元々は車椅子が3台入れたというエレベーターだが、最初の更新工事後は2台目も入れなかった=神戸市中央区で2021年4月12日(自立生活センター リングリング提供) 神戸市営地下鉄西神(せいしん)・山手線の1日平均8万5000人(2021年度)が利用するターミナル・三宮駅(同市中央区)で9月1日、1基のエレベーターが更新工事を終え、運転を始めた。だが、更新自体は21年3月に4114万円をかけて済ませたばかり。再工事しなければならなくなった原因は、市交通局がバリアフリー整備の基本を飛ばしたことにある。いったい何があったのか。 「狭い」。エレベーターのドアが開いた瞬間、石地かおるさん(54)=同市兵庫区=は、思わず声を上げた。病院で診察を受けるため、地下鉄を利用した21年3月26日。三宮駅の地下1階の東改札と地下2、3階のホームを結ぶエレベーターが老朽化に伴って新しくなり、この日から利用できると聞