日本電産 永守帝国の自壊 LEVEL2 7月に創業50周年を迎える日本電産に、最大の経営危機が訪れている。2023年3月期通期の最終利益の見通しを1050億円下方修正し、同第4四半期(1~3月期)は最終赤字に転落するのだ。業績悪化など経営混乱の理由について、同社の永守重信会長は「外部から見えた方々(前経営陣)が非常に好き放題の経営をやられて大きな負の遺産をつくった」と言い切っている。しかし、果たして元凶は前経営陣にあったのか。本連載では、最新決算の詳細な分析と緻密な取材により、大幅減益の理由を解き明かす。 バックナンバー一覧 日本電産の危機は不透明な構造改革費用だけではなく、主力の車載事業にも及んでいる。実際に、電気自動車(EV)向け駆動モーター「イーアクスル」の2023年3月期の販売台数の計画値を下方修正。強気の拡大路線から一転、収益重視で台数を減らす方針にかじを切った。だが実は、この経