大阪市内の印刷会社の元従業員が高頻度で胆管がんを発症し、男性4人が死亡した問題があり、同様の事例が東京都と宮城県でも報告されていたことが11日、厚生労働省などへの取材で分かった。同省は特定の地域や事業所に限らず問題が全国的に拡大する可能性があると判断し、近く全国の事業所を対象に実態調査する方針を固めた。 この問題では、産業医科大(北九州市)の熊谷信二准教授が、印刷会社で使われた洗浄剤に含まれる有機溶剤が発症原因の可能性もあると指摘しているが、因果関係はまだはっきりしていない。同省が原因物質の特定を待たずに全国調査に乗り出すのは異例。 同省は、アスベスト(石綿)の健康被害と同様に問題が拡大する可能性もあるとみている。 一方、大阪市の印刷会社では、動物実験で発がん性が指摘されている「1、2ジクロロプロパン」と「ジクロロメタン」を多量に含む洗浄剤が約10年前まで使われていたが、従業員に防毒マスク