問題を生む「学校の標準」、解決のカギは「インクルーシブ教育」 ──本田先生は30年以上、発達障害の人たちとその家族の支援に尽力されてきたそうですが、発達障害のお子さんの不登校の背景にはどのような学校教育の問題があるとお考えですか。 例えば、知能指数は統計学的に正規分布し、平均値から±1標準偏差の範囲内に約7割の人が収まります。おそらく今の学校教育は、この7割の子にちょうどよいカリキュラムや集団活動が設定されています。つまり、ここにフィットしない3割の子にとっては、授業が簡単すぎてつまらない、あるいは難しすぎて困るものになっているのです。 このように学校の標準が狭すぎることで一定の子どもが脱落してしまう問題は、知能に限らず、運動や社会性の発達、集中力などさまざまな面で起こっています。とくに発達障害の子にとって、今の学校の標準はフィットしにくい設計になっていると感じます。 全員に同じカリキュラ