あの日から一年 ベトナム人技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リンさんが実習先の寮の部屋で双子を死産したのは昨年11月15日の午前のことだった。熊本県南部のみかん農園で働いていた当時21歳のリンさんは、強制帰国を恐れて妊娠のことを誰にも相談できず、孤立出産へと追い込まれていった。 リンさんは多量の出血を含む肉体的な傷と我が子を喪った精神的な痛みの中にいた。だが、彼女は双子の遺体を血まみれの布団の上に裸で放置することなどできず、それらを丁寧にタオルにくるんで箱に収め、双子の名前と弔いの言葉などを記した手紙を添えて、すぐそばの小さな棚の上に安置した。 しかし、まさにこの一連の行為がのちに死体遺棄罪に問われることになる。翌日に受診した病院から警察へと通報がなされ、数日の入院ののちに逮捕され、起訴をされ、メディアには報道をされ、SNSなどでは中傷にも晒され、そして「私は子どもの遺体を捨てても隠してもい