■彼女を知らずして語れない ロバート・キャパは日本でも超有名な報道写真家で、本名はアンドレ・フリードマン。だけど「キャパ」の誕生に重大な役割を果たした、ゲルダ・タローという女性のことはあまり知られていない。 ドイツ生まれなのにタローという名前が不思議だけれど、これもペンネーム。当時パリで活動していた岡本太郎に由来するのだとか(ちょっと親しみがわいてくる)。ハンガリー生まれのフリードマンと1934年にパリで出会い、彼の手ほどきを受けて写真家としての活動を始める。 ところがなかなか写真は売れない。「報道写真家、ロバート・キャパ」は、売り込みのために2人が作ったキャラクターだった。最初のころは、タローの撮った写真も「キャパ」の名前で発表していたという。 2人はよく一緒に取材に出かけていたから、同じ場所で少しだけ違うタイミングで撮られた写真なども残っている。駆け出しの報道写真家だった若い男女の運命