フランスのノーベル賞作家カミュは、「シーシュポスの神話」という短い寓話を書きました。「シーシュポスの神話」は、人生が上手く行っていない人に読んで貰いたいお話です。上手く行かなくても、人は(たぶん)幸せになれます。 「シーシュポスの神話」(『シーシュポスの神話』所収) カミュ(清水徹訳) 新潮文庫 1969年7月15日発行 あらすじ 神々がシーシュポスに課した刑罰は、休みなく岩をころがして、ある山の頂まで運び上げるというものであったが、ひとたび山頂にまで達すると、岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。 シーシュポスは、ギリシア神話に登場する英雄です。シーシュポスは神々の反感を買い、地獄で刑罰を受けることになります。シーシュポスが受けた刑罰は、岩を転がして山のてっぺんまで運ぶという労役です。しかも山のてっぺんまで転がされた岩は、また平原へと転がり落ちてしまうという意地の悪い