「内閣人事局」が2014年に創設されて以降、昇格を人質にとられた官僚側が政治家の顔色をうかがう傾向が出てきたと言われる。 日本の官僚人事は誰が決めているのか。その答えを探していくと、戦後ずっと問題になってきた政治と官僚の関係が見えてくる。「政治主導」というスローガンを人事面でも実現しようとする閣僚。彼らの意向を推し量りながら自分たちの思惑を通そうとする役人たち。外部から見れば決定のプロセスは不透明極まりない。第2次安倍晋三内閣の下、2014年に「内閣人事局」が創設されて以降、昇格を人質にとられた官僚側に政治家の顔色をうかがう傾向が出てきたとの指摘もある。 族議員や有力OBに「人事権」中央官庁の幹部人事は通常国会の閉幕後に実施されるケースが多い。6月か7月というタイミングだ。多くの省庁では事務次官や各局長といった幹部から、課長、係長まで一斉に異動する。1つのポストには長くて3年、短ければ1年