徳島県徳島市で、地域交通の担い手であるタクシー事業者の人手不足をテクノロジーで支援しているのは2016年1月に創業した株式会社、電脳交通である。 電脳交通のCTOであり、Code for Tokushima代表、株式会社GTラボ代表などを務めるエンジニアの坂東勇気氏は、地元・徳島市で参加したアイデアソンをきっかけに地方におけるタクシー会社の苦境を知った。 「タクシー会社に勤務する運転手が高齢化したり退職したりと人手不足が慢性化していた。廃業すれば地域交通に支障が出る。その中で、ITで解決できそうな課題があると地元タクシー会社の経営者から相談があった。地方でタクシーを利用するのは高齢者が多い。配車依頼は電話がほとんどだった。タクシー事業者のコールセンターは24時間稼働で負担が大きい。この部分をITで解決できればタクシー会社と地域交通を守れると考え、エンジニアとして支援を引き受けた」(坂東氏)
改札口から跨線橋を渡ってホームへ、あるいは地上から高架上や地下の駅へ……と、鉄道を利用する際に避けられないことが多いのが「段差」だ。日ごろ「面倒だなあ」と思いながら昇り降りしている階段も、高齢者や障がい者にとっては単なる「面倒」ではなく、鉄道を利用する上で大きなハードルとなる。 公共施設のバリアフリー化が叫ばれる現在、駅の段差解消はどの程度進んでいるのだろうか。国は2020年度までに、1日当たりの平均利用者数が3000人以上の駅について、原則として全てバリアフリー化(段差の解消)することを目標としている。2020年開催の東京五輪や、高齢化社会の進展によって重要度を増してきている駅のバリアフリー化だが、段差の解消は少しずつとはいえ前進してきている。 大手私鉄は6社が目標達成へ たとえば西武鉄道は先日、新宿線の中井駅(東京都新宿区)で6月5日から改札口を地下に移設するとともに、エレベーターとエ
国土交通省はこのほど、観光施設や宿泊施設の高齢者・外国人対応の充実度を自己評価できる「観光地バリアフリー評価ツール」を発表した。 評価ツールは表計算ソフトで利用できるチェックシートになっており、マルバツ形式で回答をすると点数やグラフで評価結果が表示されるもの。 施設分類として、観光施設、飲食施設、宿泊施設、交通アクセス、観光案内所、観光エリア内での案内情報、地区間の連携の7種類を設定。それぞれの分類について、設備面や掲示、人的対応などの視点から10~25個ほどの評価項目が用意されている。施設単独で利用できるだけでなく、複数の施設をもつ自治体などがそれぞれの評価を踏まえた「総合評価結果」を得ることができるのも特徴だ。 以下は、総合評価結果の例。 国交省「観光地バリアフリー評価ツール」より今回のツール提供は、国土交通省における「インバウンド4000万人時代」に向けた取り組みの一環だ。ツールの開
全国の鉄道事業者のうち、統合失調症などの精神障害者向けの割引運賃を設けているのは3分の1にとどまっている。身体障害者と知的障害者はすべて割引運賃の対象だが、精神障害者については対応がバラバラだ。当事者の家族でつくる全国精神保健福祉会連合会の調査でわかった。 調査は昨年12月から今年2月にかけて、電車やモノレールを運行する157事業者を対象に聞き取るなどして実施。精神障害者への運賃割引をしていたのは52事業者(33%)だった。 同連合会は、精神障害者も対象に含めるよう事業者に要請。これに対し、事業者側は「割引の対象を広げれば、その分は一般の乗客に料金負担をお願いすることになる。社会的理解を得るのは難しい」などと説明しているという。 国土交通省によると、身体障害… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みい
米カリフォルニア州メンロパークにあるフェイスブック本社の敷地内に掲げられた「いいね!」の看板(2012年5月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/ROBYN BECK 【4月5日 AFP】米交流サイト(SNS)大手のフェイスブック(Facebook)は4日、視覚障害者でも投稿された写真を楽しめるように、人工知能(AI)を活用して写真を音声で説明する新サービスの試験運用を開始した。 フェイスブックが導入したのは、被写体を認識し、読み上げて説明する機械学習技術。 ユーザー補助の専門家で、電子工学を学んでいた大学時代に視力を失ったマット・キング(Matt King)氏は「フェイスブックはますます視覚的な経験になってきているので、われわれが開発した自動代替テキスト技術によって、視覚障害の人も一般人と同じようにフェイスブックを利用できるようになることを願っている」と述べた。 新機能の試験運用は、米ア
鉄道やバスなど公共交通運賃の割引制度を精神障害者にも適用するよう求める声が強まっている。すべての公共交通事業者が身体、知的障害者に割引制度を設けているが、精神障害者にも適用しているのは4割程度にとどまる。精神疾患による発作やパニックなどで車の運転ができない障害者は、就労が困難なうえに通院などのため交通機関が欠かせない。そうした中、「障害者差別解消法」が今月施行され、当事者らは政治判断にも期待する。【青木絵美】 5年ほど前にてんかんと診断され、精神障害者保健福祉手帳を取得した福岡市の男性(34)は、てんかん患者などの運転免許取得に条件を設ける2年前の道路交通法改正で主治医から指導を受け、運転をやめた。自営業の父を手伝い、障害年金と合わせた収入は月約10万円。医療費の自己負担は毎月最大2万円あり、通院・通勤のための月2万円近い交通費が重くのしかかる。 この記事は有料記事です。 残り1167文字
「ピーシートーカー」を開発した「高知システム開発」の横田さん(左)と宇賀さん=高知市吉田町で、最上和喜撮影 高知システム開発 ソフト開発会社「高知システム開発」(高知市、大田博志社長)は視覚障害者が健常者と同様にパソコンを使えるよう補助するソフトウエアを開発している。同社の主力製品で、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」読み上げソフト「PC−Talker(ピーシートーカー)」は1月、高知県地場産業奨励賞に輝いた。 最初のピーシートーカーは1998年発売。音声化や文字変換の基本的な技術は、日本初の視覚障害者用ワープロとして県立盲学校などの依頼を受けて84年に開発した「AOK点字入力音声出力ワープロ」を引き継ぎ、ウィンドウズのバージョンアップに合わせてシステムを更新してきた。滑らかな読み上げや使いやすさが高く評価されており、全国で約8割のシェアを誇る。 この記事は有料記事で
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