取調べに際しては、黙秘権が告知されます。私は、弁護人として無実・無罪を争う事件を受任した場合は、公安事件は当然のこととして一般事件でも黙秘を弁護人として方針とします。 「え~、黙秘ってなんか後ろめたい、みたいじゃないですかあ?なんか言えないことがあるみたいで」と、さる「時の人」である被疑者に言われたことがあります。たぶん、これが一般的な「黙秘」という発想のイメージでしょう。 黙秘というのは、一つの姿勢であり、それは、権力に対する徹底的な懐疑からなりたつ思想・姿勢です。黙秘は後ろめたい、という「健全な」発想は、やはり権力によるキャンペーンというか洗脳のなせるワザだと思いますが、「話せば権力にもわかってもらえる」という、いわば「甘い」「善意」の発想につけ込んで、黙秘は特殊なこと、後ろめたいこと、弁護士にたらしこまれたコスイこと、という発想が蔓延しているのだと思います。 そのパブリックな存在であ