加速度的に進んでいるかのように見える「通信と放送の融合」。その象徴ともいえそうなネットテレビ(※1)は、視聴者数の急増で注目を浴びる半面、収益が追いつかないというジレンマを抱えている。その可能性に今、白黒付けるのは時期尚早だと、インターネット総合研究所(IRI)代表取締役所長の藤原洋氏は指摘する。藤原氏によると、「通信」が「放送」事業を試みるのは史上4度目。そんな今という時代は、ライフスタイルの変化が現在進行中で、「道具立てがそろった挑戦」になっているという。キーマンに、その真相を聞いた――。 通信の世界が動画サービスを手掛けるのは、これが4度目の挑戦となる。 最初は1980年代前半、アナログでの実験だ。電話回線で配信されたものを、専用の端末で見るものだった。次は、ISDN上の圧縮動画によるテレビ電話の試みだ。三回目は93年ごろで、ATM網(※2)でビデオオンデマンドを実現しようとした。い