Dellにはこの1年、さまざまな変化があった。しかし製造戦略の要となるノートPCの製造においては伝統を守っている。 言うまでもなく、Dellは、直販モデルを強力に推進し、見込数ではなく実際の注文数をもとにコンピュータを製造する手法で急成長を遂げた。 単純な戦略だと思うかもしれないが、デスクトップPCがノートPCより圧倒的に人気があった時代に、Dellはこのやり方にこだわってPCの最大手メーカーになったのである。しかしノートPCが全盛となった今、経費節減に熱心なPCメーカーの大半は、台湾や中国の委託製造業者がすべて組み立てたノートPCを自社製品として購入している。 だが、Dellは違う。Dellは、ノートPCのかなりの部分を自社の工場で組み立てている。これは同社が長年デスクトップPCでとってきた手法だ。 問題は、かつてその有効性が実証された「Dell流」が、ノートPC時代にも通用するかどうか