【北京=関泰晴】中国の胡錦濤政権は北京で4月末に開いた米中人権対話で米側の人権改善要求を拒絶し、その後も、エイズ患者の救済などに取り組む著名な人権派弁護士、李方平氏(37)を拘束するなど、中東情勢を受けた民主化要求への圧力を一段と強めている。 外交筋によると、同月27、28日の人権対話で米側は、芸術家の艾未未氏ら拘束されている中国の人権活動家や弁護士の名簿を提示し、釈放を要求。中国側は応じず、言い分は平行線のままだった。米側は、昨年、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家劉暁波氏の妻、劉霞さんに面会も求めたが、実現しなかった。 李氏は直後の29日に拘束されたが、「『米国の圧力に屈しない』という強硬姿勢を見せつける意味がある」(外交筋)との見方もある。香港メディアによると、4日、李氏の妻に本人から「釈放された」と連絡が入ったという。