今年6月、東京都練馬区の自宅で長男の英一郎さん(44=当時)をナイフで刺して殺害したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官、熊沢英昭被告(76)に対する被告人質問が12月12日、東京地裁(中山大行裁判長)で開かれた。 弁護人に現在の気持ちを聞かれた熊沢被告は「取り返しのつかないことをしてしまい、いまは息子の冥福を祈るしかない」と涙ながらに語った。 6月3日、練馬署から送検される熊澤英容疑者。英一郎さんと揉み合いケガをしたのか、右手には包帯が巻かれていた 逮捕当時にニュースで報じられたときと変わらぬ姿に、スーツを着て法廷に現れた熊沢被告は、証言台の前に座り、小さい声ながらも冷静な語り口でしっかりと質問に答え続けた。 事件が起きたのは6月1日の15時過ぎ。熊沢被告は長男の胸や首をナイフで刺し、失血死させた。その刺し傷は30箇所にも及んでいる。死亡後に自ら110番通報し、逮捕に至った。前日の