精神障害者からの暴力に悩む家族を、どう支えていくべきか――。ポイントや注意点をまとめた冊子を、東京大大学院の蔭山正子助教(地域看護学)らが作った。社会から孤立し、追い詰められた家族が悲惨な事件を起こしてしまうケースが相次ぐ。タブー視されがちだった問題に目を向けてもらうことで、地域での支援につなげてもらうのが狙いだ。 冊子タイトルは「精神障がい者の家族が受ける暴力 私たち支援者が向き合うべきこと」。蔭山助教によると、精神障害者と家族への暴力の問題は研究があまりなく、支援者からも「どうサポートすべきかわからない」という声があったという。約5千冊を刷り、昨年12月から全国の保健所などに送り始めた。 暴力にさらされている家族は、そのトラウマでうつ状態になっているケースもある。医療機関などに相談に行っても混乱してうまく話せず、「困った家族」とレッテルを貼られてしまうことも。結果、ますます社会から孤立