車載電池の世界最大手である中国・寧徳時代新能源科技(CATL)会長の曽毓群(ロビン・ゼン)氏は、「安全性の問題が解決されなければ、壊滅的な結果になる」と危機感を訴える。幸か不幸か、EV市場は成長の踊り場を迎えている。「少し時間の猶予ができた」(ある日系自動車メーカーの幹部)今こそ、電池の安全性と向き合うべきだ。安全性を確保した電池は再利用の場面でも価値が高く、資源循環や経済安全保障の文脈でも重要な役割を担う。 Q1:最近起こったEV発火事故は? 韓国で事故が相次いだ。2024年8月1日、韓国・仁川のマンションでドイツMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)のEV「EQE」が燃えた。23人が病院に搬送され約1580世帯が断水、470世帯が停電、駐車場にあった車72台が全焼、70台が煙による損傷を受けるなどの多大な被害が発生したという。その数日後には、韓国Kia(起亜)の「EV6」が発