俳優の女性(25)の急死をきっかけに、宝塚歌劇団内部の苛烈な上下関係が明るみに出た。歌劇団から依頼を受けた外部弁護士らが調査し、11月に公表した報告書は女性へのいじめやハラスメントは「確認できなかった」と結論付けている。しかし、関係者へ取材を進めていくと、調査結果とは異なる証言が複数寄せられた。 「絶対的な上下関係に基づく構造的なパワハラの温床となっている」 事実だとすれば、こうした時代遅れの慣行が続いたのはなぜか。歴史をひもとくと、阪急電鉄の一部門に過ぎない歌劇団が、創業者や経営トップの寵愛を受け「聖域」と化した実態が浮かんできた。華やかなショーの陰で独善がはびこっていなかったか。多くのファンを持つ歌劇団が悲劇を生まずに公演を続けるため、必要なことは何か。(共同通信=宝塚歌劇団問題取材班) ▽歴代トップの強い思い入れ 宝塚歌劇団がスタートしたのは1914年。創立したのは阪急電鉄の創業者小