男女関係というのは奇妙である。 もともと他の生物との競争に打ち勝ち、DNAの劣化から子孫を守るために男女、つまりオスとメスの区別ができた。 メスという生物は「完備した性」であり、オスは「優れた子孫を残すための臨時の性」である。 両性が分かれた頃の生物を観測すると、「豊かで平穏な時にはオスはいらず、メスだけで子孫を作っていく(単性生殖)」のだが、「食糧不足になったり、危機が訪れるとセックスによって子供を作る(両性生殖)」という傾向がある。 人間で言えば、好きな相手がいなければ女性は自分一人で子供を産む。好きな相手に恵まれれば結婚して子供を作るという具合だ。 そして一人で生むと、自分とそっくりの子供ができるが、少しDNAが劣化しているので、どこか体の調子が悪い子供になる。 それも母親としては切ないだろう。 そうなると、一番良いのはメスが子供を産みたくなったら、「臨時」にオスを探して優れたDNA