“彼女に勝てる論客がいない”と評される論争の名手、上野千鶴子・東京大学教授。古くはアグネス論争、記憶に新しいところでは、ジェンダーフリー論争まで、上野教授はいつも論争の中心にいて、大胆な発言と、高速スピードで的確に繰り出されることばで周囲を圧倒する。上野教授に論争術を学びにタレントが師事したことも話題になった(「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」筑摩書房)。 上野教授は、30代前半にアメリカで2年間の留学生活を送った経験を持つ。「日本語のケンカなら負けない」と自ら語る教授は、武器である日本語を取り上げられたアメリカでの2年間を、どのように英語に親しんで過ごしたのか? 英語のケンカでも負けないのだろうか? 現代最強の日本語の論客と「異国のことば」との関係を知りたくてインタビューを申し込むと、「英語には本当に泣かされたので、この苦労を語りたい」と理由を添えて、取材を快諾してくださった。 私の英語