寒さの厳しい二月の終わり頃、その知らせは突然やってきた。 母親から父親が息をしていないと連絡が入り私は急いで実家のある埼玉県へと向かった。 池袋駅の4番線ホームにて母親から再度電話が入った。 「お父さんはダメだった」 私は来た電車に乗れず、一本後の電車に乗って実家へと向かった。 死因はお風呂場でヒートショックを引き起こしてしまい亡くなってしまったという。 父親の死亡診断書には心不全と書かれていた。 それからすぐに葬儀が執り行なわれた。 恐らく葬儀で涙を流していなかったのは、親族の中で一人息子である私だけであっただろう。 父親は私が中学生になったあたりからひどく酒に溺れるようになり家庭は崩壊寸前だった。 暴れるは母親に暴力を振るうわで家庭内環境はひどいものであった。 父親の働いている会社の業績が悪くなり今まで出ていたボーナスも全く出なくなり、早期退職を募集するようになっていた。 今思うと父親