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橘玲の検索結果161 - 200 件 / 400件

  • シリア内戦―誰にも止められない殺し合い 週刊プレイボーイ連載(114) – 橘玲 公式BLOG

    「あらゆる問題は解決されるべきだし、解決できる」と考えているひとがいますが、世の中には原理的に解決不可能な問題が存在します(というか、実はそれがほとんどです)。そしてここに暴力(とりわけ国家の暴力)がからむと、目を覆わんばかりの悲惨な事態を招きます。中東・シリアでいま起きていることはまさにその典型です。 第一次世界大戦でオスマントルコが崩壊した後、中東はヨーロッパ列強の支配下に置かれ、歴史や文化、民族構成とは無関係に分割されました。この時期、フランスの委任統治領だった地域が現在のシリアで、アラブ人が人口の9割を占めるもののクルド人やアルメニア人もおり、国民の7割がイスラム教スンニ派ですが、2割はシーア派、1割はキリスト教徒です。 シリアの政治権力を独占しているのはシーア派のなかでも少数派のアラウィー派に属するアサド一族で、空軍司令官だったハーフィズ・アル=アサドが1970年にクーデターで権

      シリア内戦―誰にも止められない殺し合い 週刊プレイボーイ連載(114) – 橘玲 公式BLOG
    • 第54回 住宅ローンは信用取引(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

      横浜市内の大型マンションが傾いた事件では杭が強固な地盤に届いておらず、基礎工事を施工した下請業者がデータを改ざんしていた。同じ業者が過去10年間に手がけた物件が約3000棟に及ぶことがわかって不安が広がっている。 この欠陥マンションを購入した住民は、「何千万円もの資産が無価値になるかと思うと夜も眠れない」と語っていた。マンションを販売した大手デベロッパーが買取りを申し出ているが、他の工事でも同様の改ざんが発覚した場合、損害がすべて補償されるとはかぎらないだろう。 今回の事件を資産運用理論で説明すると、「タマゴをひとつのカゴに盛るな」ということになる。ひとつの株に全財産を投資して、その会社が倒産してしまえば一文なしだ。それを避けるには、異なるタイプの株式を保有すればいい。これが分散投資理論で、寿司屋がダメでもラーメン屋が儲かればなんとかなるのだ。 借金をして株式を買うのが信用取引で、素人が手

        第54回 住宅ローンは信用取引(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
      • ブラック企業問題は市場原理が解決する 週刊プレイボーイ連載(157) – 橘玲 公式BLOG

        知り合いの大学教授から、「居酒屋でアルバイトをする学生の退学が増えて困っている」という話を聞きました。原因は、日本経済の大きな問題になってきた人手不足です。 居酒屋や牛丼の大手チェーンが次々と店舗の閉鎖に追い込まれているように、サービス業ではアルバイトの確保に四苦八苦しています。学生はイメージのいいカフェなどで働きたがり、“ブラック企業”のレッテルを張られるようなところには来てくれないのです。 これは、居酒屋の運営に責任を持つ店長にとってはきわめて深刻な事態です。そんなとき、優秀な学生がたまたまバイトに応募してきたらどうなるでしょう。 店長はこの千載一遇の機会を逃さないよう、あらゆる手段で学生を引き留めようとするにちがいありません。店を仕切れるスタッフがいなくなれば店舗は閉鎖され、店長の仕事もなくなって家族ともども路頭に迷ってしまうのです。 学生のなかには、いい年をした大人の必死の説得を断

          ブラック企業問題は市場原理が解決する 週刊プレイボーイ連載(157) – 橘玲 公式BLOG
        • BLOGOS サービス終了のお知らせ

          平素は株式会社ライブドアのサービスを ご利用いただきありがとうございます。 提言型ニュースサイト「BLOGOS」は、 2022年5月31日をもちまして、 サービスの提供を終了いたしました。 一部のオリジナル記事につきましては、 livedoorニュース内の 「BLOGOSの記事一覧」からご覧いただけます。 長らくご利用いただき、ありがとうございました。 サービス終了に関するお問い合わせは、 下記までお願いいたします。 お問い合わせ ※カテゴリは、「その他のお問い合わせ」を選択して下さい。

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          • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

            経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

              世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)
            • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

              経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

                世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)
              • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

                経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

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                • こんな日本になったらいいな – 橘玲 公式BLOG

                  年明けに明るい話題を、とのご注文を受けて、2005年に書いた「日本がリバタリアン国家になったら」をアップします。これはウォルター・ブロックの『不道徳教育-擁護できないものを擁護する』を翻訳した際の解説の一部で、来月、『不道徳な経済学』とタイトルを変えて文庫化の予定です。 5年前の文章なので、前振りの話題が古いのはご容赦ください。現在であれば、名古屋市や大阪府、阿久根市などの騒動に置き換えて読んでいただければ(現象は変わっても本質は同じです)。 いま読み返すと、考え方が若干変わったところもありますが、加筆・訂正は最小限にしています。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *          

                    こんな日本になったらいいな – 橘玲 公式BLOG
                  • 若者言葉はなぜ体育会化するのか?  週刊プレイボーイ連載(133) – 橘玲 公式BLOG

                    「近頃の若い者は……」と説教するオヤジにはなりたくないのですが、それでも気になるのは「ありがとうございます」の多用です。近頃の若者は職場やバイト先で、上司からなにかいわれるたびに「ありがとうございます」とこたえているようです。 「そこはEXCELの集計機能を使えばいいよ」 「ありがとうございます」 「明日は早いから今日はこれで終わりにしましょう」 「ありがとうございます」 いずれも間違いとはいえませんが、もっとシンプルな返答があります。私たちの世代は(という言い方をしてしまいますが)、最初の例では「わかりました」、2番目の例では「そうですね」とこたえて、「ありがとうございます」とはいわなかったでしょう。 言葉は時代とともに変化しますが、「ありがとうございます」が若者のあいだでインフレ化するのは何を意味しているのでしょうか。 私がこの用法に違和感を持つのは、それが明らかに体育会言葉だからです

                      若者言葉はなぜ体育会化するのか?  週刊プレイボーイ連載(133) – 橘玲 公式BLOG
                    • そもそもメニューを信じる方がおかしい 週刊プレイボーイ連載(123) – 橘玲 公式BLOG

                      食材偽装問題で阪急阪神ホテルズの社長が辞任を表明しました。当初は勘違いによる誤表示と説明していたものの、再調査によって従業員が虚偽表示と認識していたケースが見つかったのが理由です。 トビコ(トビオウの卵)をレッドキャビア(マスの卵)、体長200ミリを超えるバナメイエビを150ミリほどの芝エビと表示するなど、当初から「プロの料理人が間違えるはずはない」との疑問の声が出ていました。ホテル側の再調査は、食材の偽装表示が確信犯であったことを示しています。 この問題を受けて、ホテル側はメニューを正しい表示に変更しました。「鮮魚と六甲山ホテル自家製菜園野菜の天婦羅」が「海の幸と季節の野菜の天婦羅」に変わり、レトワール風オードブル ホテル菜園の無農薬サラダを添えて」がたんなる「レトワール風オードブル」になったのは、一部の魚が冷凍もので、菜園の野菜だけでは間に合わないときに市販のものを使用していたからだそ

                      • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

                        経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

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                        • マリファナも売春も合法化が進んでいる 週刊プレイボーイ連載(124) – 橘玲 公式BLOG

                          アムステルダムに泊まったとき、部屋に置いてあった観光客向けのガイドブックに仰天したことがあります。そこは一流ホテルだったにもかかわらず、ガイドブックには「売春の仕方」や「マリファナの買い方」が載っていたからです。 よく知られているように、オランダでは売春とマリファナが合法化されています。 マリファナはコーヒーショップと呼ばれる専門店で購入でき、ヨーロッパじゅうから度胸試しの若者たちが集まってきます。とはいえマリファナの栽培や製造・販売がすべて合法化されているわけではなく、治安の悪化を懸念する声もあって試行錯誤が続いているようです(アメリカでも医療用大麻の合法化は進んでいますが、娯楽としての使用については意見が割れています)。 それに対して売春は世界的に合法化されつつあり、ドイツ、オランダ、デンマーク、ベルギー、スイス、オーストリアなどでは売春斡旋業(置屋)も認可制です。 売春合法化は女性の

                          • どうして男女の欲望はすれ違うのか?――臆病者のための楽しい人生100年計画 | 文春オンライン

                            面倒な話は後回しにして、まずは図1をご覧いただきたい。女性が魅力的だと思う男性の年齢を「見える化」したものだ。 左の列が女性の年齢で、それぞれの年の女性がもっとも魅力的だと思う男性の年齢が右側にある。対角線(点線)は男女の年齢が同じラインで、20歳の女性が20歳の男性に、50歳の女性が50歳の男性に魅力を感じるとしたら、この線上に数字が並ぶことになる。 図を見ればわかるように、20代の女性は自分よりすこし年上の男を魅力的だと思い、30代になると同い年か、すこし年下を好む。 40歳から50歳手前までの女性は年下好みに 転機は40歳で、好みの男性の年齢は対角線を離れてほぼ垂直に下がっていく。ここから50歳手前までの女性はかなり年下(40歳前後)の男性に魅力を感じるが、49歳と50歳ではまた自分の年齢に近い男性を好むようになる。 この結果に女性の読者の多くは納得するだろうが、男性にはちょっとショ

                              どうして男女の欲望はすれ違うのか?――臆病者のための楽しい人生100年計画 | 文春オンライン
                            • 作家 橘玲さんインタビュー リスクが極大化する社会の中で自分と家族を守るためにできること|from MONEYKit|MONEYKit - ソニー銀行

                              金融に関する豊富な知識を背景に、数多くの著作を生み出してきた作家の橘玲さん。その最新著『大震災の後で人生について語るということ』には、震災以降の日本を生きる私たちの新たな人生設計が描かれています。今の日本が抱えるリスクの源泉と、そこから身を守る方法を橘さんに伺いました(このインタビューは2011年9月2日(金)に行われました)。 橘玲(たちばな・あきら) 1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーに。2006年には『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補となる。 20年続いたデフレで、日本社会は機能不全に ―― 今回の著書はタイトルからも分かる通り、震災を契機に書かれたものですね。 震災直後の3月14日(月)から海外に行く予定だったのですが、それをキャンセルし、そのほ

                              • 大震災のあとに、人生について語るということ – 橘玲 公式BLOG

                                東日本大震災から3週間が過ぎ、福島第1原発事故は予断を許さない状況ながら、街はすこしずつ平静を取り戻してきたように思えます。その一方で、いまだ多くの被災者の方が避難場所で不自由な生活を強いられており、その方々が1日も早く平穏な日常を取り戻せるよう祈るばかりです。 今回の震災とそれにつづく原発事故は、私にとっても衝撃的な出来事でした。 私はこれまで、自由とは選択肢の数のことだと、繰り返し書いてきました。なんらかの予期せぬ不幸に見舞われたとき、選択肢のないひとほど苦境に陥ることになる。立ち直れないほどの痛手を被るのは、他に生きる術を持たないからだ、というように。 私はこのことを知識としては理解していましたが、しかし自分の言葉が、想像を絶するような惨状とともに、現実の出来事として、目の前に立ち現われるなどとは考えたこともありませんでした。 津波に巻き込まれたのは、海辺の町や村で、一所懸命に生きて

                                  大震災のあとに、人生について語るということ – 橘玲 公式BLOG
                                • 民主党政権とはなんだったのか(3) – 橘玲 公式BLOG

                                  「官僚内閣制」「省庁代表制」「政府・与党二元体制」という日本的な統治構造では、仕切られた省庁の枠組のなかで、ボトムアップの合意形成によって政策がつくられていく。この仕組みは戦後の復興期、社会の各層に的確な政策が必要とされていた時期にはきわめてよく適合した。 だがこの大きすぎる成功体験が、冷戦終焉以降の歴史的な変化に乗り遅れる原因ともなった。「省庁連邦国家日本」には、国益のためにトップダウンで合理的な意思決定をする仕組みが備わっていないのだ。 そこで民主党は、2009年の政権交代を受けて、日本の統治構造の改造に乗り出すことになる。 民主党の「原理主義者」たちの理解では、政権交代後にこの国にふたつの権力が並立することになった。ひとつは選挙で選ばれた国民代表を基盤とする民主党内閣、もう一つは省庁代表を基盤とする官僚内閣だ。 ひとつの国にふたつの権力は並び立たないのだから、民主党内閣は、権力闘争に

                                    民主党政権とはなんだったのか(3) – 橘玲 公式BLOG
                                  • モーニングスター社インタビュー(2)震災で露呈、日本人のリスク「極大化」ポートフォリオ – 橘玲 公式BLOG

                                    <人的資本の喪失を懸念、会社依存に警鐘> ――震災が日本の経済・雇用などに与える影響が懸念されているが、どう考えるか。 「震災の経済への影響はこれから出てくるだろう。懸念すべきは、膨大な数の人達が家や車などの物的資産だけではなく、労働市場から利益を得るための『人的資本』をすべて失ってしまったことだ。例えばサラリーマンは、安定しているように見えても、会社や工場が津波で流されてしまえばこれまでの職業人生はゼロにリセットされてしまう。日本のような労働市場に流動性がない社会では、中高年は転職の可能性が閉ざされている。サラリーマンは、株式投資で1つの銘柄に全財産を投じるのと同じく、人的資本のリスクを極大化している」 「経済的な側面から見れば、人生設計とは、自分が持っている『人的資本』と『金融資本』のポートフォリオをいかに管理するかという問題としてとらえられる。一般に個人で500万円の貯金があればかな

                                      モーニングスター社インタビュー(2)震災で露呈、日本人のリスク「極大化」ポートフォリオ – 橘玲 公式BLOG
                                    • 『上級国民/下級国民』をベルカーブとロングテールで説明する – 橘玲 公式BLOG

                                      新刊『上級国民/下級国民』が発売されたあと、後期近代において不可逆的に格差が拡大していく理由を「ベルカーブからロングテールへ」で説明できることに気づきました。以下にまとめておきますので、本を読んでいただいた方は参考にしてください(未読の方にもわかるように書いています)。 「ベルカーブ(正規分布)の世界」では、平均付近にもっとも多くのひとが集まり、極端にゆたかなひとや、極端に貧しいひとは少なくなります。下の図では平均から1標準偏差以内(偏差値では40~60)の範囲に全体の約7割(68.3%)が収まります。 これを「中間層」とするならば、平均から2標準偏差以上離れた「中流の上」(偏差値60~70)と「中流の下」(偏差値30~40)はそれぞれ1割強(13.55%)で、「(広い意味での)中流」=平均値の2標準偏差以内に全体の95.4%が収まります。まさに、昭和の「1億総中流時代」です。 それに対し

                                        『上級国民/下級国民』をベルカーブとロングテールで説明する – 橘玲 公式BLOG
                                      • 学校はいじめを前提に成立している 週刊プレイボーイ連載(68) – 橘玲 公式BLOG

                                        文部科学省がいじめ対策として、全国の中学校にスクールカウンセラーを配置すると発表しました。しかしこれで、いじめ問題は解決するのでしょうか。 「子供の『命』を守るために」との副題がついた文科省の「取組方針」には、「いじめは決して許されないことである」とあります。しかしいじめの根絶を目指すのは、子どもに人間であることをやめろというのと同じです。 ヒトは社会的な動物ですから、チンパンジーなどと同様に、ごく自然に集団をつくり、敵対する集団と競い合いながら仲間意識を高めていくよう生得的にプログラミングされています。クラスではリーダーを中心に5~10人の複数の集団が生まれますが、同じタイプの集団が並存することはありません。クラス内では集団同士の抗争が禁じられているからで、まず男子と女子に分かれたうえで、ガリ勉、おたく、不良など、異なるタイプの集団が微妙なバランスで棲み分けることになります。 集団が成立

                                          学校はいじめを前提に成立している 週刊プレイボーイ連載(68) – 橘玲 公式BLOG
                                        • “国家破産”の街アテネを旅して(1) – 橘玲 公式BLOG

                                          ギリシアの財政危機が世界経済をふたたび揺るがしはじめました。 昨年(2010年)末にアテネを訪れ、それについて短い文章を書きました。今年の春に予定していた新刊のためのものですが、東日本大震災で企画そのものを取り止めたため発表の機会がなくなり、そのままになっていました。 ギリシア危機の報道で思い出したので、半年ほど前の話ですが、2回に分けて掲載します。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * アテネは野良犬が多い。それも大きくて、やたらなれなれしい。カフェでコーヒーを飲んでいると、いきなりテーブルの下に潜り込んできたり、膝に頭を乗せてきたりする。最初は

                                            “国家破産”の街アテネを旅して(1) – 橘玲 公式BLOG
                                          • 中国人から喝采を浴びる岡田武史元日本代表監督の中国プロサッカー改革[橘玲の世界投資見聞録]|橘玲の世界投資見聞録 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン

                                            6月4日に埼玉スタジアムで開催されたワールドカップ最終予選でオーストラリアと引き分け、日本は見事5大会連続の出場を決めたが、そのうちのフランス大会、南アフリカ大会で指揮をとった岡田武史前日本代表監督は、現在は中国に渡ってスーパーリーグ(「中超」、日本のJ1リーグに相当)の杭州緑城を率いている。 浙江省の省都・杭州(Hangzhou)は上海の南西150キロほどのところにあり、高速鉄道を使えば1時間弱の距離だ。長江(揚子江)デルタが生んだ中国を代表する古都のひとつで、世界遺産に指定された西湖の周囲には古寺名刹などの見所が集まり、全国から観光客が押し寄せてくる。 杭州の世界遺産・西湖のシンボル、三潭印月 (Photo:©Alt Invest Com) 緑が多いのもこの町の特徴で、古くから“緑城(Green Town)”の名で親しまれてきた。フットボールクラブの名もここからとられている(縁起のいい

                                            • 現代の錬金術は成立するか? 書評『日本破綻を防ぐ2つのプラン』 – 橘玲 公式BLOG

                                              『日本破綻を防ぐ2つのプラン』で、経済学者の小林慶一郎氏がきわめて刺激的な提言をしている。それはかんたんにいうと、次のようなものだ。 このままでは日本の財政は破綻してしまう。 財政破綻で円が暴落することを考えれば、現在の円高は市場の誤解(もしくは楽観)によるものだ。 だとしたらそれを利用して、日本政府は大規模な外貨建て投資を行なえばいい。 日本が巨額の外貨建て資産を保有していれば、円が暴落しても、為替差益によって損失を補填することができる。 市場参加者の誰もが、財政破綻で日本が損をしない(かえって得をする)ことを知っていれば、財政は破綻しないだろう。 最後のところがわかりにくいかもしれないが、これは金融資産に対して100%のヘッジをかけている(保険に入っている)のと同じだ。 国債の暴落は、国家が利払いや償還の約束を反故にするのではないかという投資家の不安によって引き起こされる。しかし国債の

                                                現代の錬金術は成立するか? 書評『日本破綻を防ぐ2つのプラン』 – 橘玲 公式BLOG
                                              • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

                                                経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

                                                  世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)
                                                • 「オッカムの剃刀」と不愉快な世界 週刊プレイボーイ連載(178) – 橘玲 公式BLOG

                                                  「オッカムの剃刀」は14世紀の哲学者・神学者オッカムが用いた哲学の論法で、「より複雑な説明と、より簡潔な説明があった場合、後者を採用すべきだ」というものです。「単純な説明が常に真実である」ということではなく、経験的に、「単純な論理の方が正しいことが多い」といっているのです。 具体的な例を挙げてみましょう。 東日本大震災の前後で日本人の幸福度を測ると、震災後に「自分は幸福だ」と感じるひとが増えていることがわかりました。ある学者はこの結果を、「大きな災害によって日本じゅうが“絆”を意識したからだ」と解釈しました。共同体への帰属意識は幸福感を高めますから、それなりに説得力のある主張です。 しかしこのデータは、ずっとシンプルな仮説でも説明できます。 「幸福」と「不幸」に絶対的な基準があるわけではなく、感情はあくまでも相対的なものです。各国の最貧困層を比較すると、インドのスラムに暮らすひとたちはニュ

                                                  • 「おわハラ」ではなく、年齢差別を終わらせよう  週刊プレイボーイ連載(208) – 橘玲 公式BLOG

                                                    内定を出した学生に就職活動を終わらせるよう強要する「おわハラ」が問題になっています。なぜこんなことが起こるかというと、高齢化による人手不足もあるでしょうが、いちばんの原因は、安倍政権の要請を受けた経団連が、「学業優先のため新卒の選考は8月から」という指針を出したことでしょう。 これはたんなる指針なので、経団連に加盟する大手企業は無視できないとしても、外資系や中小企業には関係ありません。そのためこれらの企業は、従来どおり4月から選考をはじめ、次々と内定を出して採用活動を終えています。ところが今年は、そのあとに金融など大手企業の選考があるのですから、これは人事担当者にとって大問題です。 内定を出した学生が大手企業に採用されたとすれば、入社を断ってくるのは8月後半や9月になってからです。それによって予定人数が足りなくなれば、そこからもういちど採用活動をやり直さなければなりません。その手間やコスト

                                                      「おわハラ」ではなく、年齢差別を終わらせよう  週刊プレイボーイ連載(208) – 橘玲 公式BLOG
                                                    • 「国家に頼る」ことをみんなで一斉にやめてみませんか?〈『週刊SPA!』2011年4月19日号) – 橘玲 公式BLOG

                                                      3月29日にインタビューを受けた『週刊SPA!』の「日はまた昇る![日本V字復興計画]16」所収の記事を、出版社の許可を得て掲載します。震災後にこんなことを考えていた、というようにお読みいただければ幸いです。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 目下、最重要項目が「被災地復興」。巨額の復興財源を捻出すべく、法人税減税の見送りや所得税控除の見直しのほか、環境税導入の議論なども出てきている。しかし、「こんな事態だから増税もやむなし」という世論に異議を唱えるのは作家の橘玲氏。 「なぜ国債発行ではなく増税が必要になるかというと、そもそも日本の財政が危機的

                                                        「国家に頼る」ことをみんなで一斉にやめてみませんか?〈『週刊SPA!』2011年4月19日号) – 橘玲 公式BLOG
                                                      • 世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

                                                        経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU

                                                          世の中の仕組みと人生のデザイン l 橘 玲 | DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)
                                                        • ポール・クルーグマンを日銀総裁に – 橘玲 公式BLOG

                                                          最初に断わっておくけれど、私は、マクロ経済学の議論は自分の領域ではないと考えている。これまで何度か書いてきたように、「誰も未来を知ることはできない」ということを前提に、外的環境の変化に合わせて人生設計を最適化する、というのが私の一貫した立場だ。 リフレ政策についても同様で、私の立場としては、「マクロ経済学的な議論としては成立するとしても、それが実際に期待された効果を生むかどうかはやってみなければわからない」という不可知論となる。それ以前に、経済学者のあいだですら評価が二分する経済政策について、(私のような)専門外の生活者に真偽の判断ができるわけもない。 その意味で、リフレ政策を選挙の争点にして有権者の判断を仰ぐ、というのは意味がないだろう。これはあくまでも、国民の負託を受けた政治家が自らの意思で判断すべき事柄だ。 このような前提のうえで、不可知論の立場からリフレ政策を支持できるかどうか、こ

                                                            ポール・クルーグマンを日銀総裁に – 橘玲 公式BLOG
                                                          • 母子家庭を援助すべき“不都合”な理由 週刊プレイボーイ連載(105) – 橘玲 公式BLOG

                                                            安倍自民党政権が生活保護法改正などで、生活保護の切り下げを図っていると批判されています。 NPO団体などは一連の「改悪」によって保護が必要なひとが申請できなくなり、餓死や孤立死といった悲劇を招くと主張しますが、しかしその一方で、生活保護の受給者数は過去最高の215万人に達し、支給総額は年3兆8000億円(自治体負担分を含む)に及んでいます。いずれの数字もこの10年間で倍増していますから、生活保護が受給しやすくなったとはいえないとしても、一方的な「弱者切り捨て」批判は疑問です。 ところでひと口に生活保護といっても、受給者にはさまざまな事情があります。 もっとも多いのはじゅうぶんな年金を受給できない高齢者で、60歳以上の受給者が全体の半分を占めます。19歳以下の子どもも約15%おり、20代から50代までの受給者は約3分の1です。また世帯別で見ると、全体のおよそ1割が母子家庭となっています。 生

                                                              母子家庭を援助すべき“不都合”な理由 週刊プレイボーイ連載(105) – 橘玲 公式BLOG
                                                            • 「みんなの選択」が合理的だと社会は崩壊する? 週刊プレイボーイ連載(13) – 橘玲 公式BLOG

                                                              わたしたちは日々、無数の「選択」をしています。 インターネットで音楽をダウンロードするときも、近所のコンビニで夕食のおかずを買うときも、たくさんの選択肢のなかから安くて楽しいもの(おいしいもの)を選ぼうと頭を悩ませます。その一方で売り手の側は、自分の商品をすこしでも高く、たくさんのひとに買ってもらおうと努力しています。 市場におけるこうした「わたしの選択(プライベートチョイス)」では、ひとびとは自分がもっとも得をするよう(おおむね)合理的に行動しています。このことに気づいたことで、経済学は市場をモデル化する「科学」になりました。 ところでわたしたちの生活は、私的な選択の積み重ねだけでできているわけではありません。人間は社会的な動物ですから、「みんな」で決めなくてはならないことがたくさんあります。この「みんなの選択(パブリックチョイス)」が、すなわち「政治」です。 「わたしの選択」が損得(経

                                                                「みんなの選択」が合理的だと社会は崩壊する? 週刊プレイボーイ連載(13) – 橘玲 公式BLOG
                                                              • 国家はもはや市場を制御することができない 週刊プレイボーイ連載(27) – 橘玲 公式BLOG

                                                                ギリシアのパパンドレウ首相が国民投票を行なうと発表(その後撤回して新政権樹立)したことで、ヨーロッパが揺れています。 すでにいい尽くされたことですが、この混乱は、政府(財政政策)をばらばらにしたままユーロという通貨だけを共通にしたという“設計不良”によるものですから、対症療法では解決できません。この欠陥は1999年のユーロ発足のときから指摘されていましたが、ヨーロッパの政治家は耳を貸そうとはしませんでした。その構造的な歪みが、世界金融危機によって現実のものとなったのです。 もちろんギリシアの経済は、日本でいえば神奈川県ほどの規模しかありませんから、たとえばドイツがお金を出してギリシアの財政赤字を清算すれば“危機”はたちまち消えてしまいます。これは経済的にはもっとも被害の少ない合理的な解決法でしょうが、ドイツの有権者を納得させることができないので、政治的には実現不可能です。 そこでEUは、大

                                                                  国家はもはや市場を制御することができない 週刊プレイボーイ連載(27) – 橘玲 公式BLOG
                                                                • [橘玲の世界投資見聞録]中国経済を待ち受ける「人口オーナス」の衝撃|橘玲の世界投資見聞録 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン

                                                                  すでに大手メディアも報じはじめたように、中国経済の減速がはっきりしてきた。もちろんどのような国も、年率10%を超えるような高度成長を何十年も続けることができるはずはないから、市場の成熟にともなってGDPの伸び率が鈍化してくるのは自然だ。 中国は改革開放政策の成功により、短期間で米国に次ぐ世界2位の“経済大国”の座に上り詰めた。だが中国には、「社会主義市場経済」という、他の先進諸国とは大きく異なる特徴がある。 2007年の世界金融危機の後、中国は4兆元にものぼる大規模な公共事業投資を行ない、グローバル市場の崩壊を救ったとされた。その一方で、アメリカやヨーロッパの“決められない政治”の弊害が誰に目にも明らかになったことから、デモクラシーと自由市場の組み合わせよりも、強力な政府が積極的な成長促進政策を行なう「管理された自由経済」の方が優れているという「北京コンセンサス」が唱えられたりもした。 し

                                                                  • 「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG

                                                                    「素晴らしきベーカムの未来」は、『生活保護の経済分析』(阿部彩・國枝繁樹・鈴木亘・林正義)のなかの、主に國枝繁樹氏の3本の論考、「公的扶助の経済理論Ⅰ:公的扶助と労働供給」(第2章)、「公的扶助の経済理論Ⅱ:公的扶助と公的年金」(第3章)および阿部彩・鈴木亘・林正義氏との共同執筆「就労支援と生活保護」(第6章)を参考にしています。 共著者を代表して林正義氏が「はしがき」で書いているように、『生活保護の経済分析』は、「貧困問題に対処する公的扶助制度の設計は経済学における最も重要な課題の一つであり、特に欧米では、公共経済学や労働経済学と呼ばれる分野において、数多くの重要な研究が蓄積されてきている」にもかかわらず、「日本の近代経済学では公的扶助(生活保護)研究が正面から取り組まれてきたとは言い難く、むしろ、関心さえも十分に持たれることはなかった」との問題意識のもとに、研究者だけでなく一般の読者に

                                                                      「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG
                                                                    • ジョージ・ソロスですら未来を知ることはできない – 橘玲 公式BLOG

                                                                      世界的に株価が大きく下落しています。 「円高と株安についての個人的感想」で「誰も未来を知ることはできない」と書きましたが、それについて、ジョージ・ソロスを例に挙げて説明した未発表の原稿があったことを思い出したのでアップします。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 「ヘッジファンドの帝王」「イングランド銀行を打ち負かした男」として知られるジョージ・ソロスは、97年のアジア通貨危機で「市場原理主義者」として批判の矢面に立たされたが、サブプライム危機が勃発した直後に書かれた警世の書『ソロスは警告する』で次のように警告した。 市場は本来不完全なものであり

                                                                        ジョージ・ソロスですら未来を知ることはできない – 橘玲 公式BLOG
                                                                      • 橋下市長は反論の相手を間違えているのではないだろうか? – 橘玲 公式BLOG

                                                                        この問題については、正直、あまり首を突っ込みたくないのだが、どうしても気になるのでひと言だけ。 橋下大阪市長は慰安婦問題について、Twitterや囲み取材で日本のメディアを批判しているが、海外メディアでの報じられ方はその比ではない。 Japanese politician calls wartime sex slaves ‘necessary’ CNN Osaka mayor says wartime sex slaves were needed to ‘maintain discipline’ in Japanese military Washington Post(AP) “Sex Slave(性奴隷)”を「必要」だと容認するのではRacistと同じになってしまう。これこそ“誤報”なのだから、橋下市長はCNNにインタビュー取材を申し入れて真意を説明し、Washington Postに反

                                                                          橋下市長は反論の相手を間違えているのではないだろうか? – 橘玲 公式BLOG
                                                                        • 作家 橘 玲さんに聞きました 「預貯金」と「年金」だけに依存するリスクに 早く気付いてほしい |from MONEYKit|MONEYKit - ソニー銀行

                                                                          『マネーロンダリング』や『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』などのベストセラーがあり、金融業界のウラもオモテも知りつくした異色の作家・橘 玲さん。 「年金とは国民が日本国に資産運用をアウトソースしているだけ」といった独自の視点にもとづく金融論は、まさに「目からウロコ」のお話ばかり。皆さんも「資産運用を始めないリスク」に気付くのではないでしょうか。(このインタビューは2010年6月29日(火)に行われました) 橘 玲(たちばな・あきら) 1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーに。2006年には『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補となる。 保守的な資産運用こそリスクが高いという皮肉 ―― 最近は多くの人が将来に不安を抱えています。そこで「資産運用」を始めてみよ

                                                                          • 来るべき時代の衝撃に備えて、国家と個人のリスクを切り離せ(『週刊ダイヤモンド』2011/10/08号) – 橘玲 公式BLOG

                                                                              来るべき時代の衝撃に備えて、国家と個人のリスクを切り離せ(『週刊ダイヤモンド』2011/10/08号) – 橘玲 公式BLOG
                                                                            • 国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題 週刊プレイボーイ連載(160) – 橘玲 公式BLOG

                                                                              朝日新聞は従軍慰安婦問題において、従来の主張を大幅に変更し、一部の記事を虚偽として取り消しました(8月5日朝刊)。この問題についてはすでに多くの(というか多すぎる)主張がありますが、これを機に争点を整理してみることは無駄ではないでしょう。 慰安婦問題の議論は大きく4つに分けられます。 軍による強制連行があったかどうかの事実問題 自らの意思に反して売春を強要された女性の人権問題 日本の戦争責任 韓国のナショナリズム 朝日新聞をはじめとする「リベラル」は、日本の戦争責任を追及する立場から「強制連行」を歴史的事実と見なしてきました。これに対して保守派は、慰安婦問題は韓国の歪んだナショナリズムが生み出した虚構で、軍による一般女性の連行などなかったと批判しました。 このように日本国内では、リベラル派と保守派はずっと事実問題で争ってきました。そして今回の朝日新聞の“転向”が象徴するように、リベラル派は

                                                                                国内の歴史論争で勝って、海外の人権で完敗した慰安婦問題 週刊プレイボーイ連載(160) – 橘玲 公式BLOG
                                                                              • 裁量労働制の議論が「日本人はバカだ」に行きつく理由 週刊プレイボーイ連載(338) – 橘玲 公式BLOG

                                                                                厚生労働省が、裁量労働制についての調査データに異常値が含まれていたとして約2割の事業所のデータを削除するそうです。全国の労働基準監督署が一般労働者と裁量労働で働く労働者の残業時間を調べたもので、これに基づいて安倍首相が、裁量労働制を導入したほうが残業時間が短くなると答弁したことが問題になりました。 厚労省は資料を開示せずに都合のいい結論を導いており、「誤ったデータに基づいて政策を決めるのはけしからん」との野党の批判はもっともです。こんな醜態をさらすことになったのは、調査や分析をすべて省内で行ない、労働経済学者など外部の専門家を排除しているからでしょう。その結果、「素人仕事」が見破られて立ち往生してしまったのです。 とはいえ、野党のいうように、いったん法案を取り下げて正しいデータを集計し直せばいいというわけではありません。裁量労働制の残業時間が一般労働者より長かったとしても、統計学的には「裁

                                                                                  裁量労働制の議論が「日本人はバカだ」に行きつく理由 週刊プレイボーイ連載(338) – 橘玲 公式BLOG
                                                                                • “おまるカレー”問題 週刊プレイボーイ連載(45) – 橘玲 公式BLOG

                                                                                  私たちはみんな、ヘビが大嫌いです。 赤ん坊に長くてにゅるにゅるしたものを見せると、怖がって泣き出します。これはサルの子どもも同じで、檻の中にヘビを入れると悲鳴をあげて逃げまわります。このことから、ヘビに対する嫌悪感は親から教えられる文化的なものではなく、進化の歴史のなかで遺伝子にあらかじめ組み込まれたプログラムだということがわかります。 進化論では、長くてにゅるにゅるしたものを警戒しない個体は、毒ヘビに咬まれてうまく子孫を残すことができなかったと考えます。なにかの偶然でヘビを嫌悪するようになった遺伝子だけが、進化の歴史を生き残ることができたのです。 同じことは排泄物にもいえます。ネコは自分のなわばりの中では排泄せず、終わったあとは後ろ足で砂をかけます。動物の多くがきれい好きなのは排泄物が病原菌を繁殖させ、病気の原因になることを(遺伝子が)知っているからで、不潔な場所で暮らす個体は進化の途中

                                                                                    “おまるカレー”問題 週刊プレイボーイ連載(45) – 橘玲 公式BLOG