「医療界がマリファナ――この言葉は歴史的にあまりにも印象が悪いので、私は学名のカンナビスと呼びますが――を避ける理由に、知識の欠如、偏見、新分野研究に対する意欲のなさが挙げられます。カンナビスから遠ざかっていれば、とりあえず安泰という考え方です」 こう語るのは、〈医療用マリファナ〉に特化した診療所、「カンナ・センター」(カリフォルニア州ロサンゼルス)の所長、ボニ・ゴールドスタイン医師だ。同医師は、ニュージャージー医科歯科大学大学院を卒業後、ロサンゼルス小児病院や南カリフォルニア大学病院小児科勤務を経て、2011年に「カンナ・センター」を創設した。 「8年ほど前、ある患者から、カンナビスの医療効果を問われたのを契機に科学的文献を検証しました。すると、驚くべき薬効があることがわかった。衝撃的でした。患者の質問に答えることを繰り返すうちに、評判を聞いた患者が次々と訪れて、次第にセンターに結実して