会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、レバノンへ逃亡した日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(67)が、本紙記者の取材に書面で回答を寄せた。「(事件について)何の証拠も出てこなかった」と持論を展開、「公正な裁判という状況があれば日本を離れることはなかった」と逃亡を正当化した。厳しい質問には逆質問する回答もあった。東京地検特捜部の4度の逮捕、起訴を経て再保釈されてから2年。ゴーン被告が「嫌疑」に真摯(しんし)に向き合っているとは言いがたい。 ゴーン被告は平成30年11月19日、東京地検特捜部に逮捕されたことについて、「私の人生とそれまで知っていた全てがひっくり返った」と振り返った。 検察の捜査について、「私の人権を侵害するシステム、『無罪を証明するのは逮捕された人次第』という、近代的な国では誰も直面すべきではないシステムと闘う暗黒の1年だった」と記した。日本の司法制度を「中世的だ」と批