元東大学長の森亘氏死去 病理学で業績 2012年4月2日 20:11 カテゴリー:科学・環境 死去した森亘氏(元東京大学長) 肝臓病や脳が分泌するホルモンの研究で知られる病理学者の森亘(もり・わたる)元東京大学長が1日午前5時34分、肺炎のため東京都文京区の東大病院で死去した。86歳。東京都出身。告別式は5日正午から文京区大塚5の40の1、護国寺桂昌殿で。喪主は孫の圭太(けいた)氏。 1951年に東大医学部を卒業。東京医科歯科大教授、東大教授などを経て85年から89年まで東大学長を務めた。病理学の分野で独創的な研究を行い、劇症肝炎の肝細胞出血壊死の過程に、生体の免疫の過敏反応が関与することを明らかにしたほか、脳が分泌するメラトニンの発見にも貢献した。
育て獣医師“薩長同盟” 鹿大、山大「共同学部」発足 2012年4月1日 10:05 カテゴリー:文化 九州 > 鹿児島 鹿児島大に設置された遠隔授業システム。起動すると、山口大の教室内が大画面(左)に映し出された=3月22日 鹿児島大と山口大は1日付で、同じ教育課程で獣医師を育てる「共同獣医学部」を新設する。両大学をインターネット回線で結ぶ遠隔授業によって少ない教員を補完し合う、全国初の試みだ。背景には、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)といった大規模な感染症への対応から、食の安全確保まで、近年の獣医師の役割増大がある。“薩長同盟”で互いの強みを生かし、世界に通じる獣医学教育を目指す。 鹿児島市の鹿児島大。「最新鋭の機材をそろえた」。そう語る担当者に案内された教室には、ハイビジョンの大画面や電子黒板が並ぶ。 鹿大が導入した遠隔授業システムだ。直線で約300キロ離れた山口市の山口大との間
九大に「素粒子研究班」 2012年3月15日 01:06 カテゴリー:科学・環境 九州 > 福岡 九州大学は14日、理学研究院に「素粒子・原子核研究特区」と称する研究グループをつくると発表した。4月に発足し、物質を構成する最小単位である素粒子の世界的研究拠点を目指す。宇宙誕生の謎を調べる大型直線加速器「国際リニアコライダー」(ILC)を福岡、佐賀県境の脊振山系に誘致する中心的な存在にしたいという。 素粒子や原子核の研究で理論系と実験系の連携を強化し、この分野の研究者を3人増やす。大規模な国際共同研究への参加をにらみ、さらなる人材集中や優秀な若手研究者の登用、将来のセンター化も検討している。 ILCは、宇宙誕生時の大爆発ビッグバン直後の状態を再現し、発生する素粒子を観測する実験装置。脊振山系は国内の有力な候補地とされ、福岡、佐賀両県の産学官が誘致に力を入れる。荒殿誠・理学研究院長は「地元
九大でヒ素約15グラム紛失 100人分の致死量 福岡東署が窃盗容疑で捜査 2011年10月6日 12:16 カテゴリー:九州 > 福岡 社会 九州大は6日、福岡市東区箱崎6丁目にある生物環境利用推進センター(松岡健センター長)の実験室でヒ素化合物15・06グラムを紛失したと発表した。成人約100人分の致死量に当たる。福岡東署は盗まれた疑いがあるとみて捜査を始めた。 九大によると、准教授の男性(47)が9月29日午後3時ごろ、研究補助員の男性とセンター2階の実験室に入室。土壌汚染を除去する実験のため、ヒ素化合物が入った2瓶を保管庫から取り出した。このうち1瓶からヒ素化合物3・12グラムを使って溶液を作った。2人は瓶を机に置いたまま午後3時半から2時間半、施錠せずに実験室を離れたという。 准教授は午後6時に1人で実験室に戻り、机にあった1瓶を保管庫に戻した。保管庫と実験室の鍵をかけて退室。
九州大創立100年 新たな国造りの牽引役に 2011年5月13日 10:42 カテゴリー:コラム > 社説 会津の「白虎隊」といえば、幕末の戊辰(ぼしん)戦争で集団自刃した少年たちの悲劇を思い起こす人も多いだろう。この白虎隊の隊士として新政府軍と戦い、後に東京帝国大学(現東京大学)総長になるなど教育界で異例の出世をした人物がいる。 九州帝国大学(現九州大学)の初代総長も務めた山川健次郎(1854―1931)だ。物理学者でもあった山川は1911年4月、初めて迎えた「九大生」400人に対して、英国人からの伝聞を紹介しながら、こう訓示した。 「日本の学生はHOW(いかに)と云(い)ふ事は深く注意するが、WHY(なぜ)と云う問を余り発せん」 真実の追求には「なぜか」という疑問の解明から始めることが肝要である。まずは物事の本質を考察して見極める。手法・手段は、その結果として考える。山川が学生たち
科研費の大幅増 改革への第一歩にしたい 2010年12月26日 10:46 カテゴリー:コラム > 社説 雨降って地固まる-か。昨年の事業仕分けで、現行政刷新担当相の蓮舫参院議員が「世界一でなければならないのか」とスーパーコンピューター開発に厳しい姿勢を示したが、その科学振興関連予算に明るい兆しが見え始めたのだ。 政府は来年度予算案で、大学研究者らに助成する科学研究費補助金(科研費)を本年度予算より230億円増の2230億円とすることを決めた。制度が始まって以来、最大の増額規模という。 文部科学省は夏の概算要求で、科研費ついて本年度より100億円増としていた。厳しい財政状況のなか、要求を上回る極めて異例の予算措置といえよう。 ノーベル化学賞の日本人2人受賞や、幾多の苦難を乗り越えての小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など、相次いだ科学関連の大型ニュースが、科学への逆風を追い風に変えたことは間
東大、共著者の男性教授を処分へ 元助教の論文盗用で 2010年7月23日 12:49 カテゴリー:社会 トルコ人のアニリール・セルカン元助教による論文盗用問題で、東京大は23日、不正が見つかった論文の共著者の松村秀一教授について、指導監督責任があったとして処分する方針を明らかにした。今後懲戒委員会を開いて処分内容を決める。 東大によると、松村教授は助教授だった当時、セルカン元助教と論文数本を共同執筆。東大の調査では、不正への積極的な関与は確認されなかったが、十分な指導をせず不正を見過ごしたと認定した。 またセルカン元助教の論文2本で、盗用やその疑いがある部分が計34カ所あることが新たに判明。ほかに科学研究費補助金の申請書類に本人の実績として記載された論文や著書26本のうち、20本の存在が確認できず、虚偽と認定した。 東大は不正が見つかった論文を掲載した学術誌などに削除依頼する。
【ATL―成人T細胞白血病―制圧へ】支援へ まず知ろう ATLシンポ「知ってください! HTLV1のこと」 2010年6月12日 11:55 カテゴリー:社会 シンポジウム「知ってください! HTLV1のこと」で発言するパネリストたち=5日午後、福岡市・天神のエルガーラホール 九州・沖縄で約50万人が感染していると推定され、血液のがん・成人T細胞白血病(ATL)やHAM(ハム)と呼ばれる神経疾患を引き起こすウイルスHTLV1について、患者や感染者への支援を考えるシンポジウム「知ってください! HTLV1のこと」が5日、福岡市・天神のエルガーラホールで開かれた。妊婦健診時のウイルス抗体検査や、情報の周知徹底、相談窓口設置など国による総合対策を目指し、2005年に発足したNPO法人「日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)が主催。HAM患者でもある同会の菅付加代子代表理事をはじめ医師
人への投資を怠ってはならぬ 「科学技術立国日本」再考 2010年1月12日 10:47 カテゴリー:コラム > 社説 ■あすへの視点■ 「なぜ世界一にならないと駄目なのか」。政府の行政刷新会議による事業仕分けで、舌鋒(ぜっぽう)鋭く迫った“必殺仕分け人”の蓮舫参院議員(民主党)が発したひと言が、「科学技術立国日本」に大きな波紋を投げかけた。 ノーベル賞受賞者6人が鳩山由紀夫首相に予算編成で直訴した際、「科学研究は世界一でなければ意味がない。1番と2番では100倍以上、価値が違う」と厳しく反論したのは、小柴昌俊・平成基礎科学財団理事長だった。 それでも2010年度予算案の科学技術振興費は09年度比3・3%減で、厳しい財政下では科学振興も錦の御旗にならない現実を突き付けられた。 9日間にわたる仕分け作業の傍聴者は約2万人、ネット閲覧は延べ270万回に上った。密室で行われてきた予算編成の一端を
世界最高水準の大学の教育研究拠点づくりを目指す文部科学省の事業。本年度までに全国で140拠点が採択された。国際競争力を高め、博士課程の大学院生や博士号を取得した研究者(ポスドク)、若手教員を支援して育成につなげるのが狙い。九州では10拠点が採択され、九大が半数を占める。長崎大の「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」、熊本大の「エイズ制圧」なども選ばれている。採択されると年間5千万―5億円の補助金が5年間交付される。 学力格差<31>大学は今−番外編 九大・若手研究者座談会 九大教授陣の展望は―連載 (2009年12月29日掲載) 新政権の事業仕分けで関連予算が議題に上るなど、その在り方が問い直された科学技術立国ニッポン。人材育成や基礎研究で重要な役割を担う大学もまた、揺さぶられた。国の財政難と厳しい経済情勢の下、転換点を迎えた大学は今−。国による若手研究者育成事業「グローバルCOE」の拠点と
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