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  • 喧嘩する上司の見守りかた - レジデント初期研修用資料

    どんな組織でもたぶん、問題に対してチームが一丸となって当たる時期と、お互いが功を取り、過失を押しつけあう分裂の時期とがある。 問題が大きな状況においては、どれだけ仲の悪い人たちも団結する。そうでないと、自分たちが問題にわれてしまうから。成功が見えてくると、今度は誰が功を取るのか、お互いに裏切るタイミングを探りはじめる。 利害が完全に一致するなら、チームにはそもそも団結の必要がない。あえて「団結」というプロセスを経るのなら、そこには当然利害の対立があって、成功には、「功」の部分と「失」の部分とが入り交じる。問題の解決が近づくにつれて、チームの和は、どうしたって遠のいていく。 上司の喧嘩は、だからしばしば成功が近い徴候でもあるのだけれど、問題の大きさに上司が屈して、問題解決そっちのけで、責任の被せ合いになっていることがまれにあって、これがおっかない。 ニュースでは、 政府が東電を叩き、保安院

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    sadadad54 2011/03/29
    大きくなりすぎた責任を、もはや引き受けられなくなった上層部の人たちが、お互いに必死になってそれを押しつけあっている
  • 相手から見える風景を想像する - レジデント初期研修用資料

    誰かを説得しようと試みるときには、その人から見える風景の中にあるものを使った説明を行わないと、成功しない。 同じものを見ていても、見えかたは人ごとに全く異なる。その人が物事をどう見ているのか、それを想像して、その人から見えた風景を材料にして論を作ると、説得はうまくいく。 夜中の紹介が増えた もう昔からのことだけれど、18時も過ぎた当直時間帯に、「2ヶ月前から欲がありません。入院をお願いします」という依頼が、毎日のように近隣老健施設から寄せられる。 入院を決定すると、たくさんの書類を書く必要があって、人手がかかる。当直時間帯は病院に人はいないし、真夜中に、急な入院で動転しているご家族に、当直帯の忙しい中、丁寧な説明に割ける時間は少ない。たとえそれが2ヶ月前からの症状でも、受ける側はやっぱり、大変な騒ぎになってしまう。 こういうのは、「2ヶ月前」のどこか日中で連れてきてくれれば済むことなのだ

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    sadadad54 2011/03/24
    どれだけ見事な論を組んだところで、見えない何かがそこにあれば、「ずるい」としか認識されない。
  • 「何でも」は止めたほうがいい - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 「何でも」は止めたほうがいい 炊事のロジスティクス 理不尽にやると上手くいく リストに載らないパラメーターについて 呼び出しの作法について 縁は人を動かす リーダーシップの軸足 集まりや盛り上がりを支えるもの 希望を捨てて覚悟する 謝罪と誠意について Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 炊事のロジスティクス 03/02 tmurataの日記 03/02 hrkt0115311の日記 理不尽にやると上手くいく 02/27 理

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    sadadad54 2011/03/04
    「できない」を獲得すること
  • 炊事のロジスティクス - レジデント初期研修用資料

    大学時代の6年間、そもそも外できるところがない田舎だったから、ずっと自炊をしていたけれど、今から思うと、あれは自炊ができていたとは言えなかった。 冷蔵庫にあるものを眺めて、とりあえずべられる何かを作る、あるいは料理を眺めて、材料を揃えて何かを作ることならば、当時の自分にだってできていた。ところが気がついたら冷蔵庫は空っぽだったり、料理を眺めて、材料をそれから買い出しに行く必要があったり、そうした遠回りは、6年間変えられなかった。 「できる」の深度 そこにある材料で、一人分のご飯を作れる人は珍しくない。1年間を通じて、そこそこバランスのとれた事を作れるだけの材料を、常に「そこ」に準備しておける人はほとんどいない。 手段が容易であることは、運用が容易であることを意味しない。手段にどれだけ通じたところで、運用の考えかたは、もしかしたら出てこない。 映画では、スタローンやシュワルツェ

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    sadadad54 2011/03/02
    陸軍士官学校の教科書みたいな雰囲気の、「そもそも」論から説くような料理の本
  • 理不尽にやると上手くいく - レジデント初期研修用資料

    ちょっと前、「ジューサーの中に金魚を入れる」という現代美術の展示があった。 ジューサーの中に金魚と水が入っていて、スイッチだけリモコンで、観客の側に置かれる。観客は誰もがそのスイッチを押すことができるようになっていて、「いつでも金魚を殺せる」という、その感覚が展示になっていた。 金魚の寿命を延ばすもの この展示で、実際にボタンを押せた人はたぶんいないのだろうけれど、これをたとえば、ジューサーに入れた金魚をインターネットで公開して、ネットの向こう側にいる誰もが、匿名のままそのボタンをクリックできるようにしておくと、誰かがボタンを押してしまう。多数決ルールを導入して、「ボタンを押した人が累計で10人を超えたら、ジューサーの電源が入ります」という看板を出しておくと、ボタンが押される閾値はますます下がる。 匿名ルールを廃して、たとえばTwitter のような、押した人をある程度トレースできるメディ

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    sadadad54 2011/02/28
    自制は落としどころとしての常識を生み出していく。
  • 呼び出しの作法について - レジデント初期研修用資料

    もともと認知症があったりして、夜中に不穏になって、大声を出したり、点滴を引き抜いてしまったり、ひどいときには点滴棒を振り回したり、病棟の人員ではどうしても手に負えなくて、夜中にご家族をコールせざるを得ない機会が時々ある。 こんなときに、「○○さんの認知症が厳しすぎて病棟が大変なことになっています。今すぐ病院に来て、患者さんに付き添って下さい」という言葉で用件を伝えると、正しいことを言っているにもかかわらず、トラブルになる可能性が高くなってしまう。 目線が変わると見えかたは違う 白衣の威光効果はすごいから、たいていの場合は、ご家族の側から「迷惑をかけてすいません」なんて切り出されて、話は丸く収まるのだけれど、ご家族が実際に病院にやってきても、「ちゃんと話の分かる人ですから、よく言い聞かせれば大丈夫です」と怒られたり、あるいは「病棟が混乱しているのなら、専属のスタッフを誰か付ければそれでいいで

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    sadadad54 2011/02/21
    「敵の言葉」は響かない
  • 縁は人を動かす - レジデント初期研修用資料

    近所のショッピングモールは、ワンフロア全部が子供服になっている。そもそも子供が少ない地域で、ショッピングモールを歩いている人の顔ぶれを眺めたところで、子供はそんなに多くない。人口構成と、お店の数とは明らかにバランスが取れていないのに、大人向けの商品を扱うお店は時々潰れて、子供服売り場は、それなりの賑わいを続けている。 人の動かしかたについて。 考える人の財布は固い 物の価値をよく考えてお金を使う人からは、お金が取れない。よしんばそういう人が、何かの商品に価値を見出したとして、考える人たちは、価値に見合ったお金を支払おうとするから、利幅は少なく、商売は続けられない。 「よく考える人」というのは、商売の相手としても、あるいは選挙活動みたいなものであっても、「おいしくない」相手ではあるけれど、たぶんお金それ自体はけっこう持っている。こういう人からお金を引っ張ろうと思ったならば、その人に接続された

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    sadadad54 2011/02/18
    転職上等のハリウッドスタイルと、人の振る舞いを縁で縛り上げる昔ながらのスタイルと、片方だけが正解、というわけではない
  • 集まりや盛り上がりを支えるもの - レジデント初期研修用資料

    エジプトの市民革命は、ピーク時には数万人もの人々が広場に集まって、集会は20日間近く続いて、大統領を退陣に追い込んだ。 ああいう大きな人の流れは、もちろん政府当局に対する市民の怒りがあったのだろうけれど、あれは「数万人規模の人々を20日間、広場で生活してもらう」という、イベント運営の側面もあって、兵站や補給の側面から今回の革命を見直すと、とてもよく考えられていたなと思う。 エジプトのデモ広場を案内する記事を見ると、水場やトイレどころか、病院から幼稚園まで準備されていた。テレビで放映されたデモの映像には、人々が集まった真ん中に正円形のテント村が写っていて、集まった人がなんとなく作ったものにしてはずいぶん整った形をしていたのだけれど、実際に現場で行われていたことは、想像をはるかに超えていた。 べて休まないと動けない 学生時代に手伝い要員として参加したイベントでは、集まった学生を「生活させる」

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    sadadad54 2011/02/15
    運営する能力を持った誰かを持たない人の集まりは、「革命」でなく「暴動」になってしまう。
  • 希望を捨てて覚悟する - レジデント初期研修用資料

    何年たっても、当直業務というものはやっぱり怖い。研修医だった頃、平然と業務をこなす上の人たちを見て、自分もいつかああなれると信じていたのだけれど、怖いものはやっぱり怖くて、年次を重ねて、恐怖はむしろいや増した。 希望を捨てることについて。 尋問には希望が必要 戦争で捕虜になった人を尋問するときだとか、あるいは刑事事件で容疑者を尋問するときもたぶん同じだろうけれど、尋問や拷問のような手法を使うときには、何らかの希望を見せながらでないと、効果がなくなってしまうのだという。 それが尋問であれば、相手をどれだけ執拗に問い詰めたところで、話したところで状況が変わらないのなら、尋問を受ける側には意味がない。尋問を行うときには、まずは「答えてくれればこんなところからさっさと抜け出せますよ」とか、「早く帰って、子供さんと一緒に話がしたいですよね」だとか、そこから抜け出せる可能性をまず提示して、手を伸ばせば

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    sadadad54 2011/02/14
    漠然とした心配のこと
  • 新刊のお知らせ - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 新刊のお知らせ 嫌われる相手のことを考える 不自由さが新機能の土台になる が出ることになりました 作った人の顔を見てみたい 相手に刺される想像力 無難の伝えかた 「ロバスト性」メモ マスターアップしました 努力には正しい方向がある Recent Comments このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 12/29 元傍観者 12/29 medtoolz 12/29 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 嫌われる相手のことを考える 01/20 嫌われる相手のことを考える –... 不自由さが新機能の土台になる 01/19 不自由さが新機能の土台になる ̵..

  • 否定の深度について - レジデント初期研修用資料

    「いい仕事してますねぇ」の、「なんでも鑑定団」に出てくる鑑定人、中島誠之助の語りが素晴らしいと思う。いかがわしさと人当たりのよさと、矛盾が見事に同居しているようなあの話芸は、出品されたものが「贋作」であったときに、出品者を否定するときに威力を発揮しているように思える。 欠けているものと過剰なもの 鑑定を依頼された何かが「偽物」であったときには、鑑定人の人たちはたいてい、「これは物ではありません」と、冒頭に宣言する。宣言したあと、「依頼品にはこの要素が欠けています」と、物に比べて、足りないものを指摘する。やりかたとして、これは全く間違っていないけれど、鑑定を依頼した人は、「欠けている」その依頼品を嫌いになってしまう。 中島誠之助が偽物を鑑定するときには、「もしも」から入る。 「もしも物だったら」で語りをはじめて、それが素晴らしい価値を持つこと、当時人気があったこと、現存していればすごい

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    sadadad54 2011/02/01
    決まり文句には伏線がある
  • 理念とは卑怯の提案 - レジデント初期研修用資料

    30年以上も昔、担任の先生が産休に入って、代打要員として、音楽の先生が県から派遣されてきた。ちょうどその頃、県の音楽コンクールが重なっていて、「どうせでるなら勝ちましょう」なんて、いろんなことを教わった。 柔らかい音を出す 「トライアングルを柔らかく鳴らしましょう」というのが、演奏の課題として取りあげられていた。 どれだけの感情を込めたところで、あれだけシンプルな楽器を「柔らかく」鳴らす術は分からなかったのだけれど、その先生は、「柔らかいとは、紐の根を固く持つことだ」なんて教えてくれた。「柔らかい」というのは、要するに響きの減衰が早いことと同義であって、トライアングルを吊っている持ち紐の、トライアングルに一番近い場所を固く握ることで、音は「柔らかく」鳴るのだと。 縦笛を鳴らす人は、パートが終わった瞬間に両手を膝の上に置くときれいに見えること。シンバルを叩く人は、叩いたあとでシンバルごと「

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    sadadad54 2011/01/24
    「自由にやりなさい」よりは、たぶん子供は半歩だけ前に進める。
  • 嫌われる相手のことを考える - レジデント初期研修用資料

    製品の開発であっても、サービスであっても、何か新しいものを作るときには、誰かに好かれるようなものよりも、むしろ誰かに嫌われるようなものを探していくと面白いような気がする。 大手からシェアを奪いに行くときには、どこかに「敵」を設定すると上手くいくのだという。大昔のペプシは、「ペプシジェネレーション」というキャンペーンを行って、高齢の世代を「敵」であると定義した。ペプシジェネレーションは若さの象徴になって、ペプシは高齢の世代から嫌われて、その代わり、若い世代と、「まだまだ若い」人たちからの支持を勝ち取った。 嫌われている人に学ぶ 誰かから「嫌われている人」を探して、その人から学ぶといいのだと思う。 どの世代からも支持されるような人はたくさんいるけれど、そういう人からは学べない。あの人たちは、単に「素晴らしい人物」だから支持されているだけで、そこから何かを学ぼうとしたところで、「世の中には、すご

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    sadadad54 2011/01/21
    敵に信頼されるには敵を作らないといけない
  • 本が出ることになりました - レジデント初期研修用資料

    昔話 まだまだ駆け出しだった大昔、院から派遣された僻地の病院で、患者さんを「追い出す」役割を仰せつかったことがあります。 80歳をずいぶん過ぎた糖尿病の患者さんで、血糖管理も素行も悪くて、夜になると居酒屋さんに飲みに行ったり、インスリンの量を勝手に変えてみたり、病棟でたばこを吸ったり、とにかく「問題が多い人」という評判でした。 看護師さんたちから「手に負えないから退院を促してくれませんか」とけしかけられて、ろくに事実関係も調べないまま、「不良」患者さんを追い出すために、「白衣を着た保安官」になった気分で病室に乗り込んで、このときは「勝てる」だなんて、当然のように思っていました。 「あなたは約束を守らないし、糖尿病のコントロールもいいかげんだし、入院していても良くならないから、あとは外来でやりましょう」なんて、丁寧に、それでも決然とした口調を意識しながら、自分よりもはるかに年上の患者さんを

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    sadadad54 2011/01/18
    いろんな人と穏やかに会話したい
  • 作った人の顔を見てみたい - レジデント初期研修用資料

    ソニーが新しいAndroid 携帯を発表して、開発者の人が、インタビューに答えていた。 「特徴を教えて下さい」という質問に対して、開発者は「デザインにあると思います」と答えていて、これは何か違うような気がした。 作った人の自慢話が聞きたい 新しい携帯電話はたしかにきれいなデザインで、薄く作られていて、全体が弓のように反っていて、デザインは特徴的なのだけれど、 特徴が「デザインにあると思います」という答えかたは、エンジニアの言葉ではないような気がした。 エンジニアはそれを作った人なのだから、発表を行ったその時には、まずはユーザーに向かって「こう使ってほしい」という言葉が聞きたかった。 それは「注文」であって「特徴」ではないけれど、特徴というものは、目的だとか、ユーザーへの注文抜きの、単独で語られてしまうと、 どこか他人行儀に聞こえてしまう。エンジニアは、これから発売される製品にとっての「一番

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    sadadad54 2011/01/12
    「使いやすいデザインを目指した」製品というのは、むしろ使いにくい可能性が高い。
  • 相手に刺される想像力 - レジデント初期研修用資料

    円滑な、最高には遠いかもしれないけれど、少なくとも無難ではある、「お互いに半歩だけ下がって、 丁寧語で当たり障りのない会話をする」関係というものは、人間関係の万能解なのだと思う。 こうした関係を作るために欠かせないのが「相手に刺されるかもしれない」という想像力であって、 お互いがこうした想像力を持ちながら、健全な相互不信を続けていければ、人間関係に関するトラブルは、恐らくはずいぶん減るんじゃないかと思う。 変な台がある 世の中ではしばしば、強い側に立った人が、目の前にいる「弱い人」に対して、ひどく横柄に振る舞う。 下手すると、相手のほうが年上で、体格もよかったりするのに、立場の強い側に立った人は、 「あとからこの人に殴られるかもしれない」という可能性をしばしば無視して、必要以上に横柄になる。 弱い側の人もまた、同じ人間である以上、横柄な相手をぶん殴ることは決して難しいことではないのに、

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    sadadad54 2011/01/11
    核の傘を彷彿とさせます。
  • 無難の伝えかた - レジデント初期研修用資料

    「無難」というものは、「最高」の劣化コピーなんかではなく、来は学びの目標そのものであって、「最高」というものは、 言わばくじ引きの結果として、運がよければあとから付いてくるものなのだと思う。 無難は難しい あきらめを前提とした「最高」を、目標として教えることは簡単だけれど、誰にでもできる「無難」を教えられる人は、 実はとても少ないのではないかと思う。 それが「最高」ならば、経験した範囲でのベストケースを一つ持ってきて、入門してきた人に「俺にだってたどり着けなかった」なんて、 胸をはってあきらめてみせればそれで済むけれど、無難を伝えるということは、無数にあるケースが作った群れの中心を 教えることに他ならないから、群れ全体を知った上で、群れ全体を見渡せるような人でないと、そもそも「無難のありか」が分からない。 最高の周辺、群れの最先端は、誰もがそこを目指すから、場所の特定を行いやすい。無難の

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    sadadad54 2011/01/10
    失敗から無難を見つける
  • 食器洗い機とオーブンレンジを一体にしてほしい - レジデント初期研修用資料

    単なる合体ではなくて、全自動洗濯機みたいに、同じ空間を違った目的に利用できるようなやりかたで。 レンジの掃除は面倒 オーブンレンジがあると、料理はたしかに便利になって、焼き物なんかはいかにもおいしそうに仕上がる。 あれはたしかに「いいな」と思うんだけれど、その反面、料理を終えたオーブンレンジは油汚れがどうしてもあって、 あれを洗うのはなかなかに大変そうで、結局フライパンに戻ってしまう。 ガスレンジを買うと、最近のはたいてい、真ん中にグリルが付いてくる。 ガスレンジのグリルはとても巧妙に設計されているらしくて、メーカーの人にいわせれば、あれを使って鳥を焼いたら、 他の調理器具はちょっと考えられないと勧められたのだけれど、それをやったあと、グリルを掃除するのが当に大変。 グリルで鳥を焼くと、たしかにきれいに焼けるんだけれど、グリルというのは、言ってみれば小さなガスコンロをトンネル状に並べたも

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    sadadad54 2010/12/28
    「はじめ」と「終わり」とを結びつける機械を想像するのは、けっこういろいろ見えてきて面白いと思う。
  • 道徳とルールの間 - レジデント初期研修用資料

    少し前、警察の任意取り調べにおける録音は、是か非か? という議論が話題になっていた。 法律家の卵(?)の人が、取り調べの現場に録音機を導入することの弊害を説いて、「そんなことはない」という突っ込みを受けて、 ちょっと盛り上がっていた。 道徳とルールには溝がある 世の中にはたぶん、「道徳」が好きな人と「ルール」が好きな人とがいて、両方とも、同じところを目指しているわりに、お互いの溝はけっこう深い。 くだんの議論で録音機の弊害を説いていた方は、恐らくは正義感が強い人であって、録音機という、「人間は必ず嘘をつく」ということが半ば前提になっている機械を 仕事場に持ち込むことに対して、嫌悪感みたいなものを持っているのだと思う。 一方で、録音機というものは、米国司法の現場であったり、「言った言わない」が問題になる仕事の現場では、もはや当たり前のように用いられている 道具でもあって、どんな業界であっても

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    sadadad54 2010/12/27
  • アンケート2つ - レジデント初期研修用資料

    病院 うちの施設に勤務する栄養士の人たちが、退院する患者さんに献立のアンケートを取っていた。 「病院の事はどんなものがよかったですか?」みたいな、無難な文面のアンケートに記入をお願いして、年末にそれをまとめていたけれど、病院独特の、いかにも病院という味付けや献立というものは、あるいはこうしたアンケートが作り出したのかな、などと考えた。 アンケートを書くのは「退院する人」であって、入院したばかりの人は、もちろんそれどころじゃないから、方法論として、ここはしょうがない。 ところが退院する人に漠然としたアンケートをお願いすると、恐らくは「自分がべたかったもの」よりも、むしろ「病人はどういうものをべるべきなのか」を書いてしまいがちになる。その人はこれから退院するのだから、当にべたいものは、これからべに行くのだろうし。 アンケートというやりかたは、だから「入院中の事はどのようなも

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    sadadad54 2010/12/17