「追放って……おい、何をしたんだ?」 「エドが森の探索を始めたことがわかったから、今日、パーティーのお金に手を付けて、ただ可愛いだけのアクセサリを買った」 俺と合流するためだけにブレイズの怒りを買おうとするとは……こいつ、結構やばい奴なのでは? と戦慄しながら詳しい話を聞くと、エレナはもともと離脱を主眼としてパーティーでは手を抜いて活動していたらしい。外ではすぐ疲れるふりをしたり、魔法の威力を抑えて使っていたり、寝坊するふりをして集合時間を頻繁に遅刻したり、食事をわざともたついて食べて出発を遅らせたりと。 そんなエレナでもブレイズは『賢者』のネームバリューゆえにパーティーに残していた。 だが、きっかけ(・・・・)さえあれば追放することもある。 エレナを追放したブレイズは代わりとして、最近合同で活動するようになった他の新人パーティーから有力な女冒険者を引き抜いた、とエレナは顛末まで語った。