「どうして『ハースストーン』は日本で話題にならないんだろう」。公式大会の中継を楽しみながら、漠然と私は考えていた。 今年、2021年。『ハースストーン』の国内競技シーンのレベルは7年にわたる歴史の中で、間違いなく最高といっていいほどの段階に達している。昨年はKenta “glory” Sato選手が世界最高峰トーナメント「2020年ハースストーン世界選手権」にて優勝し、賞金約2000万円を獲得した。今年はその出場権をめぐる公式リーグ「グランドマスターズ:アジア太平洋部門」全16名のメンバーのうち5人が日本人である。加えてPosesi( Wataru Ishibashi )選手がすでに世界選手権への出場権を獲得しているという状況だ。これは日本におけるeスポーツの歴史というスケールから鑑みても、とんでもない状況にあるといえよう。だが5人全員どのeスポーツチームにも加入していないばかりか、『ハー