2022年8月30日にAMDがYouTube上で次世代Ryzenである「Ryzen 7000シリーズ」について具体的な発売時期や価格を発表したというのは既報の通り。新型コロナウイルスがこの世に猛威を奮い始めてから、どのメーカーもオンライン発表に切り替えてきたが、今回久しぶりの“リアルイベント”となった。 本稿では前回の速報ではカバーできなかった部分について、筆者がこれはと感じた箇所について解説を試みる。シリコンがどうこうとかアーキテクチャーの深い部分に関しては大原氏の連載でそのうちカバーされるので、そちらをお待ち頂きたい。 CPU形状とパッケージ まずRyzen 7000シリーズの物理的特徴から補足していこう。Ryzen 7000シリーズではパッケージが一新され、これまでのµPGA(Pin Grid Array)からLGA(Land Grid Array)へ変更となり、ヒートスプレッダーも
2023年8月24日、Qualcommがゲーム端末向けに設計されたチップセット「Snapdragon G1 Gen 1」「Snapdragon G2 Gen 1」「Snapdragon G3x Gen2」を発表しました。それぞれ「低遅延&バッテリー重視」「クラウドゲーム特化」「高パフォーマンス」など複数の特徴を備えています。 Qualcomm Unveils Snapdragon G Series - The Powerhouse Portfolio Designed for Next-Gen Handheld Gaming Devices | Qualcomm https://www.qualcomm.com/news/releases/2023/08/qualcomm-unveils-snapdragon-g-series---the-powerhouse-portfolio- Qua
今回取り上げるEnCharge AIは、創業したのが昨年2月なので、やっと1年経ったばかりというできたてホヤホヤなスタートアップ企業である。一応プロトタイプのシリコンは存在するようだが、外部に評価用チップを出荷できるような状況ではない。 さらに言えば同社がステルスモードを抜けたのは今年1月のこと。今年1月に同社は総額2170万ドルの投資を複数のベンチャーキャピタルやファンドから受けており、これに合わせてステルスモードから抜けた格好だ。なのだが、実は同社の技術は過去6年に渡って蓄積されてきたものである。 創業者はNaveen Verma教授(CEO)とKailash Gopalakrishnan博士(Chief Product Officer)、Echere Iroaga博士(COO)の3人である。Verma教授はプリンストン大のECE(Electrical and Computer Eng
アーム 代表取締役社長の横山崇幸氏は「日々のデジタル体験の中核となるスマートフォンへのコンピューティング性能の要求がさらに高まっている。今後は、フレキシブルディスプレイやAR(拡張現実)ウェアラブルなどの新たなフォームファクターが市場に浸透し、生成AIや大規模言語モデルの登場により新たな機能が生まれていくと予想しており、モバイルデバイスへの関心とイノベーションは今後も加速していくだろう。かつてない最高のプレミアムスマートフォンを実現できるTCS23に期待してほしい」と語る。 TCS23における最大の進化ポイントになるのは新たなGPUである「Immortalis-G720」である。TCS22で発表した「Immortalis-G715」で第4世代となったGPUアーキテクチャを第5世代に刷新しており「Arm史上最も消費電力効率が高い」(アーム 応用技術部 ディレクターの中島理志氏)という。GPU
1ヵ月ぶりのAIプロセッサー連載、今回はSynopsysのARC NPUを取り上げたい。SynosysというのはCadenceと並ぶ2大EDAベンダー(*1)の片割れである。 EDA(Electronic Design Automation)とは要するにLSIの設計支援ツールであるが、昔はそれこそ配線CADを提供するだけのベンダーだったのが、プロセス微細化による大規模化にともない、単に配線CADだけでは足りなくなっており、最適な配置配線の計算やシミュレーション、物理的な信号シミュレーション、タイミングシミュレーションなど、さまざまな機能を提供している。 EDAツールだけでなくIPも提供しており、LSIの企画から製造の手前(つまりテープアウトした設計を工場に納入する直前)までの範囲のソリューションを提供している。これはCadenceも同じことで、いわば設計に関するワンストップサービスを両社と
モバイル向け「Ryzen PRO 6000」はどのくらい“高速”なのか? AMDが解説:Microsoft Pluton対応 AMDの新型モバイルPC向けAPU「Ryzen PRO 6000シリーズ」を搭載するノートPCが、2022年第2四半期(4~6月)に登場する。このAPUは「Ryzen 6000シリーズ」をベースとして企業向けの管理/セキュリティ機能「AMD PRO」と、Microsoftが提唱する新しいセキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」に対応したものだ。 →AMDがモバイル向け「Ryzen 6000シリーズ」APUを発表 外部GPUなしでRTを実現 →“6nmプロセス化”だけではない! AMDがモバイル向け「Ryzen 6000シリーズ」の進化を力説 Ryzen PRO 6000シリーズを搭載するノートPCの発売を前に、AMDは報道関係者を対象に同APUを改
AMDは2019年11月25日にSocket AM4対応のメインストリーム向けCPUの最上位モデル「Ryzen 9 3950X」を749ドルで発売すると予告した。そして本日11月14日23時をもって、Ryzen 9 3950Xのベンチマークのレビューが解禁となった。 第3世代Ryzenは7nmプロセスのZen2アーキテクチャーとチップレットデザインを採用したことで、従来よりもよりコア数が多く、さらに性能面でのボトルネックを解消した。 これまで登場した12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xよりもさらにコア数の多い、16コア32スレッドモデルがRyzen 9 3950Xというわけだ。 物理16コアのCPUはこれまでの常識では、もうHEDT向けCPUの領域だが、AMDは物理16コアまでをメインストリーム向けプラットフォームでカバーすることになる。 同じSocket AM4で2コア4スレ
VIA C3を開発したCentaurをインテルが買収、もとはMIPSだったArchiTekのRISC-Vコア 今週は中休みとして、過去の記事のアップデートを2つお届けしたい。 ついにCentaurが消える 連載560回で説明したCentaur。もともとはGlenn Henry氏が1995年に立ち上げたファブレスのx86互換プロセッサー開発企業である。 Glenn Henry氏、もともとはヘリコプターパイロット(1962~1963年)だったが、視力の問題で引退を余儀なくされ、その後何社かを経由してなぜかIBMのフェローになっているという、これはこれで不思議な経歴を持つ方である。IBM時代は、System/32やSystem/38、IBM PC RTなどに関わったという話は連載493回で触れた。 その後IBMを退職し、DellでSVP兼CTO(Dellとしては初めてのR&D部門のVPとして迎え
IntelとAMDのx86アーキテクチャベースのチップに新たなバグが発見されたと伝えられています。Intelのバグは「Downfall(ダウンフォール)」、AMDのバグは「Inception(インセプション)」とそれぞれ名付けられています。 ■3行で分かる、この記事のポイント 1. IntelとAMDのX86アーキテクチャベースのチップに新たなバグが発見された。 2. Intelのバグは「ダウンフォール」、AMDのバグは「インセプション」。 3. Apple製チップに報告されたようなバグは発見されていない。 ダウンフォールとは? Intelチップに見つかった脆弱性は、複数世代のIntel製プロセッサに影響するもので、CPUに「意図せずに内部のハードウェア・レジスタをソフトウェアに公開」させ、「信頼できないソフトウェアが他のプログラムによって保存されたデータにアクセスすることを可能にする」と
WWDC23で、2022年6月に発表されたM2シリーズ史上最強スペックとなる最新チップの「M2 Ultra」が発表されました。また、M2 Ultraを搭載したMac StudioとMac Proも登場します。 Mac Pro - Apple(日本) https://www.apple.com/jp/mac-pro/ Mac Studio - Apple(日本) https://www.apple.com/jp/mac-studio/ WWDC23 - Apple Developer https://developer.apple.com/jp/wwdc23/ WWDC 2023 — June 5 | Apple - YouTube Appleシリコンの最新モデルとなる「M2 Ultra」が登場。 AppleのUltraFusionアーキテクチャで「M2 Max」のダイを2個接続し、M2 M
AMDは6月12日(米国太平洋夏時間)、企業向けの管理/セキュリティ機能を強化したモバイル向けAPU「Ryzen PRO 7040シリーズ」と、デスクトップ向けCPU「Ryzen PRO 7000シリーズ」を発表した。搭載するPCは、主要なPCメーカーから順次リリースされる予定だ。 モバイル向け/デスクトップ向けに共通の特徴 Ryzen PRO 7040シリーズとRyzen PRO 7000シリーズは、既に発表済みの「Ryzen 7040シリーズ」や「Ryzen 7000シリーズ(通常版)」に企業向けの管理/セキュリティ機能「AMD PRO」を追加したものとなる。AMD PROの搭載以外は、基本的な仕様は先行するモデルと同様だ。 →AI処理パフォーマンスを大きく改善 4nmプロセスのモバイルAPU「Ryzen 7040シリーズ」登場 搭載製品は3月以降に登場 →薄型モバイル向け「Ryzen
9月30日より、Ryzen 7000シリーズの店頭発売が開始された。いきなりAMDマニアの林先生がTSUKUMOeX.の店頭に並んでいてさすがと思った、という話は置いておいて……。 すでにKTU氏による性能ベンチマークが公開されているので、その性能と消費電力の評価結果は記事をお読みいただければと思う。大雑把にまとめると、「性能も上がったが消費電力も上がった」というあたりである。 消費電力の方は、1つにはチップセット(X670Eの場合、2チップ構成になっている)が理由でもあるが、基本的には5nmプロセスを省電力化に振るのではなく、動作周波数向上の方に振ったのが最大の要因であろう。 一方の性能の方だが、これが以前説明したよりも、もう少し踏み込んだ情報が説明されたので、このあたりを今回説明しよう。まずZen~Zen 4の変遷をまとめたのが下の画像だ。 Zen世代のIPC向上率はExcavator
「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」登場 “世界最速”のアンロック対応デスクトップ向けから:米国では10月20日発売 Intelは9月27日(米国太平洋夏時間)、自社イベント「Intel Innovation 2022」において、「第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)」のハイエンドデスクトップ向け製品を発表した。米国では10月20日の発売を予定しており、想定販売価格は294ドル(約4万2500円)~589ドル(約8万5000円)となる。 なお、一般のデスクトップ向け製品やモバイル(ノートPC)向け製品に関する情報は、後日改めて発表される。 【追記:2時】今後登場予定の製品について追記しました。画像も追加しています。
2022年の幕開けに、パーソナルコンピュータのハードウェア技術の動向を占う「PCテクノロジートレンド」をお届けする。プロセス編、CPU編に続いて、ここではGPU編を紹介しよう。昨年までのGPU業界は暗号通貨がらみの特需に振り回され、新製品のリリースも滞った感があるが、今年はどうなるだろうか。NVIDIAとAMDにはGPUの世代交代の計画があり、ついにDiscrete GPUに参入するIntelの動きは活発だ。 ◆関連記事リンク (2022年1月1日掲載) PCテクノロジートレンド 2022 - プロセス編 (2022年1月2日掲載) PCテクノロジートレンド 2022 - CPU編 (本稿) PCテクノロジートレンド 2022 - GPU編 (2022年1月4日掲載) PCテクノロジートレンド 2022 - メモリ・DRAM編 (2022年1月5日掲載) PCテクノロジートレンド 2022
Snapdragon 8 Gen 2は世界初の「iSIM」商用版搭載に eSIMを発展させた技術規格:MWC Barcelona 2023 スペイン・バルセロナで開催中のMWC Barcelona 2023にて、QualcommとThales(タレス)は、プロセッサ統合型のSIM「iSIM」がGSMAのセキュリティ認定で承認されたと発表した。 iSIM(Integrated SIM)は、eSIMを発展させた技術規格。eSIMが単体の専用チップを必要とするのに対して、iSIMはメインプロセッサの機能の一部として認証機能を提供する。iSIMの導入により、基板の小型化や、消費電力の大幅な削減が見込めるため、小型スマートフォンやIoTデバイスなどにモバイル通信機能を搭載しやすくなる。 両社は今回、スマートフォン向けのSoC「Snapdragon 8 Gen 2」にiSIM機能を搭載した。標準化団体
「Snapdragon 888」でユーザーはどんな恩恵を受けるのか? 進化の中身を徹底解説する:Qualcomm Snapdragon Tech Summit Digital 2020(1/3 ページ) 米Qualcommは12月2日(米国時間)、前日に発表されたフラグシップ製品向け最新プロセッサ「Snapdragon 888」の詳細を公開した。前モデル「Snapdragon 865」と比較して25~35%程度の性能向上が図られている他、それまでモデム機能が外部搭載であったフラグシップ向けモデルでは初のプロセッサ統合を実現し、従来の2チップソリューションから1チップソリューションへと変更されたことで、デバイス省電力や設計面で優位になった。 本稿では、具体的に何が変化し、ユーザーがどのようなメリットを享受できるのか見ていきたい。 CPUコアとGPUコアの進化点 従来のプロセッサコア中心だった
日本との協業を加速するTenstorrent LSTCにチップレットIPをライセンス供与:Rapidusとも提携を発表(1/2 ページ) Tenstorrentが、AI(人工知能)アクセラレーターの開発において日本との協業を加速している。2024年2月には、同社のRISC-V CPU「Ascalon」のカスタムバージョンを含む3つのチップレット設計を、日本の技術研究組合 最先端半導体技術センター(LSTC)にライセンス供与すると発表した。 Tenstorrentは2024年2月27日(米国時間)、同社のRISC-V CPU「Ascalon」のカスタムバージョンを含む3つのチップレット設計を、日本の技術研究組合 最先端半導体技術センター(LSTC)にライセンス供与すると発表した。TenstorrentのチーフアーキテクトであるWei-Han Lien氏が米EE Timesに語ったところによる
第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)はなぜ速い? コア数とキャッシュ容量増加が意味すること(1/3 ページ) 既報の通り、Intelは9月27日(米国太平洋夏時間)、第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)を正式に発表した。その先陣を切るハイエンドデスクトップPC向けの製品は、米国において10月20日に発売される予定となっている。 「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」登場 “世界最速”のアンロック対応デスクトップ向けから 先日、同社はイスラエルにおける事業を説明する「Intel Technology Tour 2022」を開催したが、実は旅程には第13世代Coreプロセッサの“秘密”に迫る説明会が組み込まれていた。説明会には同社の担当者が登壇し、報道関係者に同プロセッサの特徴を詳しく説明した。 第13世代Coreプロセッサ
中国が高性能チップをAI搭載兵器やサイバー攻撃ツールなどに軍事転用することへの懸念から、アメリカ政府はNVIDIAやAMD、Intelなどの半導体メーカーによる中国への高性能チップ輸出を規制しています。一方で2023年7月11日にIntelが中国国内でデータセンター向けAIプロセッサの「Habana Gaudi2」を展開することを発表しました。 Intel woos China with nerfed Habana Gaudi 2 AI chips • The Register https://www.theregister.com/2023/07/13/intel_guadi_china/ Intel Brings Gaudi2 AI Accelerators To China As An Alternative To NVIDIA A800 Chips https://wccftech
レポート Intel Alder Lake-P/Uシリーズの詳細を発表 - TDP 9W/15W/25W版のモバイルAlder Lake Intelは先にAlder Lakeベースの第12世代Core Mobileプロセッサの詳細を発表しており、まずはTDP 45WのHシリーズが出荷され、2月中には搭載製品が市場に投入される予定としていた。これに続き、今回TDP 28WのPシリーズと、TDP 9/15WのUシリーズについても詳細が公開されたので、その内容をご紹介したい。 ラインナップそのものは既に公表済みであり、PシリーズがCore i3/5/7で合計6製品、Uシリーズが同じくCore i3/5/7で合計5製品となっている(ちなみに公表されているにも関わらず、未だにark.intel.comでは出てこないのが不思議である)。 そのPシリーズであるが、基本的な構成は既に公表されているHシリー
人工知能のアルゴリズムは近年急速な発達を遂げていますが、技術的な問題や環境への懸念もあり、現在のペースで成長し続けることは困難とされています。そこで、元スタンフォード大学所属で現在はAIスタートアップ企業ウェイアー・ワン氏らが2022年8月に「NeuRRAM」とよばれる新たなチップを発表しました。この小さなチップでより複雑なアルゴリズムが実行できるようになる可能性があるとされています。 A compute-in-memory chip based on resistive random-access memory | Nature https://doi.org/10.1038/s41586-022-04992-8 A Brain-Inspired Chip Can Run AI With Far Less Energy | Quanta Magazine https://www.quan
と、Ryzen 7030シリーズと同一構成で、単にAMD Proの機能が有効化された形だ。 Photo27: Pro Seriesの機能そのものは当然Barceloと変わらず、動作周波数が若干変わった程度の違いでしかない。 なおMendocinoことRyzen 7020に関してはこちらの記事でその概要を説明した通りである。出荷は2022年第4四半期ということで、既にRyzen 5 7520U及びRyzen 3 7320Uが出荷されており、これを搭載したノートPC(例えばLenovo IdeaPad Slim 170)も市場に投入されている。特に今回SKUを追加するといった話は無いので、この2製品が引き続き提供される格好だ。 XDNA - Versal AI Edgeを搭載したPCIeカードを提供へ XDNAは昨年6月のFinancial Analyst Day 2022で初めて公開された。
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