以下、離脱投票(今年6月23日)近辺の同紙一面見出しの数例だ。 「移民が住宅危機に火をつけた」(今年5月20日) 「移民の恐怖で離脱支持急増」(同6月14日) 「政治家が揉める間にまたトラック一杯の欧州からの難民がイギリスに」(同6月15日) 注:同紙は後日、この見出しに当初掲載されていたトラック荷台上の難民の画像が欧州ではなく、イラクやクウェートから入ってきた難民であると訂正している。 憎悪を煽ったとして問題となった最近の事例は、EU離脱手続きの開始には議会の承認が必要、との判決を下した3人の高裁判事の個人名と顔写真の下に同紙が打った「国民の敵」という見出し付きの一面である。EUからの離脱、ひいては移民流入の阻止を妨害した「悪者」を吊るし上げるような論調は、「まるで1930年代のナチス・ドイツのようだ」と読者の強い反感を買った。ソーシャルメディア上で批判が広がったほか、新聞と出版業界によ