タグ

ブックマーク / blog.cas-ub.com (99)

  • 縦組みにおける英数字正立論10―現在の問題点 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    しかし、英数字の方向の使い分けを全角文字正立、半角文字横倒しという方法に頼るのは問題が多くあり、中には解決が困難な問題もあります。 第一に、著者が原稿を書くときに横組みにするか縦組みにするかを予め決めなければなりません。そして縦組みでは、文字を入力するときに文字を立てるか、寝かすかを意識して原稿を用意しなければなりません。ところが、原稿を書くツールの多くは横組みが基になっています。例えば、横組みのテキストエディタでは、縦組みを意識して文字が立つか寝るかを想像しながら文字を入力・編集することになります。出版社の編集部ではおそらくそのようなガイドを作っているはずです。 第二に、電子書籍で読者が縦組みにするか横組みにするかを決定できるとすると、著者や編集者の意図とは異なる組方向で表示される可能性があります。 第三に、昔のような固定幅のフォントだけの時代であれば、全角文字と半角文字を見た目で容易

  • 縦組みにおける英数字正立論9―製品の実装と使い方 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    現在、Microsoft WordやInDesignをはじめとして日語組版を行なう製品の多くは、全角文字と半角文字を別の文字として扱い、縦組みでは全角文字を正立させ、半角文字を横倒しするという方法を採用しているようです。 アンテナハウスのXML組版ソフトの最新版である「Antenna House Formatter V6.0」も例外ではありません。このため縦組みでは半角英数字を横倒し、全角英数字は正立となります。 日語の著者や編集者は、こういったツールを前提に仕事をすることになります。従って、著者または編集者は、縦組みの書籍の原稿を整理する段階で、正立させる文字は全角文字、横倒しする文字は半角文字で用意することになります。 ただし、こういったことを知らないIT専門家も多いようです。あるセミナーで著者が「AH Formatterでは縦組みで正立させたい英数字は全角文字で入力する必要があり

  • 縦組みにおける英数字正立論8―文字コード | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    の国内規格 日の国内文字コードには、古くからJIS X0201(1バイト)とJIS X0208(2バイト)があります。英数字はJIS X0201とJIS X0208の両方の文字集合に収容されています。 JIS X0201とJIS X0208を一つにしたのがシフトJISです。シフトJISでは英数字は重複してしまいます。その時代には1バイトは半角文字、2バイトは全角文字と呼ばれていました。 1980年代から2000年頃まではシフトJISが主流でした。ただし、シフトJISを採用していないワープロ専用機も多く使われていました。 Unicode 1980年代の終わり頃にはUnicodeが開発されました。現在は多くのアプリケーションがUnicodeを用いており、文字コードの主流はUnicodeになっていると見られます。 Unicodeは各国の国内コードとの互換性を保つことを優先課題のひとつとして

  • 縦組みにおける英数字正立論7―縦組みにおける英数字の扱いまとめ | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    語の縦組みの中で英数字がどのように表記されるかの実態についてはさらに詳しい調査が必要です。しかし、とりあえず簡単に整理しますと次のようになります。 ラテンアルファベット 縦組みの書籍や新聞・一般向け雑誌では外国の地名や人名等を原文のままアルファベット表記する例は比較的少なく、カタカナで表します。ラテンアルファベットを使うのはAさんやA型のように1文字の記号として使うか、頭文字を連ねるケースが多く、文字の方向は正立が多いと言えます。 但し、英文をそのまま引用する場合、あるいは、著書を紹介するときの著者名、原著名などで英語をそのまま縦組みの行中に含める場合は、文字列単位で右に90度回転して行に収めます。新聞表記の例では、計測単位などに小文字を使いかつ桁数が多い(3文字以上)は横倒しが見られます。 アラビア数字 縦組の書籍では、アラビア数字は次のようなところに出てきます。 目次のページ番号

  • 縦組みにおける英数字正立論6―縦組みパソコン雑誌における英数字 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    縦組みのパソコン雑誌における英数字の使われ方を調べてみます。調査対象としたのは、日経BP社発行の「日経PC21」2012年3月号です。この雑誌は、ビジネスマンがパソコンを使うためのハウツー情報誌ですので技術とビジネスの接点に位置しています。ハウツーの図版が多いのが特徴です。図版の部分にキャプションと説明文が多くありますが横組みと縦組みが混在しているのも誌面の特徴です。 雑誌の誌面 肝心の英数字の使い方ですが、サンプルとして誌面の一部を紹介します。 図:日経PC21の誌面の一部 (「日経PC21」2012年3月号、66頁の一部) 図を見ると一目瞭然ですが、ラテンアルファベットは正立、アラビア数字も正立が基です。もう少し詳しく見るために、先頭(9頁)から33頁までの記事の中の縦組みになっている部分の方向を確認してみます。 ラテンアルファベット ラテンアルファベットは103箇所でてきますが、そ

  • 縦組みにおける英数字正立論5―新聞方式縦組みの英数字 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    編集者や記者のためのガイドブックとして、「記者ハンドブック 第12版」(共同通信社編著、2011年10月11日、ISBN978-4-7641-0619-2)を調べてみます。 まず、このの構成ですが、全体740頁のうち、先頭から630頁までが縦組みで、資料編110頁が横組みです。外国の地名・人名の表記、新聞略語集などが資料編に収容されています。縦組みで表記しにくいラテンアルファベットの英語表記は横組み頁を設けているのです。 ラテンアルファベット 正立(2-a.) WHEN、WHERE、WHO、WHAT、WHY、HOW、5W1H、もうひとつのW、WORTH (10頁)、A欄、A+B、など(110頁)、GK、MFなど(125頁)、ウイリアム・J・クリントン(126頁)、AからBまで(127頁)、SLのかま(202頁)、CD(236頁、256頁)、DVD(256頁、276頁)、B5版(383頁)

  • 縦組みにおける英数字正立論4―小説の中の英数字 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    の代表的な小説の中で英数字がどのように使われているかを調べてみます。 「昭和史発掘」 「昭和史発掘9」(松清張、文春文庫、2005年11月10日新装版第一刷)では、外国人名、国名・地名、外国語由来の単語はカタカナで表しています。そして、文の中のアルファベットは「A行動記」「B仙台発見遺書」(順序記号)(P.231)「Y判士」(p.294)のように1文字の記号として使っているだけです。もちろん正立で使っています。 横倒しのアルファベットは文には登場しません。 年号、日にち、年齢、人数などの数字はすべて漢数字で表記しています。縦組み中のアラビア数字は次の使われ方だけです(この他に、ページ番号、奥付けにもアラビア数字が使われていますが、これらは横組みなので除外します。以下同様に横組み部分は除外。)。 表紙の「9」という巻数 節番号(1,2,・・・) 箇条書きの項目番号(p.63) 目次

  • 縦組みにおける英数字正立論3―英数字は正立・横倒しの扱いが厄介 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    ところが、縦組みするときにラテンアルファベットやアラビア数字(以下、総称して「英数字」といいます)を正立させるか横倒しさせるかを決めるのは厄介です。 ラテンアルファベット 日語の中には、ラテンアルファベットを使うことができます。例えば、A氏、NHK、ISOといった文字列の中のアルファベットは記号であり、縦組みでは一字一字正立させなければなりません。しかし、同じラテンアルファベットでも縦組みする日語の文章の中に”International Standard Organization”というような文字列があるとき、これを一文字づつ正立して縦に並べますと大変読みにくいものとなります。従って、縦組みの中では文字列全体を右に90度回転して行に収めます(「日語組版処理の要件」2.3.2 縦組と横組の主な相違点のb-1-ii)。これは1文字毎にみますと右に90度回転、つまり横倒ししているように見え

  • 縦組みにおける英数字正立論2―縦組みするときの字形の変更 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    印刷や制作に携わっている人にとっては横組みと縦組みでは扱いを変更しなければならない文字があることは常識に近いと思います。しかし、これから著者自身が電子書籍を制作することになると、著者にもこういう知識が必要となります。 横組み縦組みで共通の文字 日語の表記に使う文字の中で漢字やひらがな(の多く)は、通常、正方形の枠の中にデザインされており、横組みか縦組みかを意識することなく使うことができます。 縦組みと横組みで方向・形を変える文字 次にあげる文字は、横組みから縦組みに変更するとき、回転させたり、文字の形を変える必要があります。 括弧類は横組みでは正立していますが縦組みでは横になります。この場合は、時計回りに90度回転することになります。 句読点の場合は、ひとつの文字を囲む矩形の中で、横組みでは左下におきますが、縦組みでは右上におきます。この位置関係の変更は回転では実現できませんので、文字の

  • 縦組みにおける英数字正立論1―はじめに | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    語の書籍の組版には横組みと縦組みの二つの方式があります。技術書・専門書は横組みが多いのに対し文芸書をはじめとする一般書や経済書は縦組みという使い分けがなされていますが、現在は横組みか縦組みかは著者や編集者などが出版する立場から決めています。書籍は刷り上った頁が読者の目に触れることになりますし、読者が組方向を変更することは想定していません。 ところが、EPUB形式の電子書籍では、コンテンツはWebと同じXHTMLの形式であり、そのレイアウトはCSS(Cascading Stylesheet)で指定します。コンテンツを組版して表示するのは読者の手元にあるEPUBリーダです。EPUB3ではCSS3のWriting Modesという仕様を利用してコンテンツに縦組みを指定することができます。しかし、EPUB3リーダには縦組みのできないものもあります。つまり、コンテンツが縦組みで読まれるか横組みで

  • 全角英数と半角英数の使い分けの煩わしさをなくす100年1回のチャンスが来ています! | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

  • ラテンアルファベットと数字を縦にするか、横にするか?UTR#50とCSSの関係 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    現在、Unicodeに「Unicode Properties for Vertical Text Layout」(UTR#50)という仕様が提案されており、そこでは縦書きのときの方向特性と文字間の調整のための特性を文字特性として与えようとしています。 これについての論点は多いのですが、その中で、あまり取り上げられていない問題として、ラテンアルファベットとアラビア数字に、縦書き時に正立で表示するか横倒しにして表示するか、どちらが良いか、ということについて、このブログで検討しています。 最近、Twitterでも少しこの話が盛り上がっています。 UTR#50は文字のコードポイントに対して特性を規定するものでプレーンテキストに対しても適用となります。そこでUTR#50の文字特性とCSSのWriting Modeとの関係について検討してみます。 UnicodeではラテンアルファベットA~Zは、U+0

    seuzo
    seuzo 2012/02/01
    私見に同意。
  • 電子書籍を作るワークフローにDTPを中心に使うことへの異論 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    市川せうぞーさんという方の記事「InDesignは電子書籍の中間ファイルたり得るか?」を発見しました。 URL:http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1101/19/news056.html この記事は2011年1月の掲載なので1年前のものですが、一読してまったく同意・同感、我が意を得た思いです。 この記事では「InDesign」で最初に書籍を制作して、その完成版から「EPUB」書き出しを行なうという作業の進め方は、次の点で「だめ」とする意見が述べられています。 ○電子書籍を制作するワークフローの中心に「InDesign」を置く方法がだめな理由 1.InDesignから書き出されたEPUBは構造化されていない。するとEPUBをいろいろ書き直す必要があり、データが同期しなくなってしまう。 2.EPUB書き出しを前提にしてInDesignで出版物を

    seuzo
    seuzo 2012/01/26
    ありがとうございます!
  • 縦組み書籍における英数字の使われ方 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    語の縦組み書籍の中で英数字(ラテンアルファベットやアラビア数字)をどのように使うかはかなり悩ましい問題です。 この問題を整理するにあたり、実際の書籍で少し実態を調べてみたいと思います。少しずつになりますが。 例えば、「昭和史発掘9」(松清張、文春文庫、2005年11月10日新装版第一刷)ではアラビア数字は次の使われ方だけで、年号、日にち、年齢、人数などの数字はすべて漢数字で表記しています。 ・表紙の「9」という巻数 ・節番号(1,2,・・・) ・箇条書きの項目番号(p.63) ・奥付け(横組) ・目次のページ番号(縦中横) ・柱のページ番号(横書き) ☆最後の3つは横方向。 また、外国人名、国名・地名、外国語由来の単語はカタカナで表しています。そして、アルファベットは奥付け以外には、「A行動記」「B仙台発見遺書」(順序記号)(P.231)「Y判士」(p.294)のような使い方だけで、

    seuzo
    seuzo 2012/01/24
    単純な横→縦だけでなく、縦書きになると漢数字になる場合もあり、さらに位取りや単位の付け方など広範に及ぶ可能性がある。
  • 「PDFインフラストラクチャー解説」EPUB本の0.12版を公開 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    昨夜より、「PDFインフラストラクチャー解説」EPUBの0.12版を公開しました。 EPUBはこちらからダウンロードしていただくことができます。 ○「PDFインフラストラクチャー解説」EPUBの0.12版 2016年1月に書発売により無料配布を終了させていただきました。詳細ご案内は下の【広告】をどうぞ。 0.12版で0.1版から追加になったのは、次の通りです。 6章の6.4以降 6.4 Unicode の歴史 6-5 漢字の文字コードと字形 6-6 漢字の大文字セット 6-7 グリフとグリフセット 6-8 ハングル 6-9 ラテンアルファベットと結合文字 6-10 アラビア文字 6-11 リガチャ 第7章スクリプト処理 7-1 スクリプト処理エンジン 7-2 結合文字と文字の合成 7-3 アラビア文字の処理 四六版にして50頁弱です。文字コード関連の記事は、「PDF千夜一夜」でも結構

  • レンダリングエンジンにGeckoを使うEPUBリーダ、AZARDIクイック・レビュー | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

  • 「PDFインフラストラクチャー解説」EPUB本の0.1版を公開 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 昨年の末から、2005年から2008年にかけてブログで1000日間連載した「PDF千夜一夜」(http://blog.antenna.co.jp/PDFTool/)の記事を整理して電子を作っています。もちろん全面的にCAS-UBを使っています。 発行しようとしているの名前を仮に「PDFインフラストラクチャ解説」という名前にしました。とりあえず、夏ごろに発行したいと考えています。昨年末からはじめてまだ4,5日ですが、四六版PDFにしますと約120頁程度(見出しだけの頁を含めて全178頁)できましたので、少々気が速いですが、0.1版としてEPUB版を公開しました。次からダウンロードしていただくことができます。 「PDFインフラストラクチャ解説」EPUB2.0版(0.1版)(無償) 2016年1月に書発売となり、無償配布を終了さ

    seuzo
    seuzo 2012/01/03
    「PDF千夜一夜」サイトを再編集してEPUB版『PDFインフラストラクチャ解説』を公開。これはすごい!
  • 2012年EPUB3ブレークの条件 | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    CAS-UBのセールスポイントはいうまでもなくEPUB生成、特に今後はEPUB3である。で世間の動きで見るとEPUBは多少の関心を集めてはいるが、ビジネスとしてはまだあまり盛り上がっていないといえるだろう。 (アドビなどと比べて)開発面で非力なサービス会社としては、この間に着々と開発を進めておき、大ブレークしたときにちょうど満点のサービスを提供できるととても都合が良い。なので、私としては今はまだ盛り上がらないほうが好都合なのだが、いつまでもそうは言っていられない。CAS-UBプロジェクトでそろそろ売上を稼がないと、ちょっと格好悪い。 ということで、来年はEPUBがビジネスとして盛り上がって欲しいのだが。そこで、2012年EPUBビジネスが盛り上がる条件を考えてみた。 1.第一にEPUB3の優れたリーダーが出てくること。先日発行された「EPUBによる電子出版ビジネスソリューション調査報告書2

  • コンテンツ構造化の視点―大域構造化と局所構造化(メモ) | 電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ

    コンテンツの構造化にはいくつかの視点がある。ひとつは、大域か局所かというレベルである。 大域構造化とは、書籍で言えば記事を目次のレベルで分類したようなものである。すなわち、書籍は、前付け、目次、文、後付といった大きな枠組み構造をもち、その下に、たとえば文であれば、章、節、項という枠組み構造があり、全体としては木構造になる。 章、節、項という構造とは別に、柱、ページ番号(ノンブル)、脚注と言う構造がある。これは、文の流れと関係するが、主にコンテンツにアクセスするための構造である。柱、ページ番号や脚注は可視化するときに内容と場所が決まるものである。分かりやすい例として柱をあげると、書籍の頁に片柱で章の表題を付けるとすると、その表題が現れる回数や場所は判型や版面によって異なることになる。 索引なども表示に依存する構造である。索引語を整理して配置して、索引から文への参照をつける。印刷した書

    seuzo
    seuzo 2011/12/18