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内田樹の検索結果321 - 360 件 / 1534件

  • 教育の奇跡 - 内田樹の研究室

    『みんなのねがい』(全障研出版部)という媒体に教育について寄稿した。 「いつもの話」ではあるが、教育についてビジネスマンのような言葉づかいがあまりにメディアに瀰漫してるので、「教育はビジネスの言葉づかいでは語れない」という原理的なことを確認するために書いた。 「教える」という営みの本質についてもっとも洞察に富んだ言葉を残したのは、フランスの精神分析家ジャック・ラカンである。ラカンは(やがてフランス中の知識人がエコール・ノルマルの講堂を埋め尽くすことになる)その伝説的なセミナールの最初の時間にこう述べた。 「教えるというのは非常に問題の多いことで、私は今教卓のこちら側に立っていますが、この場所に連れてこられると、すくなくとも見掛け上は、誰でも一応それなりの役割は果たせます。(・・・) 無知ゆえに不適格である教授はいたためしがありません。人は知っている者の立場に立たされている間はつねに十分に知

    • 日本のメディアの病について - 内田樹の研究室

      フランスの雑誌 Zoom Japon から「日本のメディアについて」寄稿を求められた。 フランス人に日本のメディアの劣化の病態とその由来について説明する仕事である。 どんなふうに語ったらよいのか考えた。 とりあえず人間の成熟とメディアの成熟は相同的であるということで説明を試みた。 こんなふうな言葉づかいで日本のメディアについて語る人はあまりいないが、それは「外国人に説明する」という要請を私たちがものを書くときにほとんど配慮することがないからである。 いつもそうである必要はないが、ほんとうに死活的に重要な論件については、自分の書いたことが外国語に訳されて、異国の人々に読まれたときにもリーダブルであるかどうかを自己点検することが必要だと私は思う。 ではどぞ。 2011年3月11日の東日本大震災と、それに続いた東電の福島第一原発事故は私たちの国の中枢的な社会システムが想像以上に劣化していることを

      • 内田樹の研究室 学習障害性ナショナリスト

        2024 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 2023 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2022 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2021 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5

        • 学院標語と結婚の条件 - 内田樹の研究室

          新学期が始まる。 6日に入学式。 飯新学長の「ことば」を聞く。 学長就任の挨拶でもそうだったけれど、本学が「キリスト教のミッションを実現するために建学された」という基本理念をつよく訴える内容であった。 この時代に大学新入生に向かって「自己利益をどうやって増大させるか」については一言も触れず、「神と隣人を愛し、敬し、仕える」ことを、ほとんどそれだけを説いたスピーチを行うということは、「反時代的」だととる人もいるかもしれない。 でも、私はそう思わない。 これはすぐれて「今日的な」メッセージだと思う。 私たちの社会がこの 20 年で失ったのは「隣人と共生する能力」と「私の理解も共感も絶した超越的境位についての畏敬と想像力」である。 「愛神愛隣」というのは、そのことだと私は理解している。 学長は「学風」「校風」ということにスピーチの中で何度か言及した。 それは具体的な教育プログラムのことではないし

          • 「ミソジニー」といかに付き合うか - ohnosakiko’s blog

            「非モテ」と言うより「ミソジニー」の問題のような - NC-15 お前ら今日からミソジニーって言葉使うの禁止な - AnonymousDiary 「ミソジニー」は女性嫌悪、女性蔑視の意。男性→女性だけでなく、女性→女性もある。男性嫌悪は「ミサンドリー」(Wikipediaの解説)。 検索していたら、約一年前のこんな記事を見つけた。 マスメディアでの男性批判が、男性を女性嫌悪に走らせる - ARTIFACT@ハテナ系 ミソジニーで思い出したのが、内田樹の『エイリアン3』の分析だ。 エイリアン3 [DVD] シガニー・ウィーバーAmazonエイリアンシリーズの中で興行的に失敗だったとされる3は、ヒロインのリプリーが「常習的・遺伝的な性犯罪者」のみが収監されている囚人星に漂着し(2で助けた子供と仲間は死亡)、そこで囚人達の強烈な反発、憎悪、セクハラに晒され、最終的には彼らと共にエイリアンと闘うと

              「ミソジニー」といかに付き合うか - ohnosakiko’s blog
            • 武道の必修化は必要なのか? - 内田樹の研究室

              学習指導要領の改定作業を進めている中央教育審議会の体育・保健部会は4日、中学校の体育で選択制の武道を必修化する方針を決めた。 礼儀や公正な態度など、日本の伝統文化に触れる機会を広げるのが狙い。 2011年度から実施予定。男子の武道は92年度まで必修だった。女子について必修化するのは戦後初めて。 伝統文化の尊重は、昨年12月に改正された教育基本法にも盛り込まれていた。 同部会主査の浅見俊雄東大名誉教授は「必修化で一層、日本の伝統に親しんでもらいたい」と話している。 武道とともにダンスも必修化される。 というニュースを見る。 不思議なことを考える人たちである。 武道とダンスを必修化・・・って、それって神戸女学院大学の「武術と舞踊で切り開く新しい教育の可能性」と「同じ流れ」なんですか?と訊かれそうであるが、私は(ぜんぜん)違うと思う。 どこが違うのか、その理路を述べたい。 日本の武道は近代におい

              • 教育基本法と真の国益について (内田樹の研究室)

                教育基本法が委員会を通過した。 これまで何度も申し上げたとおり、教育については国は口を出さない方がいいと私は思っている。 それは「国が教育に口を出さない方が私にとってよい」ということではなく、「国が教育に口を出さない方が国にとってよい」と思っているからである。 忘れてもらっては困るが、私は熱烈な愛国者であり、日本が住みよい国になって、日本国民がにこにこ幸福に暮らすことを切望する点において、私の愛国心を超える人間としては急に訊かれると村上龍くらいしか思いつかないくらいくらいのパトリオットなのである。 加えて、ガバナンスのコストをできるだけ削減したいと望んでいる点においては、おそらく日本国官僚のうちで私以上に計算高い人間を探すことはまずもって至難の技であろう。 その私が言うのだから、信じて欲しい。 教育のことはそれぞれの教育現場で各自好きにやってもらうのがもっともコストパフォーマンスがよい。

                • エネルギー政策について - 内田樹の研究室

                  文献ゼミでエネルギー問題について二人が発表する。 一人は石油枯渇、一人はハイブリッドカー。 環境問題は女子学生の好む主題であるが、私はあまり好まない。 理由の一つは「複雑な問題に対して単純なソリューションを対置する」態度が広く採用されているからであり、理由の第二はそう指摘するとすぐに怒り出す人が広く分布しているからである。 そういう種類の人間がダマになっている論件に近づいても、あまりいいことがないので、敬して近づかないのである。 しかし、今回の発題者たちは二十歳前のイノセントな女子学生たちである。 せめて彼女たちには「複雑な問題を複雑なままに扱うこと」のたいせつさを教えておきたいので、いくつかのトピックをランダムに提示する。 その一。 私たちの世代は子どものころに「日本のエネルギー源は水力発電で得られる」と社会科の教科書で習った。 日本は急峻な山地に覆われ、雨量も多い。水力発電として、これ

                  • 学校選択制 - 内田樹の研究室

                    公立中学の一部に「学校選択制」が導入されて4年半。前橋市が全国ではじめて制度を廃止する。特定の学校に生徒が集中し、生徒数の偏りが大きくなったこと、遠距離からの通学者が増えて、地域と学校の連携が希薄になったことが理由に挙げられている。 生徒数が激減した学校ではクラブ活動が維持できない、教員数が減って、専門ではない教科を教えなければならない、生徒数の減少が無根拠な風評によるケースがある、などなど。 私はこの決断はごく「常識的」なものであろうと思う。 むしろ遅きに失したというべきであろう。 学校選択制は規制緩和(ということは「市場原理主義」のことだが)の流れの中で97年に文部省によって導入された。全国約1割の自治体で施行されている。東京都では28市区が実施。学校間の人数の偏りにより、二極化が進行している。 足立区の中学では今春の新入生入学率の一番高い学校は190%、一番低い学校は8%。品川区の小

                    • bblog.jp

                      このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネット(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 ※1 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 ※1 レジストラ「GMO Internet, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 ※1 2020年8月時点の調査。

                      • 教育について思うこと - 内田樹の研究室

                        先週末に日教組の教育研究全国集会で基調講演をした。 何度か依頼されていたのだが、在職中は入試のハイシーズンで都合がつかず、今回はじめて登壇することになった。 日教組は現在組合員27万人、組織率30%を切るまで力を失ったが、依然として国内最大の教職員組合である(ほかに共産党系の全教、自民党系の全日教連がある。全教が組合員7万人、全日教連はさらに少ない)。 私が子どもの頃、日教組の組織率は90%近かったから、高校生の私でも宮之原貞光の名は知っていた。 加藤良輔委員長に槇枝元文以降の委員長名を訊いてみたが、私は誰の名も知らなかった。 槇枝が委員長を辞めたのが83年。バブルの始まる頃である。おそらく、その頃から日教組の社会的影響力は急激に低下することになったのだろう。 私自身は1982年から90年まで日教組大学部の組合員だった。 都立大学の組合は代々木系の人たちが仕切っていたので、私は同期の助手た

                        • ポスト・グローバリズムの世界、あるいは「縮みゆく共同体」 - 内田樹の研究室

                          アメリカの最近の国勢調査で、白人の人口が2歳時以下の幼児の過半数を割った。 ヒスパニック系(16.3%)がアフリカ系(12/6%)を抜いて、マイノリティの最大集団になった。 ヒスパニックは出生率2.3で、白人を0・5ポイント上回っている。 アメリカにおいて白人が少数民族になる時代が近づいている。 ヒスパニックは英語を解さないスペイン語話者を多く含む。 都市の黒人たちはすでに「エボニクス」という、英語と文法も語彙も違う独特の言語を有している。 「社内公用語は英語とする」というような「守旧派的」な雇用条件を課す企業がアメリカ国内に出現してくるのも、こうなると時間の問題である。 これを文化の多様化と言って言祝ぐ人もいるかも知れない。だが、国民国家が共通言語を喪失するという事態は「多様化」というよりはむしろ「分裂」と呼ぶ方がふさわしいだろう。 アメリカは国家としての統合軸を失いつつある。 植民地時

                          • 妥協と共生 - 内田樹の研究室

                            Frauという雑誌の取材がある。 20-30代の働く独身女性が読者層のヴォリューム・ゾーンであるような雑誌で、今回のお題は「結婚したいけれど、できないのはどうして・・・」という切実なるものである。 どうしてと訊かれて即答できるなら、苦労はない。 というのはシロートで、私はどんなことを訊かれても即答することでお鳥目を頂いている身であるから、もちろん即答する。 それはみなさんがたが「他者との共生」を「他者への妥協」というふうに読み替えておられるからである。 「共生」と「妥協」は見た目は似ているかもしれないが、まるで別のことである。 これは武道をやっていると実感的によくわかる。 「妥協」というのは「まず、私がいる」というところから話が始まる。 そこに他者が干渉してきて、私の動線を塞ぎ、私の可動域を制約し、私の自己実現を妨害する。 私はやむなく、自由を断念し、狭いところで我慢し、やりたいことを諦め

                            • キャリアを考える - 内田樹の研究室

                              「キャリアを考える」というタイトルのリレー式の講義の順番がまわってきた。 一回 90 分。80 人ほどの学生さんたちを相手に「キャリア教育」のために一席弁じる。 「キャリア教育」というプログラムの問題点についてはこれまでに何度か書いてきた。 就活の学生たちがもっとも苦しんでいるのは「適性・適職」というイデオロギーである。 このイデオロギーはRクルートをはじめとする就職情報産業によって組織的に流布されている。 就職情報産業は営利事業であるから、そこが主力商品であるところの「就職情報」に対するニーズを大量に、かつ継続的に求める「クライアント」を確保することに腐心するのは当たり前のことである。 学生諸君はまさにその「クライアント」である。 就職情報産業にとって「理想的なクライアント」とは、きわめて早い時期から(できれば入学と同時に)就活マインドに火が点き、以後在学中眼を血走らせて就職情報を渉猟し

                              • 140字の修辞学 - 内田樹の研究室

                                Twitterに「愚痴」、ブログに「演説」というふうに任務分担して、書き分けることにしたら、ブログへの投稿が激減してしまった。 たしかにTwitterは身辺雑記(とくに身体的不調の泣訴や、パーソナルな伝言のやりとり)にはまことに便利なツールであるけれど、ある程度まとまりのある「オピニオン」を書くには字数が足りない。 わずかな字数でツイストの効いたコメントをするというのも、物書きに必要な技術のひとつではあろうが、「それだけ」が選択的に得手になるのは、あまりよいことではない。 というのは、「寸鉄人を刺す」という俚諺から知られるように、「寸鉄」的コメントは破壊においてその威力を発するからである(「寸鉄人をして手の舞い足の踏むところをしらざらしめる」というような言葉は存在しない)。 何より、一刀両断的コメントは、書いている人間を現物よりも150%ほど賢そうに見せる効能がある。 一刀両断的コメントの

                                • 内田樹「日本人がみんな知っていて、知らないふりをしていること」 | AERA dot. (アエラドット)

                                  思想家・武道家の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、哲学的視点からアプローチします。 続きを読む

                                    内田樹「日本人がみんな知っていて、知らないふりをしていること」 | AERA dot. (アエラドット)
                                  • 教化的ということについて - 内田樹の研究室

                                    母親の家は朝日新聞である。ふだんは毎日新聞なので、その違いに驚く。 朝日新聞には強い「指南志向」がある。 メディアが国民に進むべき道筋を提示するのはその本務であるから、異とするには当たらないが、三日ほど読んでいるうちに、だんだん腹が立って来た。 「無理でしょ、それは」というつぶやきがもれる。 今朝の新聞の一面は「できる子伸ばせ」という記事で、科学五輪のような「世界レベルへ選抜合宿」している「できる子」たちの様子が報告されていた。 いったいなぜこのような記事が一面トップに置かれるのか。 その理由については何も書かれていない。 国産のトップアスリートやトップアーティストやトップスカラーを大々的に顕彰することは国民全体の士気を鼓舞することになるという信憑がおそらく定着しているせいだろう。 けれども、ジャーナリスト諸君はその「チアーアップされる感じ」をご自身で実感されているのであろうか。 私はされ

                                    • 連載 町山智浩の深読みシネ・ガイド : 集英社

                                      2012年以来、みなさまにご愛読いただきました「町山智浩の深読みシネ・ガイド」ですが、このたび、同連載を収録した単行本が発行されるにあたり、掲載終了となりましたのでここに謹んでお知らせいたします。ご愛読に重ねて感謝申し上げます。 最も危険なアメリカ映画 ~『國民の創生』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで 町山智浩著 四六判ソフトカバー 本体 1,200円+税 発行:集英社インターナショナル(発売:集英社) ↑『最も危険なアメリカ映画』詳細ページはコチラ 暴走するアメリカ民主主義 ──その「原型」はハリウッド映画の中にあった! 「トランプ現象」は突然起きたものではない。 それは言うなればアメリカ建国のときからの「病巣」であり、 それを誰よりも鋭く見抜いていたのが映画人たちだったのだ! いま、映画を語らせれば右に出る者はいない町山智浩が その蘊奥を尽くして語る「映画から見たアメリカの病

                                      • 会議と書類の大学 - 内田樹の研究室

                                        ノーベル賞の物理と化学あわせて受賞者が4人出たことは慶賀すべきことであるが、いずれも20年30年前の業績についてのものであることの重大性を指摘する人が多い。 中村桂子さん(JT生命誌研究館館長)もその一人である。 今の日本の研究体制であれば、20年後30年後にノーベル賞を受賞するような研究は出てこないだろうと中村さんは言っている。 「現在、ちょっと変わった新しいことを考える雰囲気がない。大学が法人化され、競争的資金と言われ、すぐに成果の出ることばかりに追われ、自由度がなくなっている。会議と書類づくりの毎日はいつか軌道修正されると思っているが。」(毎日新聞10月26日) 役人が研究をコントロールしようとすれば、必ずそうなる。 役人が教育研究活動に容喙すれば、教育研究の質は不可避的に下がる。 私の大学では「シラバスに成績評価基準を明記していない教師がいる」という理由で先般助成金が削られた。 シ

                                        • 映画「ノルウェイの森」を見ました - 内田樹の研究室

                                          好きな小説が映画化されたとき、どこを見るか。これはなかなかむずかしいです。 基本的にはやりかたは三つあると思います。 (1)原作をどれくらい忠実に映画化したか、その忠実度を評価する。 (2)原作からどれくらい離れたか、何を削り、何を付け加えたか、フィルムメーカーの創意工夫を評価する。 (3)原作のことは忘れて、単独の映画作品として、「同じジャンルの他の映画」とのシナリオや映像や演技の質的な違いを評価する。 『ノルウェイの森』の場合、なにしろ累計発行部数が1000万部を超えた「超ベストセラー」です。 僕だって三回読んでしまったくらいですから、「原作を読んでないふりをして映画を見る」ということは不可能です。 となると、残る選択肢は「忠実度を見る」か「裏切り度を見る」かしかありません。 僕はあらゆる映画評において「できるだけいいところを探してほめる」ことを心がけているので、「忠実度においてすぐれ

                                          • 父親のかなしみ - 内田樹の研究室

                                            小学館の取材で「家族」についてお話しをする。 もう何度も書いていることだが、親族制度というのは言語や経済活動と同じだけ古く、それを営むことができるという事実が人間の人間性を基礎づけている。 と書くと「ああ、そうですか」と退屈そうなリアクションをする人がいそうだが、人間とサルを分岐するのがその点であるということは、見方を逆にすれば「およそ人間であれば、誰でもできる」ということを意味している。 そこのところを当今の家族論は見落としているのではないか。 家族について論じている言説に触れて、つねに感じることは「そんなむずかしいことが『ふつうの人間』にできるわけないでしょ」ということである。 かつて「アダルト・チルドレン」という言葉がはやったことがあった(死語になってくれたようでうれしい)。 機能不全な家族で育った子どもがその後社会的能力が劣化する現象をいうのだが、そのとき列挙されていた機能不全家族

                                            • 「英語教育論」についての再論 - 内田樹の研究室

                                              英語教育についてある媒体に書いたものをブログに採録したところ、それを読んだニュージーランドに20年お住まいの読者の方から手紙を頂いた。 その方の見聞でも、ニュージーランド「留学移民」事情は、だいたい私の指摘と符合しているということであった。 香港や台湾や韓国からの児童生徒の留学生は「いざというとき」の脱出先を確保するという政治的な目的もあるので、parachute children と呼ばれている由。もちろん、そればかりでなく、幼児期から英語運用能力を身につけることで、故国に戻ったときにキャリア形成上のアドバンテージを得るということも期待されている(それをhead start と呼ぶというそうである。「一歩先んじたスタート」)。 僕の見聞の通り、父親が国に残って仕送りする母子家庭がベーシックなスタイルだが、中には小学生の子どもだけをホームステイ先に送り込んでいるケースもあるという。 さて、

                                              • なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体)  - 奴隷こそが慈悲を施さなければならない

                                                1 純粋贈与と、贈与と、交換 2 貨幣への負債感 3 科学技術−国家(法)−貨幣 4 貨幣交換世界の正当性 5 神々の闘争 1 純粋贈与と、贈与と、交換 幸運と神 たとえば宝くじで10億円当たってしまうと、どのような気持ちになるのだろうか。それは飛び上がるほどのうれしさであるとともに、不安になるのではないだろうか。無償で大金を贈与されることの罪悪感がともなうだろう。 このために宗教への帰属とは関係なく、漠然と神に感謝するだろう。それはこの罪悪感(負債感)を解消するために必要な返礼する他者を想定する。神へ感謝することで返礼する。あるいは慈善団体へ一部寄付することもあるだろう。また知り合いに祝儀を振る舞うだろう。 これはつゆ払いであるとともに、負債感の解消行為である。このような散財による贈与は、神=超越的な他者への返礼であり、負債感の解消である。これは迷信のようなものであるだけでなく、経済的な

                                                  なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体)  - 奴隷こそが慈悲を施さなければならない
                                                • 就活に喝 - 内田樹の研究室

                                                  ゼミに行くと欠席が9名。 ほとんどの四年生は最終学年はゼミしか授業がないはずであるので、ゼミに来ないということは、フルタイムで就活に走り回っている、ということである。 気の毒である。 だが、浮き足立ってことをなして成功するということはあまりない。 大事に臨んでは、まずゆっくり腰を据えて、お茶漬けなど食べるというのが日本古来の風儀である。 ゼミを休むほどに浮き足立ってはろくな結果にならない。 それに、私に「ろくな結果にならない」というようなことを言わせてはいけない。 私の言葉はたいへん遂行性が強いからである。 私が「そんなことをすると、ろくな結果にならない」とうっかり口走ってしまうと、それはきわめて高い確率で現実化するのである。 だから、君たちがわが身の安全をほんとうに案ずるなら、私を怒らせてはいけない。 ご存じのように、私は学生に対して威圧的になったり、がみがみやかましく叱ったりすることが

                                                  • グローバリズムと英語教育 - 内田樹の研究室

                                                    「グローバリズムと英語教育」というタイトルの文章をある媒体に書いた。英語教育専門の媒体なので、たぶんふつうの方は読む機会がないだろうと思うのでここに採録する。 少し前にある雑誌から「子供を中等教育から海外留学させることがブームになっている」という特集を組むので意見を聴きたいと言ってきた。そういう人がいるとは聞き知っていたが、特集を組むほどの拡がりとは知らなかった。 聞けば、富裕層は欧米の寄宿学校へ子供を送り、それほど富裕でもない層ではアジア諸国に移住して子弟をインターナショナル・スクールに通わせ、父は単身日本に残って働いて送金するというかたちが選好されているそうである。 半信半疑だったが、その後バリ島に行ったとき、現地の日本人の方からバリ島のインターナショナルスクールに日本人の母子を誘導する計画があるという話を聴いて得心した。なるほど、そういう時代になったのだ。 これが意味するのは、親たち

                                                    • 「リアリスト」に未来はあるか? - 内田樹の研究室

                                                      「入学の春を迎えた大阪の学校に重苦しい空気が漂っている。橋下徹大阪市長の意向で、教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例が施行されたことを受け、約13000人の教職員に職務命令が出され、厳密な確認が始まったからだ。」(朝日新聞、4月4日) 起立斉唱の職務命令に三回違反すれば免職できる規定もできた。 3月2日の府立和泉高校の卒業式では教頭が校長の命令で、教職員が歌っているかどうか口元を確認して、歌っていなかった教員一名を府教委に報告した。市長はこれを範として、監視を徹底することを市役所幹部や府教委に伝えた。 市長のロジックは「税金で身分保障されている公務員は業務命令を遵守すべきであり、いやなら辞職しろ」というものである。 国歌国旗問題については、これまでも繰り返し発言してきた。 私が統治システムにかかわることで主張しているのは、つねに同じことである。 「その政策は健全な公共心をもつ成

                                                      • まず隗より始めよ - 内田樹の研究室

                                                        授業の合間に取材が二つ。 ひとつは三菱系のシンクタンクから「10 年後の日本はどうなるか」というテーマで。もうひとつは資料請求者に配布するリーフレットの「神戸女学院大学って、こんな大学です」というパブリシティ。 両方で同じような話をする。 同じ人間が続けて話をしているのだから、内容が似てくるのは当たり前であるが、それにしてもそれは「10 年後の日本が神戸女学院大学のような社会になる(といいな)」というふうに私は考えているということを意味している。 何を荒誕なことを、と笑う人がいるかもしれないが、これは私にとってはごく自然な考え方である。 今自分がいる場所そのものが「来るべき社会の先駆的形態でなければならない」というのはマルクスボーイであったときに私に刷り込まれた信念である。 革命をめざす政治党派はその組織自体がやがて実現されるべき未来社会の先駆的形態でなければならない。 もし、その政治党派

                                                        • ル・モンドの記事から - 内田樹の研究室

                                                          2月4日、フランスの『ル・モンド』がNHKの百田経営委員の「南京虐殺はなかった」という発言について、それがどのような政治的文脈の中のものであるかについて解説記事を載せた。 欧米の安倍政権に対する警戒心と嫌悪感はかなり高まっていることが記事から知れると思うので、ここに翻訳しておくことにする。 「憎悪を保つ技術について」 日本の公共放送NHKの経営上層部にある人物が1937年に南京で帝国軍隊によって遂行された虐殺を全面的に否定した。 「列国は南京において日本が犯したとされる虐殺についての国民党指導者蒋介石のプロパガンダに何の注意も払わなかった。なぜだと思いますか?そんなものは存在しなかったからです」百田尚樹は東京での政治集会でそう言い放った。 火曜日に複数のメディアが伝えてところによれば、百田氏は東京都知事ポストをめざす極右候補者を応援している。この候補者は元航空幕僚長の田母神俊雄、2008年

                                                          • コンビニ化する大学と知性の危機について - 内田樹の研究室

                                                            田中大臣の「問題提起」を承けて、大学設置基準の見直し、「総量規制」についての議論が始まった。 不認可そのものは失着だが、「大学はなぜこんなに多いのか?」という問いが前景化されたのは、よいことである。 ものごとはできるだけラディカルに、根底的に論じる方がいい。 議論の基礎資料として、まず大学数の推移だけ抑えておこう。 日本の大学数は1949年で、国立68校、公立18校、私立92校、計178校。 私が大学に入学した1970年で、国立75校、公立33校、私立274校、計382校。 設置基準が大綱化された1991年で、国立97校、公立39校、私立378校、計514校。 そして、2011年度で、国立86校、公立95校、私立594公立。計780校。 ほぼ20年ごとの大学数推移をみるとわかることがある。 第一期(いわゆる「駅弁大学」の草創期)に、大学数は20年間で204校、214%増加した。 これは高度

                                                            • 夢の少子化対策 (内田樹の研究室)

                                                              「機械って言っちゃ申し訳ないけど… 15〜50 歳の女性の数は決まっている。(…) 産む機械、装置の数は決まっているから、後は一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」 柳沢伯夫厚労相が年 1 月 27 日島根県松江市で開かれた集会で洩らした不用意な発言が国内政局を揺るがせている。 首相は厚労相擁護の立場だが、参院与党幹部はこのままでは内閣支持率が下がり続け、2月4日の愛知県知事選、夏の参院選に影響が出るという予測から、閣僚辞任を求めている。 野党は審議拒否で「首を取る」と息巻いている。 柳沢厚労相にしては「本音」をもらしただけだろうが、「少子化対策」の厚労相がこれほど少子化問題の原因について思慮が浅いというのはまことに困ったものである。 少子化の原因を厚労相は「一人頭のがんばり」が足りないせいだと考えているようだが、少子化の原因は「女性の個人的努力が不足しているせい」だという理解はいくらなん

                                                              • New York Times の特定秘密保護法案衆院通過についての記事 - 内田樹の研究室

                                                                New YorkTimes は11月29日に「秘密保護法案によって日本は戦後の平和主義から離脱するのか」という記事を掲載しました。さきほどツイッターに紹介しましたけれど、アメリカでの論調を知って欲しいので、ここに訳出しておきました。やや荒っぽい翻訳ですけれど、新幹線車内での仕事なので、ご容赦ください。 では。どぞ。 街頭でのデモや主要紙の批判的社説を一蹴して、日本の保守派の首相安倍晋三は秘密保護法を通過させることによって、彼の国の戦後の平和主義を逆転させることをめざす一連の法整備の第一歩を進めた。 安倍首相によれば、国家機密をより厳正に管理することがアメリカとの国家機密にかかわる軍事情報の共有のためには必要であると語っている。火曜日に衆院を通過したこの法案は近日中に参院でも採択される見通しであり、これは安倍氏の、日本を彼の言うところの「ふつうの国」に変えるためのステップの一つである。具体的

                                                                • 内田樹 on Twitter: "ある通信社から「安倍政権は歴代最長を記録しそうですが、長期政権の理由は何でしょう?」というインタビューの申し出がありました。答えは「あなたがたジャーナリストが知性と徳性を失ったから」以外にないんですけど・・・それを聴くだけのために神戸まで来ますか?"

                                                                  ある通信社から「安倍政権は歴代最長を記録しそうですが、長期政権の理由は何でしょう?」というインタビューの申し出がありました。答えは「あなたがたジャーナリストが知性と徳性を失ったから」以外にないんですけど・・・それを聴くだけのために神戸まで来ますか?

                                                                    内田樹 on Twitter: "ある通信社から「安倍政権は歴代最長を記録しそうですが、長期政権の理由は何でしょう?」というインタビューの申し出がありました。答えは「あなたがたジャーナリストが知性と徳性を失ったから」以外にないんですけど・・・それを聴くだけのために神戸まで来ますか?"
                                                                  • 痩我慢合戦 - 内田樹の研究室

                                                                    麻生内閣の支持率が11%まで落ちたと毎日新聞が報じている。 でも、首相は恋々として政権にしがみついている。 恋々というのも正確ではない。 おそらく、「やめどき」を逸したせいで、やめようがなくなって、困惑し果てているのだろう。 舞台に出たはいいが、退場のきっかけがわからず、観客から「ひっこめ」とトマトとかバナナの皮とか投げつけられてるのだけれど「ひっこむタイミングがわかんないんです」と半べそをかいているへぼ役者のようである。 気の毒である。 政治家の出処進退はまことにむずかしい。 「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張」 これは勝海舟の言葉である。 出処進退の決定については私には私なりの基準がある。それは公言して、他人の承認を求める筋のものでもない。毀誉褒貶は所詮他人ごとである。オレは知らんよ。 もちろん勝海舟だって、できることなら「勝先生は実に出処進退が鮮やかですなあ」とほめられたかった。 で

                                                                    • 内田樹の研究室: うなぎくん、小説を救う

                                                                      2024 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 2023 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2022 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2021 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5

                                                                      • 教育基本条例再論(しつこいけど) - 内田樹の研究室

                                                                        『赤旗』の取材。大阪のダブル選挙と教育基本条例について。 教育基本条例に反対する「100人委員会」の呼びかけ人に私が入っているので、意見を徴しに来られたのである。 教育基本条例に反対する人たちにはいろいろな立場があり、私のような「教育への市場の介入と、グローバリスト的再編そのものに反対」という原理主義的な反対者はおそらく少数(というかほとんどいない)のではないかと思う。 マスメディアと保護者のほぼ全部と、教員の相当部分は「学校教育の目的は、子供たちの労働主体としての付加価値を高め、労働市場で『高値』がつくように支援すること」だと思っている。 私はそのような教育観「そのもの」に反対している。 この100人委員会にも、私に原則同意してくれる方はほとんどいないだろうと思う。 メディアでも、教育基本条例の区々たる条文についての反論は詳しく紹介されるが、私のようにこの条例を起草した人間の教育観(「学

                                                                        • 体罰とブレークスルーについて - 内田樹の研究室

                                                                          『GQ』に毎月人生相談コーナーに寄稿している。 今月号は体罰についての質問だった。 たいせつな話なので、ここに再録しておく。 Q:体罰が問題になっています。武道における鉄拳制裁、愛の鞭というのはないのでしょうか A:武道ではありえないですね。人に向かって「努力がたりない」という理由で罰を与えるということは。 処罰で脅すというのは、はっきりした到達目標とタイムリミットがある場合に限られます。 能力の発現までのんびり待っていられないというときに、処罰の恐怖や、金や名誉といった利益による誘導や、マインドコントロールやドーピングが採用される。 時間が迫っているので「背に腹はかえられない」というのがそのときの言い分です。 でも、武道の修業というのは、いつ、どこで、どのような危機に遭遇するのか予見できない状態で、それに備えるものです。だから、「いついつまでに、これこれのことができなければ罰を与える」と

                                                                          • 原発ゼロ元年の年頭にあたり - 内田樹の研究室

                                                                            国内のすべての原発が止まった。 1970年から42年ぶりのことである。 2012年という年号が「脱原発元年」としてひさしく記憶されるようになることを私は願っている。 原発の再稼働の賛否については、文字通り「国論を二分する」ような議論がゆきかっている。 再稼働賛成派の論拠はおもに経済的なものである。 盛夏における電力の不足、電気料金の値上がり、電力コストの上昇による工業製品の国際競争力の相対的低下、より安い電力を求めての生産拠点の海外流出と産業の空洞化などなど。 政治的要因としては、石油依存体制がもたらすエネルギー安保上の不安があるが、これはあまり大きな声で言い立てる人がいない。 ご存じのとおり、石油の採掘、精製、輸送、販売は「オイルメジャー」と呼ばれる石油資本が伝統的に独占してきた。メジャーの価格統制を嫌った産油国が1960年にOPECを結成し、石油メジャーによる市場の独占は70年代に終わ

                                                                            • 「新年おめでとう」はNG? 震災で年賀状に異変  「謹賀新年」控え、「笑門来福」「絆」「笑顔で」 :日本経済新聞

                                                                              キャリア、転職、人材育成のヒントを提供してきた「リスキリング」チャンネルは新生「NIKKEIリスキリング」としてスタート。 ビジネスパーソンのためのファッション情報を集めた「Men’s Fashion」チャンネルは「THE NIKKEI MAGAZINE」デジタル版に進化しました。 その他のチャンネルはお休みし、公開コンテンツのほとんどは「日経電子版」ならびに課題解決型サイト「日経BizGate」で引き続きご覧いただけます。

                                                                                「新年おめでとう」はNG? 震災で年賀状に異変  「謹賀新年」控え、「笑門来福」「絆」「笑顔で」 :日本経済新聞
                                                                              • 「なんとなく」の効用 - 内田樹の研究室

                                                                                合気道のお稽古に行ったら、入会希望者が7人来ていた。 そのほかに見学者が2人。 このペースで入会されていただくと、遠からず道場は「いかなごの釘煮」状態になってしまうであろう。 四月というのは新しいことを始めたくなる季節であるので、毎年四月第一週の入門者というのは多いのであるが、それにしても・・・ 私の本を読んで来ました、という人はそれほど多くない。 ほとんどのかたは「なんとなく」ネットで調べているうちに、家の近所にある道場とか、時間の合う道場を見つけて来られたのである。 だが、不思議なもので、確率的に言うと、はっきりしたモチベーションを持って入門した人と、「なんとなく」入門した人では、「なんとなく」の方が長続きするのである。 『あくび指南』にもあるとおり、「友だちに連れて来られた人」の方が「引っ張ってきた当人」よりも本格的になってしまうというのは「ありがち」なことである。 よくタレントのデ

                                                                                • 内田樹氏の知らない比較優位 : 池田信夫 blog

                                                                                  2011年10月30日10:46 カテゴリ経済 内田樹氏の知らない比較優位 TPP反対派は、高校の政治経済レベルの経済学も理解していないことが多い。その典型が内田樹氏の「グローバリストを信じるな」というブログ記事である。彼の「すべての原発の即時停止と廃炉」を求める記事が事実誤認であることは前にも指摘したが、この記事も間違いだらけだ。彼はこう書く:「なぜアメリカがこれほど強硬に日本のTPP参加を要求するのか?」という、アメリカの行動の内在的なロジックを冷静に解析した記事をメディアで見る機会はほとんどない。「アメリカが強硬に日本のTPP参加を要求」しているというのは、何を根拠に言っているのだろうか。たとえばNYタイムズで"TPP"を検索すると、2件しか出てこない。その一つでBergstenは「大統領も共和党もTPPに関心をもっていない」と嘆いている。アメリカにとってTPPは、小国を相手にしたロ

                                                                                    内田樹氏の知らない比較優位 : 池田信夫 blog