欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、両者が中心になって検討してきた次世代赤外線天文衛星「スピカ」について、ESAの計画の最終候補から取り下げることを決めた。関係者によると欧州側のコスト超過のため。スピカは星や銀河の形成過程の解明に不可欠として、世界的に期待されてきた。赤外線天文学の研究者らは同様の衛星の実現を目指し、再検討を迫られることになった。 赤外線天文衛星「スピカ」の想像図(JAXA、スピカチーム、名古屋大学提供) スピカは2020年代末の打ち上げを目指し、日本の開発コンセプトを基本に欧州主導で検討されてきた。ESAの宇宙科学長期プログラムの中型計画での採択を目指し、推進する各国の研究者らが2016年に提案。18年5月に1次選抜で25件の提案から3件の1つに選ばれ最終候補となった。 ところが、日本の中核メンバーである名古屋大学の金田英宏教授(赤外線天文学)によ