特集「半導体 次なる絶頂」の他の記事を読む ダイヤモンドに次ぐほどの硬度を誇る炭化ケイ素(SiC)。シリコン(Si)と炭素(C)が強固に結合した化合物だ。電圧の調整や電力の変換に用いられる「パワー半導体」では、このSiCが次世代の材料として注目されている。 材料となるインゴット(単結晶の塊)は、現在主流の半導体材料であるシリコンのものより長さが短い。パンケーキのような形をしているが非常に硬く、ウェハー(基板)にするために薄くスライスし表面加工する際の難易度が高い。 インゴットの精製にかかる時間も、シリコンに比べると段違いに長い。このように手間のかかる材料を用いるSiCパワー半導体が、電気自動車(EV)で採用が進んでいる。 EVのバッテリー周辺で採用 EVはバッテリーに貯めた電気だけで走るため、少しでも電力を無駄にしない構造が求められる。また、従来のEVには充電時間が長いという課題があった。
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