世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は12日、ディーゼルエンジンの排出ガスについて「発がん性がある」と認定したと発表した。これまでの「おそらくある」から1段階引き上げ、明確な関連性が認められる最も危険な分類とした。 フランス・リヨンで12日まで開いた作業部会で、専門家が全会一致で決めた。アスベストやヒ素と同じ分類になる。部会のクリストフ・ポルティエ委員長は声明で「説得力のある科学的根拠がある。ディーゼルの排ガスは人間に肺がんを引き起こすと結論づけた」と述べた。 ディーゼルの排ガスに含まれるすす成分は、粒子状物質(PM)と呼ばれ、発がん性が指摘されてきたものだ。そこで欧州諸国ではディーゼル車の排ガス基準を強化し、自動車メーカーもPM排出の少ない新型エンジンを開発。「クリーンディーゼル」として定着している。 だが、IARCは「(PMの減少が)直ちに健康にどう影響するのかは