クラシックの作曲家には、その国籍(原産地)がつきまとうことが多い。いわく「ポーランドのショパン」「ロシアのチャイコフスキー」「チェコのドヴォルザーク」「フランスのドビュッシー」「フィンランドのシベリウス」。 しかし、一方で、その出自や立ち位置に悩んだ作曲家も少なくない。例えば、ザルツブルク(オーストリア)で生まれ、イタリアを始めヨーロッパ中をあちこち旅行してまわり、パリやプラハやウィーンでも活躍したモーツァルト。チェコで生まれ、ドイツでキャリアを積み、ウィーンで活躍し、晩年はニューヨークの舞台にも立ったマーラー。ロシアに生まれ、パリ(フランス)でデビューし、アメリカに渡ったストラヴィンスキー。 もっとも、作曲家でなくても、人間と生まれて自分のアイデンティティ(自分が自分である本質)の所在に悩まなかった者はいないに違いない。 例えば、私の場合。国籍から言うと「日本人」だが、地球的な見地からす