能動態でも受動態でもない、「中動態」という耳慣れない言葉がにわかに注目を集めている。哲学なのか言語学なのか、はるか昔にあって実は今もあるという、古くて新しい「態」のカタチ。その「中動態」が、もしかしたら私たちの社会通念や経済システムすら根幹からひっくり返す可能性さえ秘めているという……。 哲学者の國分功一郎氏がこの春上梓した、『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)は刊行直後から話題となり、すぐに重版も決まった。本号では、この『中動態の世界』について特集する。第一部(一・二面)は、五月一〇日に代官山蔦屋書店で開催された、社会学者の大澤真幸氏との初顔合わせのトークイベント「中動態と自由」を、第二部(三面)では、四月二一日に荻窪・Titleで開催された國分功一郎氏による講演の模様をレポートする。 (編集部) ――トークイベントでは、私たちが思考を語る上で欠かせない言葉、あるいは言葉によ
![特集「中動態の世界」 第一部 國分功一郎×大澤真幸「中動態と自由」(代官山蔦屋書店) 『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)刊行記念|書評専門紙「週刊読書人ウェブ」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9131affa1570a8fc7628a6c781adbbf322395a94/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fdokushojin.com%2Fimg%2Fitem%2Farticle1580_1.jpg)