「古酒」というと、泡盛のクースやワインのヴィンテージを思い浮かべる人が多いかもしれません。 しかし、日本酒にも「古酒」という考え方が存在します。いったいどんなものを指す言葉なのでしょうか。 今回は「古酒」について解説いたします。 古酒の定義 日本酒における「古酒」は、一般的にその年以前に造られたものをいいます。 たとえば、現在を平成29BY(酒造年度)とすると、平成28BY以前に造られた日本酒すべてが「古酒」に当たります。 2年以上熟成させたものを「大古酒」などと呼ぶこともありますが、そもそも「古酒」に関する明確な定義はありません。ちなみに、長期熟成酒研究では、「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を"熟成古酒"と定義しています。 古酒の歴史江戸時代頃まで、古酒は今よりも一般的なものでした。当時の文献には、お酒は長く寝かせたものほど貴重で、熟成年数が長くなるほど高値で取引され