(※本稿の初出は『yomyom vol.64』(新潮社)です) 落語ファンに嫌われた落語会 渋谷にあるユーロスペースは、オーナーの堀越謙三氏が1982年に桜丘町にて立ち上げた劇場で、2006年、現在の円山町に移転した。カラックスやキアロスタミを国内に紹介した功績も大きいけれど、単館上映館という文化を創ったことも大きい。そんな堀越さんが、ビルの二階にあるスクリーンを劇場に改装、落語会をやりたいと言い出したのは2014年のことだ。 渋谷は、文化的に伝統と革新が共存する珍しい街だった。たとえば、演芸の話に限っていえば、東横落語会という殿堂があったし、その一方で渋谷ジァン・ジァンという小劇場で創作らくごを披露する革新派たちが常に時代を切りひらいてきた。しかし、それも昔の話。いまはどちらも劇場は消滅、落語会も行われなくなり、PARCO劇場が立川志の輔の公演をやってはいるものの、定期的にいろんな演者が
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