[東京 22日 ロイター] 東京電力9501.T福島第1原子力発電所の事故を契機に浮上した電力改革の機運が後退している。地域独占から競争市場への転換を促す「発送電分離」は政府が検討課題と位置付けているが、与党民主党の有力議員からは否定的な見解も聞かれる。 分離を主張した菅直人首相の退陣後に検討が進むかどうかは不透明で、短期決戦と伝えられている今月末の民主党代表選でも踏み込んだ分離議論を期待するのは難しそうだ。 また、発送電分離という制度改革を実現しても、電力会社に対抗できる力を備えた国内資本が見当たらないとの見方もある。10年ぶりに俎上に上った改革議論に現実味を持たせるには、かつて米エクソンモービルXOM.Nが計画し、電力自由化の起爆剤になるとみられたサハリンからのガスパイプラインの敷設のような骨太のインフラ構想を制度面と並行して推進する必要があると指摘する専門家もいる。 <市場メカニズム