フィンランドでは2014年に改定された国の学習指導要領に、ネット上のフェイクニュースなど偽情報への対策が盛り込まれた。ブルガリアに拠点を置く「オープンソサエティー・インスティテュート」が欧州35カ国を対象に行った調査で、偽情報の悪影響に対する抵抗力が最も強いとされるのがフィンランドだ。ネット空間を行き交う虚実混交の情報に世界中が翻弄(ほんろう)される時代に、子供たちに何を教えたらいいのだろう。フェイクニュースに立ち向かうフィンランドの教育現場を取材した。【ヘルシンキで岩佐淳士】 「星はどんな色をしていますか」 「赤、オレンジ、黄色、白、青などです」 「では星の温度は?」 「オレンジと赤色の星は高温で、青色の星は低温です」 2021年12月上旬、フィンランド・ヘルシンキ中心部にあるトーロ小学校。4年生の教室で、児童らが2人1組となり、クラスメートの前でこんなやり取りを披露していた。 一人が「