ある朝、いつものようにオフィスに出社したあなた。カードキーでドアを開け、自分の席に向かう。するとそこには、自動車工場で見かけるようなロボットアームが、何台も設置されているではないか。 さらに「彼ら」の前には、自分がいつも使っているPCが置かれている。ロボットアームは何も言わずPCに向かい、黙々と同じ動きを繰り返している。自分はメーカーの工場に迷い込んでしまったのだろうか――。 もちろんこれは作り話だが、空想は半分だけで、もう半分は本当の話だ。実はいま、「ロボット」が日本のオフィスを席捲しようとしている。ただしそれは、この話のように物理的な体を持つロボットではなく、プログラムというデジタルの姿しか持たない「ソフトウェア・ロボット」である。 産業用ロボットが扱うのは、組み立て中の自動車のような物理的な部品や製品だ。しかしソフトウェア・ロボットが扱うのは、私たちが普段オフィスで使っているような、