一般企業の農地取得の可否を事実上の焦点に、首相官邸の政策会議で農地制度を巡る論議が本格化してきた。地域農業への取得解禁の効果が不確かな一方で、撤退後の耕作放棄や産廃置き場にされることなど、生産現場の弊害への懸念は大きい。企業の農業参入は、リース方式など現行制度を基本とすべきだ。 論議の主な場は、国家戦略特区諮問会議と規制改革推進会議。特区会議では、一般企業の農地取得について、兵庫県養父市に認めた特例の継続と全国展開を民間議員が提起。規制会議では、農地所有適格法人(農業生産法人)の要件について、農業関係者以外を2分の1未満とする議決権制限の緩和と、株式公開の容認を求める意見が出ている。農外資本が同法人の経営を支配できるようになるため、農地取得の解禁と同じである。 養父市では6社が農地を所有し、3月末で計1・64ヘクタール、経営面積の6・6%にすぎない。農地取得のニーズや、経営や地域農業への貢