば,論述において思考力を課す試験と範囲外の知識がないと解けない試験は紙一重である。なぜなら作った側は「確かに○○という事実を知らないと解けないが,問題文でヒント出してるんだから推測できるだろこれくらい」と思い込んでいるからだ。ゆえにこうした問題は,おそらく作った本人としては意欲作なのである,困ったことに。しかしふたを開けてみれば,推測なんてつくはずもなく,ちゃんと

                        • nix in desertis:高校世界史の教科書で「ニューディール」をいかに扱うか

                          高校世界史深掘りシリーズ。一般にフランクリン=ローズヴェルト政権がとったニューディール(政策)はアメリカ経済を回復させ,世界恐慌からの回復を実現したというイメージを持たれていると思われる。実際にはアメリカは1937年の秋頃に再度不況に突入し,1938年には二番底を経験している。ニューディールは議会と司法の抵抗により当初の想定よりも小規模でしか実現されず,十分な効果を発揮することができなかった。司法の抵抗としてはNIRAの違憲判決が有名であろう。議会は共和党はもちろん,民主党も南部の保守派が強く抵抗した。ちょうど民主党がリベラル旋回の途上にあって,伝統的な民主党の党員と亀裂が生じていた時期と重なっていたというのは見過ごされがちであるかもしれない。結局,アメリカが世界恐慌からの完全な脱却に成功したのは第二次世界大戦による軍需拡大の貢献が大きい。 しかし,ではニューディールの歴史的意義が過大評価

                          • nix in desertis:「ロボットは東大に入れるか」発表会(11/23)レポート

                            通称「東ロボくんプロジェクト」。NHKでも報道があった通り,発表会があったので参加してきた。以下にレポートを書いたが,超長くなったので,簡潔に先にまとめておく。 ・入試は「暗記とパターン」だが,パターン作りというのは,実際には高度な人間の知的能力。だから大学入試を選んだ。 ・最終的にコンピュータに身につけて欲しい能力(=東大入試突破に必要な能力)は3つ。「深く正確な(自然言語の)構文解析と意味合成」・「パラフレーズ同定」・「文章の要約」。これらは現在の人工知能ではできない。 ・ただし,今回は初回なので,挑戦する入試をセンター試験(模試)に絞った。また,最終的に欲しい能力を目指す本質的な研究ではなく,今回は,小手先の,現状可能なアプローチだけで,どれだけセンター試験で得点できるかに挑戦した。そのセンター模試の結果は約4割の得点率(387/900)。足切り回避まで,まだまだ先は長い。 (筆者注

                            • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2016 その1(上智大・慶應大)

                              今年の分もなんとか書き上がったので,お届けする。 ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じであるが,新課程になったので用語集の収録語・頻度が大きく変わった。その点は変更がある。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度

                              • nix in desertis:「受験世界史の音楽史がやばい」に寄せて

                                ・受験世界史の音楽史がやばい(増補あり)(allezvous’s blog) これの受験世界史側から見たあれこれを。 ・そもそもこんなに覚えなくてもよい 私をして見たこと無い入試問題がめちゃくちゃ多い。これは私が00年代半ば以前だとさすがに私大は綿密に解いていないという事情があるので,半ば私の調査不足が原因である。とはいえ元のpdfに掲載されている入試問題の年度を見ていただけると,2001年や2003年の問題がけっこう含まれており,中京大や愛知淑徳大といった,あまり特別に大学別の対策をしないような大学の入試問題からも拾っている。このプリントの作者は,中堅以下の私大に限れば私よりも断然研究している。 逆に言ってしまうと,そこまでしないと音楽史の入試問題抜粋集なんて作れないのである。拙著でも何度か取り上げているが,高校世界史は明らかに文学偏重であって,扱いの重さは文学>美術・建築>その他である

                                • nix in desertis:センター試験に潜む変態

                                  今年のセンター試験英語は非常につまらない結果に終わったが、トラップは古文に仕組まれていた。今年の古文の出題は『恋路ゆかしき大将』である。これが問題であった。この話、物語がひどい。非常に詳しいブログがあるので、興味のあるかたはそちらを読んでいただきたい。 ざっと説明すると、主人公である恋路大将はイケメンだが寡黙な上級貴族であり、まあ普通の人生を送っていた……はずだった。あの日、天皇の娘二ノ宮(11歳)に出会うまでは……。確かに、若紫(10歳)の例や、現実にそのくらいの年齢で婚姻している貴族もいることを考えるに、当時の常識では特に問題なかったように思えるかもしれない。しかしそれは、源氏でさえ若紫14歳まで待ったように、婚約の意味しか持たず、平安時代でもロリコンはロリコンであった。恋路お兄さん(26歳)はその後、周囲の冷たい視線を浴びながらも、あまりのストーキングっぷりに根負けした天皇にその仲を

                                  • nix in desertis:『けものフレンズ』感想

                                    ご多分に漏れず,私も最初は全くのノーチェックであった。そして本作に気づいたのは,骨しゃぶりさんのこの記事だった。 ・アニメ『けものフレンズ』は人類史600万年を探求する 正直,この記事を読んだ最初の感想は「まーた骨しゃぶりさんは大げさに書きおってからにwww」だったのだが,1話を視聴してマジもマジだったので椅子から転げ落ちた。よくもまあ1話にあれだけ詰め込んだものだ。確かそれが1月27-28日頃で,まだ2話と3話の切り替わりくらいの時期だったと思う。3話までは立て続けに見てすっかりはまってしまった。おそらく同じような行動の人は少なからずいて,あの記事は『けものフレンズ』受容史を作るとしたら欠くべからざるものだと思う。世間的に爆発したのが2/6頃だそうなので,自分を含めてあの記事で見始めた勢は比較的アーリーアダプターの部類といえるかもしれない。もちろん,アプリ版からの支持者や1話ですぐ気づい

                                    • nix in desertis:ゴヤとマネという様式分類上の困難を高校世界史でどう扱うか

                                      久しぶりの高校世界史深掘りシリーズ。 言うまでもなく,様式史とは同時代または後世の人間による整理である。ゆえに画家個人を必ずどれかの様式に入れないといけないわけではない。実際に,どうにも分類しがたい画家は存在する。しかし,専門家や好事家はともかく,一般教養や高校世界史のレベルだと,有名な画家をどこかしらのグループに入れることが要請される。この画家は一人一派なので型にはまらないのです,という説明を通すのは難しい(なぜ難しいのかわからないという人はすでに世間の知的水準や感覚から遊離している自覚を持つべし)。どこのグループにも入らない理由の説明をしようものなら,世の中には一般教養として求められるものが無数にあるのだから,込み入った事情を把握するくらいなら別のものを学んだほうが効率がいい,という反応をされてしまうのが常である。これは知っていてほしいと思う側にも望ましくない状況で本末転倒である。だか

                                      • nix in desertis:『絶対に解けない受験世界史 (大学入試問題問題シリーズ)』が出ます

                                        以下,本書の紹介をFAQ形式で。 よくわかる! 『絶対に解けない受験世界史 ―悪問・難問・奇問・出題ミス集』FAQ Q.どういう本なの? 何が目的なの? A.サブタイトルの通り,大学入試における悪問や超難問,出題ミスを収録・解説した本です。本気で難しくて解けない問題から,日本語の崩壊した問題,単なる誤植,笑える問題など,多岐にわたって収録しています。 1.入試問題作成の杜撰さを世の中に訴えること 2.出題ミスの事例を集めて,出題者へ提供すること 3.悪問を笑い飛ばして当時の受験生の無念を供養すること 4.世の中の世界史マニアに難問を提供すること を主な目的としています。 Q.どんな問題が収録されてるの? A.帯に入れた例を引用しますと, ・p.37:青磁か白磁問いながらも問題用紙はモノクロプリント(早稲田大 文学部 2014年) ・p.65:大学教授自らが書いた学術論文のテーマを入試問題に

                                        • nix in desertis:2015年度センター試験地歴の「やらかし」について

                                          まさかセンター試験で「悪問集」に入れなくてはならないようなミスが出るとは思ってもなかったが,出たものはしょうがない。しかし,マスコミの報道では説明が面倒くさいからかミスの内容が詳しく解説されておらず,各予備校でも所詮100点満点の3点分であるせいか,大きく取り上げられていない。そして受験生の間での噂話では情報が錯綜していて混乱しており,あまり良い状態とは言えない。そこで,本ブログで取り上げて問題点を整理しておく。取り急ぎの超音速で書いているので,この解説自体に誤植があったり,後から追記のあったりするかもしれないが,糾弾目的で書いている記事ではないので,ご容赦いただきたい。なお,直接の出題ミスが出たのは世界史Bのみだが,日本史Bでもやらかしているので,表題は「地歴」としておいた。これについても一応触れる。 1.センター試験世界史B〔本試〕 <種別>出題ミス(複数正解) <問題>第4問 問8 

                                          • nix in desertis:エロゲ版「屈辱」は可能か,及び無差別級お試し版

                                            元ネタはこちら(正確に言えばこちらも元ネタの引用だが)。で,この記事を書いたMukkeさんが「エロゲクラスタやミステリクラスタでやってくれてもええんやで?」と書いていたので少し構想してみたが,「エロゲ」でやるのは非常に難しいのではないか,というのが残念ながら結論になる。ルールに一部手を加えればいけるかもしれない。そう考えた理由を以下に列挙しておく。 1.「エロゲ」という括りがとんでもなく広いため 実は何よりこれじゃないかと。SFやラノベの方が作品数が膨大だって? おそらくそれは間違いない。しかし,エロゲというのはその裾野の広さに特徴があるもので,エロゲで括るというのは実際のところ「小説」で括るのと近いものがあると思う。そりゃまあSFもあればミステリーもあるしファンタジーもあるし普通の恋愛劇もあるしクトゥルーもあるしロボット物もあるしサイバーパンクもあるしマカロニウェスタンだってある。困った

                                            • nix in desertis:2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大の途中まで)

                                              今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。まあ,事情が複雑すぎて解説を書くのが追いつかなかったものが今回は2問ほどあるのだが…… ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。本記事で言及する「受験世界史

                                              • Nix & NixOS | Declarative builds and deployments

                                                Declarative builds and deployments. Nix is a tool that takes a unique approach to package management and system configuration. Learn how to make reproducible, declarative and reliable systems.

                                                • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2015 その1(上智大・慶應大の途中まで)

                                                  ・序 昨年には本シリーズが出版されるという驚きの展開を迎えた。改めて読者の皆様にはお礼申し上げたい。今年の分も書き上がったので,お届けする。可能な範囲で今後も継続していく予定であるので,春の風物詩として,興味の続く限りお読みいただけると幸いである。 ・収録の基準と分類 基準は昨年と全く同じであるので,リンクを張っておく。 総評 数こそ12番までいったが,例年と比較すると,今年の上智大はおとなしかったと言える。海岸線のない地図だとか,キリスト教系の知識ミスだとかいった上智特有の悪問は姿を消し,日本語が下手くそ系の悪問も少なかった。また,あの出題ミスをかたくなに認めてこなかった上智大が,今年は日本史で出題ミスを認める発表を行った(pdfファイルにつき注意)。驚くべき変革である。拙著の効果であるとはほとんど考えられないものの,上智大の内部で何かが起きているような気はしている。では改善されたかとい

                                                  • nix in desertis:世界史用語集から消滅した用語ver.2019

                                                    山川出版社の『世界史用語集』はほぼ毎年出版されているが,大規模な改編があった場合は改版,ミクロな改編しかなかった場合は増刷という使い分けをしている。ただし,正確に言えば改版は刷数をリセットして第1版に戻すということをやっているので,改版ではなく再出版になるのだが,まあそこは置いといて。改版になるのは学習指導要領が変わったタイミングになることが多いが,そうでなくともたまに改版している。ちなみに,第1刷のみタイトルが『世界史用語集』で,第2刷以降は『世界史用語集 改訂版』という書名になるという小ネタがある。書店では最新版以外が売っていることはまずないが,Amazon等で注文する際はタイトルと発行年をちゃんと見ないと無駄に古いものを買うことになるので注意が必要だ。たとえば現行の『世界史用語集』は2014年に刊行,『世界史用語集 改訂版』は2018年12月刊行である。 さて,その2018年12月に

                                                    • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大・早稲田大)

                                                      今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用語集』に頻度①でもいいからとりあえず記載があるもの」とした。

                                                      • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

                                                        今年も書き上げることができたので公開する。いきなり告知から入るが,もうすぐ4巻が発売する予定なので,お買い求めいただけると幸いです。4巻の校正作業はほぼ終わっているが,この2024年の記事と作業時期が重なったので,今年は少し大変だった。 【速報】突然ですが『絶対に解けない受験世界史4』を出版します! 著者は稲田義智さん@nix_in_desertis です! https://t.co/orMarDPCeo pic.twitter.com/bMYXPPMiss — パブリブ (@publibjp) March 15, 2024 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せ

                                                        • nix in desertis:2015冬アニメ感想(主に艦これとモバマスとSHIROBAKO)

                                                          ・艦これ。最終話見た直後に別個に一記事立てて書こうと思ってたが,冷静になろうと思って一週間ほっといた結果,そのまま一ヶ月経ってしまった。しかし,良いこともあった。冷静になって一ヶ月ほど寝かせてから再度考えてみた結果,冷静になって考えてもやっぱり駄作だったという結論しか出せないことがわかった。それはそれとして,後出しで感想を書くと先人の知恵が活かせるという利点がある。 おそらく,本当にこうだったのではないかと。自分もドーリットル空襲があったあたりから,似たようなことは考えていた。 → ついでに言えば,割りとガチで『マブラヴオルタネイティヴ』(因果律量子論)をやろうとしてたのではないかと考えている。少なくとも,「アニメ艦これ世界には史実に向かわせる強制力が働いている」という設定があったのは確実で,その上で「提督と何人かの艦娘は,(因果律の中心たる吹雪に近いため)史実の結果を予知できていたか,何

                                                          • nix in desertis:2018受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

                                                            早稲田大の文化構想学部は収録なし。全体として平易な問題。 8.早稲田大 国際教養学部 <種別>出題ミス(複数正解) <問題>4 問4 冷戦末期から冷戦終焉後の世界の民主化の動きに関する以下の記述のうち,誤りを含むものを一つ選びなさい。 ア ピノチェトを中心とする軍部のクーデタ以降,軍部独裁政権が続いていたチリでは,1988年の国民投票で民政移行が決定した。 イ アパルトヘイト諸法が1991年に廃止された南アフリカでは,1994年の選挙でアフリカ民族会議が勝利し,マンデラが大統領に選出された。 ウ 軍部政権が続いていた韓国では,1992年の大統領選挙で金大中が勝利し,文民政権が復活した。 エ 戒厳令が1987年に解除された台湾では,翌年に李登輝が国民党総統に就任し,民主化を促進した。 <解答解説> ウは1992年に大統領選挙で勝利したのは金泳三であるので,明白な誤り=正解である。一方で,「国

                                                            • nix in desertis:センター試験「ムーミン事件」雑感

                                                              大学入試センターが平均点などの最終結果を発表した。つまり,出題ミスは一切認めない方向で意志を固めたようだ。状況を上手いことまとめてくれた人がいたことだし,私も雑感を項目別にまとめておく。 ・結局のところ,良問なのか,悪問なのか? 問題を成立していると見なし,かつバイキングを範囲内と見なせば良問と言えなくもないが,出題ミスと見なすなら質以前の問題。“問題の質”と“成立要件”は重なりつつも別の概念ということを示す,良い事例と言えるのかもしれない。なお,「思考力を問う問題としては,あまりにも単純では?」という向きについては,思考力というものを余りにも高く捉えすぎているのではないか,と反論しておきたい。「センター試験を受験する平均的な高校生」に求めていい思考力とは,ムーミンの舞台が問われていても動揺せずにすぐに消去法に切り替えてノルウェー側から素材を探す力と,見知らぬ単語を見たら語族から解答を導く

                                                              • nix in desertis:高校地理・世界史教科書における語族(アルタイ諸語)について

                                                                ・高校地理における「(ウラル・)アルタイ語族」の取り扱いについてのメモ(思索の海) >どなたか教科書も調べてくれると嬉しいです。 ということなので,便乗して。まず,高校の地歴公民というと山川出版社のイメージが強いが,実は山川は地理の教科書を発行していない。現在地理Bの教科書を作っているのは二宮書店・帝国書院・東京書籍の3つだけである。以前はもう少し多かったのだが,2014年の課程改定の際に撤退してしまった。シェアから言えば圧倒的に帝国書院で70%程度(参考データ)。 なお,教科書を作っていない科目があるのに山川が地歴公民の総合商社のようなイメージが強いのは,用語集を全科目作っている唯一の会社だからである。しかし,教科書を作っていないこともあって,地理の用語集は世界史・日本史に比べると信頼性が低い。また,そういう事情もあって世界史・日本史の学習が教科書・用語集中心でサブに資料集が来る三点セッ

                                                                • Nix as OS X Package Manager

                                                                  Nix as OS X Package Manager May 25, 2016 3 min read #nix #os x #technology #tip Power users on OS X are familiar with Homebrew or MacPorts for installing and managing software packages conveniently. Yet, those two well-known tools are not the exclusive players. There is a growing interest in Nix, particularly for its use on OS X. Package management using Nix is quite simple and intuitive. It does

                                                                    Nix as OS X Package Manager
                                                                  • HERP における Nix 活用

                                                                    HERP における開発では Nix が広く活用されている.Nix は非常に便利な代物なのだが,ドキュメントの貧弱さ,急峻な学習曲線,企業における採用事例の乏しさなどが相まって,広く普及しているとは言い難く,ましてや国内企業での採用事例を耳にする機会はほとんどない.しかし,Nix の利便性は,複数人での開発においてこそ,その本領が発揮されると考えている.この記事は,HERP における活用事例の紹介を通じて,Nix の利便性ならびに企業での活用可能性について紹介することを目的としている. Nix とは# Nix は "the purely functional package manager" と銘打たれたパケッジマネジャーである.GNU Linux および macOS 上で利用できる. ビルド# Nix は the purely functional "package manager" なの

                                                                      HERP における Nix 活用
                                                                    • nix in desertis:love is blind ―まどか☆マギカ劇場版[新編]感想・考察 ※ネタバレ

                                                                      ・最初に整理として。悪魔ほむらさんがやったことは,円環の理から女神まどかの一部(生前の記憶含)を切り離して奪い,現世に人間まどかとして再臨させたこと。だから円環の理自体は生きてて,魔女じゃなくて魔獣。ほむらも「魔獣がいなくなってから,世界を滅ぼすかどうか考える」と言っている。ただし,この人間まどかは完全に女神のほうと切れているわけではなくて,何かの拍子で女神だったことを思い出しそうな,不安定な状態。 → ほむらには,まどかを手に入れたいという個人的欲求に歯止めをかけていた,「それはまどかの思いに背く」という理由が,花畑での会話で粉砕されていた。これが決定的な理由なので,清く正しい闇堕ちと言ってよかろうかと。 ・でもこれ,不安定なのと,全容を知っている視聴者の後味悪さを除けば,そんなに悪い世界じゃない。というか,与えられたインパクトほど,ほむらは大改変をしたわけではない。QBがいつかはまどか

                                                                      • nix in desertis:2022カタール・ワールドカップのグループリーグに見る世界史

                                                                        本ブログの恒例企画なので。2018年の。 グループA(オランダ・エクアドル・セネガル・カタール) 関係が非常に薄そうな4ヶ国に見えるが,実はセネガルにある負の世界遺産ゴレ島をオランダが使っていた時期がある,つまり奴隷貿易という意外な接点がある。ゴレ島は17世紀後半に英仏と三つ巴で取り合いとなり,最終的にフランスが対岸のセネガルとともに占領した。なお,黒人奴隷貿易の輸送数ではポルトガル・イギリスが圧倒的に多く,次いでフランス,4番目がオランダである。オランダに黒人奴隷貿易当事国のイメージがあまり無いかもしれないが,17世紀の時点ではポルトガルに次ぐ主要国であった。18世紀に入ってから英仏が急速に輸送量を増やし,オランダを抜き去っていく。ゴレ島がフランス領となったのはその端緒である。他はちょっと見当たらなかった。ロイヤル・ダッチ・シェルがカタールの油田開発にかかわってたりしないかなと思って調べ

                                                                        • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

                                                                          今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。本記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

                                                                          • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

                                                                            昨日の続き。本日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は14問であるが,そのうち3つの学部が10問を占めた。少し偏っている。 〔番外編〕早稲田大・文化構想学部 <問題>5 設問3 図Bは,フランスの画家ピュヴィ=ド=シャヴァンヌが1871年から1872年にかけて「希望」をテーマに制作した作品の1点である。ここでは,白いドレスを着た女性が平和を意味する小枝を持ち座っているが,その背景には荒涼とした風景が広がり,墓地や十字架が見え戦争の痕跡がうかがえる。この絵の構想の着想源となった,製作時期にもっとも近い年代に行われた戦争は何か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア ライプツィヒの戦い     イ アロー戦争 ウ プロイセン=フランス戦争  エ クリミア戦争 設問4 図Bについて適切に説明している文章を,次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙

                                                                            • nix in desertis:受験世界史悪問・難問・奇問集 ver.2014 その1(上智大・慶應大)

                                                                              書籍版ができました!この年度も収録しています。 ・序 昨年の記事も大変好評をいただき,すっかり人気シリーズになってきた。読者の皆様に感謝申し上げる。基本的な目的意識についてはこれまでのものとなんら変わりない。つまり,悪問や度を超えた奇問・難問に対する糾弾である。なぜならそれらの大半は偶発的な事故や意欲的な作問の結果などではなく,大学という教育研究機関にあるまじき知的怠惰の結果から生まれるものと推測され,それもほとんど釈明しないという傲慢な権威主義が見られるものだからだ。そうした難問や悪問を非難しつつ,笑い飛ばして供養しようと思う。 世界史未受験者やもう忘れてしまった人にも配慮して,基本的に太字だけ追っていけばどこがひどいのかわかるようにしたつもりである。世界史詳しい人にはやや太字がうざったいかもしれないが,ご了承いただきたい。 ・収録の基準と分類 基準は昨年と全く同じであるので再掲する。テ

                                                                              • nix in desertis:【2022年版】上智大神学部の〔学部独自試験〕入試問題を解いてみた

                                                                                昨年に問題が独特すぎて物議を醸した上智大・神学部の入試問題であるが,今年の問題も赤本に掲載されていたので早速解いてみた。結果から言えば,方向性は維持されていたが,随分と簡単になっていた。何よりも大きな違いは問題数である。2021年度には試験時間75分で,記号選択・語句記述問題が60問ほどに加えて,600字の論述問題が2問という分量であったが,2022年は試験時間75分は変わらず,記号選択が6問+語句記述が8問に,論述が40字が1問と200字が1問の計2問だけであった。記号選択・語句記述問題が約1/4に,論述問題が20%に減ったということになる。これだとかえって時間が余るのではないか。 それでも赤本は昨年同様に解答例を省略していた。通常の科目に当てはまらないものは解答を載せないという方針があるらしいことに加えて,解答者が確保できないために省略していると思われる。とはいえ赤本が載せていないとい

                                                                                • nix in desertis:『絶対に解けない受験世界史2(大学入試問題問題シリーズ2)』が出ます

                                                                                  以下は1巻同様に,本書の紹介をFAQ形式で。 よくわかる! 『絶対に解けない受験世界史2 ―悪問・難問・奇問・出題ミス集』FAQ Q.目的や内容は前巻と同じなの? A.全く同じです。大学入試における悪問や超難問,出題ミスを収録・解説した本です。本気で難しくて解けない問題から,日本語の崩壊した問題,単なる誤植,笑える問題,珍しい問題など,多岐にわたって収録しています。 1.入試問題作成の杜撰さを世の中に訴えること 2.出題ミスの事例を集めて,出題者へ提供すること 3.悪問を笑い飛ばして当時の受験生の無念を供養すること 4.世の中の世界史マニアに難問を提供すること を主な目的としています。以下,1巻と同じQ&Aは省略。 Q.収録範囲は? A.前著で2014年の早慶上智・国立大を扱いましたから,それ以外の2014年の私大入試。2015・2016年は全大学,2017年の早慶上智・国公立大までです。