登山医学会理事増山茂医師、堀井昌子医師からの提言 3月11日に東北地方を中心に発生した巨大地震は未曽有の災害となった。震災後に発生する可能性のある感染症について簡単に説明する。 地震や津波の直後は、外傷が問題となる。倒壊流出した家屋や車両などによる。この傷口から侵入する感染症にまずは注意が必要である。こうした感染症は傷をこまめに消毒すること、抗菌薬で対処することで治療可能なものが多いが、「汚れた水」しか得られないことも多いはずだ。完全な消毒は難しいという前提で対処しよう。 「汚れた水」が明らかに生活排水を含んでいると思われるときは煮沸の手段がない限り飲まない。緊急避難的に化学的な消毒の方法があり、手法としては、水1リットルに塩素剤(次亜塩素酸ナトリウム6%の製品。「ピューラックス」)を3滴入れ、よくかきまぜる。30分ほど放置してから使う。消毒した水はその旨表示して飲料のみに使用する。ノロウ